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本棚本S2まとめNo.11-20:和物いろいろ

確定申告のせいです。
ぜーーんぶ確定申告のせいです。
なして追加で納税するためにひいこら計算しなければならないのか。

ま、そんなわけで、今回の本棚本紹介もだいぶ時間がかかりましたね。
単純に、「大作は時間がかかるから手がつけにくい」ということもありますが。

ともあれ、今回の10冊いってみましょう。

こちらのマガジンにこれまでの本をまとめています。

タイトルだけ並べると、こんな感じ。

風の万里 黎明の空(上)(十二国記)
風の万里 黎明の空(下)(十二国記)
リトル・プリンセス(スレイヤーズすぺしゃる2)
薬屋のひとりごと1
別冊 図書館戦争1
365日にっぽんの色図鑑
烏に単は似合わない(八咫烏シリーズ)
金田一秀穂の心地よい日本語
灰色の砦(建築探偵桜井京介の事件簿)
ひとりごはんの薬膳レシピ

表紙を並べるとこんな感じ。

にっぽんのことば

わたしはこれでも多少の英語を嗜んでおりまして、英語は英語で美しい言語だなと思いますが、日本語人でよかったな思うことは多々あります。
本をよく読む身としては、「言葉の心地よさ」はとても重要です。
柔らかい文章を読みたいこともあれば、バシバシと切れ味のよい文章を読みたいこともあります。
軽い文章の気分の日もあれば、濃厚な表現に浸りたい日もあります。
日本語のここちよさ。
日本語には文字表現や意味だけでない、「音」としての心地よさが、何種類もあるように思います。

こと表現のほうに目を向ければ、色の和名をみているだけで「よくこの色を“美しい”ものとして表現しようとおもったなあ」というものがたくさんあります。
もののあわれというのか、いとをかしというのか、染色で表される色を、原材料でもなんでもない自然界の色から、あるいは“情景”から名づけるというのは、ものすごいことだと思います。
わたしは青緑系の色が好きですが、いろの本をめくっていたら、「納戸色」という美しい緑に出会いました。
納戸、つまり物入れの部屋の、暗がりに差し込む木漏れ日の色を、濃い緑色として表現するなんて、これを思いついた人も、これで色名が普及したことも、不思議でなりません。
日本語っておもしろいなあと思います。

異世界少女譚さまざま

十二国記は今回はもう「異世界もの」として扱いますね。
少女、というか、10代女性が主人公の物語でも、「年齢が重要な」場合と、「年齢はただの記号である」場合があります。
スレイヤーズなんかは後者だと思いますが、でもやっぱり10代前半にして世界最強レベルを誇る魔道士のリナは、年齢によるデバフを実力で補っているんだなぁと思います。
というか、この世界の「年齢観」てどうなっているのだろう。
いかに旅慣れしていそうでも年齢より幼く見える少女に、大人がいきなり護衛依頼を持ちかけるとか、あるんだろーか。
そうしないと話が進まない、というのは一旦置いておくとして。
その点本編のほうになると、ガウリイがはじめやたらとリナを子ども扱いするのが一般的なのかもしれないと思います。
実力的にも拮抗してる分、年齢差でガウリイのほうが上ですもんね。

薬屋もあまり年齢は関係ないタイプの作品。
主人公猫猫が毒マニアという点で、魔道オタクで金目のものに目がないリナといい勝負です。
猫猫のほうが自分の立場とか、身分とか、面倒なあれこれを自覚している分年上だなとは思いますが。

年齢ががっつりテーマになってくるのは、十二国記のほうですよね。
のちに慶の3人娘と(読者に)呼ばれるようになる3人が出会うのが、この物語。
陽子は見た目通りの実年齢、まだぎりぎり10代。
祥瓊は見た目10代半ば、実年齢50歳くらい?
鈴は見た目10代前半から半ば、実年齢100歳くらい?
すいません、ちゃんと調べる気がないんですけど、前芳王の治世は数十年だったよね?
鈴は明治くらいの子だと勝手におもっている。
実年齢はともかく、3人がそれぞれ、思春期特有の「自分とはなにか」「自分はどうあるべきか」という問いに向き合い、自立への道を見出していく、という意味で、これはまさしく「少女の成長物語」なのだと思います。

一方の八咫烏のほうは、「若君の后選び」という意味でやはり年齢制限のある物語で。
とくに白珠の話なんかは、少女が大人の女性としての自覚を持つ話であったり、真赭の薄も恋に恋する乙女から、自分の道を決める女性への変化を描いていたりするので、これもある意味で「成長物語」なんでしょうが……
まあ、あせびの君がね。
怖すぎるよね。
年齢とか関係ないよね。
いや、幼いからこそ怖いよね。
うん。

医食同源、毒もまた薬なり

いや、この二つを並べるのはどうよ、と思いますけども。
「体にいいものを食べましょう」というのと、「食べ過ぎは体に毒」というのは、常に両立することですので。
薬も取り過ぎれば毒になる。
毒も少量なら薬になる。
何事も適量であること、体が必要としているものをとること、それに尽きる気がします。
しかしあれだ、チョコレートもコーヒーも紅茶も、もとは薬扱いだったよな、としみじみ思ったのでした。

今回のあぶれもの

はい、珍しくラブコメとミステリが単独で残りました。
めずらし!
おかしいですねえ。
いや、図書館戦争は「ことば」枠に入れてもよかったんですけどね。
なんとなく今回は違う気がしまして。
ミステリという意味では、灰色の砦と薬屋は一緒にしてもよかったかしら。

まとめ

なんと今回!
イギリス要素なし!!
珍しいこともあるもんです。
イギリスといえばファンタジーですが、和製ファンタジーも層が厚くなったな、というのを実感します。

今回の自分的達成は、「八咫烏シリーズ」に手をつけたことですかね。
勢いに乗って読み返していますが、いやほんとすごいよこのシリーズ。

あと今回電子書籍が多めだったので、次回は久しぶりに現物の本を多めに紹介できればいいかなあと思っています。
(思ってるだけ)

それではまた次の本棚本紹介でお会いしましょう。

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