上出長右衛門窯の道行/"MICHIYUKI" by CHOEMON

九谷焼窯元の新作開発の紆余曲折するストーリーをリアルタイムでお伝えしています。旅は道連…

上出長右衛門窯の道行/"MICHIYUKI" by CHOEMON

九谷焼窯元の新作開発の紆余曲折するストーリーをリアルタイムでお伝えしています。旅は道連れ世は情け。これまで秘密にしていた新作とそのアイディア、プロセスを上出長右衛門窯六代目・上出惠悟が綴っています。皆様、是非ご同行下さい。 頂いたサポートは今後の新作開発費に充てさせて頂きます。

マガジン

  • 上出長右衛門窯の道行

    現在進行中の新作開発の紆余曲折するストーリーを、テキスト、写真でお伝えしています。旅は道連れ世は情け。これまで秘密にしていた新作とそのアイディア、プロセスを上出長右衛門窯六代目・上出惠悟が綴っています。皆様、是非上出と一緒にご同行下さい。

  • 【六寸刻文皿】の道行

    2020年に発表した「八寸丸皿 百果刻文」を小さくリサイズした「六寸丸皿 百果刻文」の道行です。様々なフルーツをレリーフ状に彫刻したデザインで、製法である「圧力鋳込」や「石膏型」についても詳しくご紹介しています。 https://www.choemonshop.com/products/163045

  • 【エフゴマグ】の道行

    上出長右衛門窯で轆轤(ろくろ)や原形制作などの成形業務を担当している柴田鑑三によるエフゴマグの道行。リアルタイムではなく後日の振り返りの為、詳細な製作過程はありませんが、職人自身による言葉が貴重です。エフゴマグをお使いの方に是非お読み頂きたいです。 http://www.choemonshop.com/choemon/f501.html

  • 【干支湯呑 笛吹 寅】の道行

    「干支湯呑 笛吹 옛날 호랑이」の道行です。 品名をハングル文字にした理由とは?韓国の昔話にまつわるエピソードをデザインに込めた「寅年の笛吹湯飲」を綴るお話。昔話「カササギの恩返し」と「窯(かま)」にまつわる秘密をご紹介。 リアルタイムではなく後日の振り返りの為、詳細な製作過程はありませんが、干支湯呑 笛吹 寅をお使いの方に是非お読み頂きたいです。 http://www.choemonshop.com/choemon/eto-04-05.html

  • 【干支水滴 寅】の道行

    毎年作っている「干支水滴」の2022年、寅年の道行。 アイデアから何度もサンプルを重ねた制作秘話と販売スタート、そしてラストの残念なお知らせと上出の反省までの全18話をお読みいただけます。 http://www.choemonshop.com/choemon/eto-04-01.html

最近の記事

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上出長右衛門窯の道行がはじまります

こんにちは。上出惠悟(かみでけいご)と申します。 私は石川県にある九谷焼の窯元である上出長右衛門窯(かみでちょうえもんがま)の六代目として、現在20名程の職人、並びにスタッフとともに日々九谷焼の製作、そして販売を行っています。活動内容については、下記の記事に詳しく掲載されておりますので、宜しければご覧ください。 さて、このnote「上出長右衛門窯の道行(みちゆき)」は、私たちがこれから発表しようとする新製品の製作過程をリアルタイムで、皆様にお伝えしようという試みです。

    • 【KUTANI SEAL】の道行#1「上出くんやろうよ」

      こんにちは。上出惠悟です。 ここのところお知らせしたいことが色々とあるのですが、しばらく進展がなかったKUTANI SEALに最近少し動きがあったので、今日は改めてこのブランドについて書いてみようと思います。15周年になる歩みの中で、ワークショップや、様々なブランドやキャラクターとのコラボレーションなど、皆様もどこかでご覧になっているかもしれません。その中で恐らく一番多くの方の目に触れていたのは「加賀棒茶」で有名な丸八製茶場の「加賀いろは」というシリーズではないかと思います

      • 【あるお皿】の道行#4「来るぞ来るぞ」

        こんにちは。上出惠悟です。 今日も太陽は容赦なく、私たちを暑く苦しくさせています。今日で7月も終わり、明日から夏本番というところですが、北陸ではまだ梅雨明けの発表がありません。山形や秋田では記録的な大雨で甚大な被害が出ているとのことですが、皆様はご無事でお過ごしでしょうか。 noteを書くのは少し久しぶりです。その間、何をしていたかと言えば、絵を描いていました。6月1日より母校である東京藝術大学内にある藝大アートプラザで「IZURA」と題した油画の個展を、そして7日より京

        • 【第17回窯まつり】の道行(後編)

          こんにちは、山崎つかさです。 結局、私も上出(惠悟)の部下らしく6月末ギリギリの更新になってしまいました。まだまだ社内では、おまつりのフィードバックや入門作品の仕上げ・発送など窯まつりの事を考えたり、秋の轆轤まつりの開催の是非について議論を進めたりしています。道行ではそろそろ水滴や他の干支もの商品の話が始まるかもしれません。今年も試行錯誤中ですのでそちらも是非お楽しみにお待ちください。 上記に並行して上出は只今絶賛個展を開催中です。東京と京都二箇所で油絵と水墨画の異なる展

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        マガジン

        • 上出長右衛門窯の道行
          初月無料 ¥500 / 月
        • 【六寸刻文皿】の道行
          14本
          ¥500
        • 【エフゴマグ】の道行
          1本
          ¥100
        • 【干支湯呑 笛吹 寅】の道行
          1本
          ¥100
        • 【干支水滴 寅】の道行
          18本
          ¥500
        • 【干支水滴 辰】の道行
          3本
          ¥300

        記事

          【第17回窯まつり】の道行(前編)

          こんにちは、山崎つかさです。 私は普段、上出長右衛門窯で絵付師をしています。道行では【窯まつり・絵付】の道行#2「なぜ人の手で作るのか」などでちょこっと登場しました。長右衛門窯に就職が決まった後に留年が確定したあの山崎です!絵付業務の他には窯まつり実行委員として限定品の開発やおまつりの企画・進捗管理なども担当しています。 「窯まつり」が終了してから早いもので1ヶ月近くが経ちます。今回は多忙な上出(惠悟)に変わりまして、今年の窯まつりを私の立場から振り返ってみたいと思います

          【第17回窯まつり】の道行(前編)

          【あるお皿】の道行#3「寝かせましょう」

          こんにちは。上出惠悟です。 夕方から降り始めた小雨の中で4月が終わろうとしています。あと2日も経てばいよいよ窯まつり開幕です。何せコロナ禍を挟んで5年ぶりのフリー入場制となる今年ですので、一体どれだけの人が窯まつりに足を運んでくださるのか非常に緊張しています。「誰も来なかったらどうしよう」、脳裏を過ぎるこの不安も久しぶりです(予約制だと事前に人数が見えますから)。とは言えしかし、有り難いことに今までそれは杞憂に終わって来ました。この5年以内に上出長右衛門窯と出会った方は、窯

          【あるお皿】の道行#3「寝かせましょう」

          【あるお皿】の道行#2「喉元過ぎれば」

          こんにちは。上出惠悟です。 まだ発表していない上出長右衛門窯の新商品の開発プロセスをお届けしているnote「上出長右衛門窯の道行」。未発表品ですので、つまりリアルタイムに近い形でその道行の行方を綴っています(基本的には、、)。発表された商品の開発秘話は世の中に沢山あると思いますが、どう着地するか分からない商品の動向をお伝えすることは普通あまりないことかと思います。 ですので、このnoteを読めば上出長右衛門窯が今何を考え、何を作ろうとしているのかが真っ先に、そして具体的に

          【あるお皿】の道行#2「喉元過ぎれば」

          【あるお皿】の道行#1「食べること」

          こんにちは。上出惠悟です。 いよいよ上出長右衛門窯の新しい製品の開発が始まります。このnoteではその開発プロセスを巡るストーリーを旅に喩え「道行(みちゆき)」と題して皆様にお届けしているものです。一人の作家ではなく、九谷焼の窯元である私達がどのようにして製品づくりをしているのか、これを読んで頂ければその閃きや苦心、伝統や工夫などが深く理解できるのではないかと思います。これまでずっと購読して下さっている皆様、そして最近購読して下さった(もしくはこれから読んでみようかという)

          【あるお皿】の道行#1「食べること」

          【窯まつり・絵付】の道行#13「試される意志」

          こんにちは。上出惠悟です。 大変辛い一年の幕開けとなってしまった2024年、今年はどんな一年になるのでしょうか。いつも翌年の干支のデザインを考える際には、良い年になるようにと祈りをこめて描くのですが、そんなことは本当にちっぽけなことなのだと思い知らされます。と書くとお前にどんな力があると思っているのかと突っ込まれそうですが、祈ることは決して意味のないことではないと思っています。 干支の製品に限らず、それを作っている職人たちの仕事にも作り手ならではの思いがこもっています。今

          【窯まつり・絵付】の道行#13「試される意志」

          【窯まつり・絵付】の道行#12「新しい未知」

          さてさて、こんにちは。上出惠悟です。 年の瀬に東京へ向かう新幹線の中で書いています。ようやく【窯まつり・絵付】の道行も終着地点です。思うように執筆に時間が割けず、連載が長期に亘ってしまいました。本来は窯まつりのある5月頃には終わらせる予定だったのですが、どうやら年を跨いでしまいそうです、、。 これまでの内容について、もうお忘れになっている部分もあるかと思いますので、先ずはこれまでのトピックを以下に簡単に纏めました。 絵について 上出長右衛門窯の問題点 窯まつり限定品の

          【窯まつり・絵付】の道行#12「新しい未知」

          【干支水滴 辰】の道行#3「前例を参照せよ」

          こんにちは。上出惠悟です。 1年以上続いていた原因不明の咳がどういう訳か治ったので、ずっとやりたいと思っていた朗読会をこのクリスマスに開催することにしました。年末でお忙しいことと思いますが、宜しければいらしてくださいね。皆様にお会いできますのを楽しみにしております。 さて、まさかの全3話となってしまった「干支水滴 辰」完結編です。ではどうぞ。

          【干支水滴 辰】の道行#3「前例を参照せよ」

          【干支水滴 辰】の道行#2「バイオリンの先端部分」

          こんにちは。上出惠悟です。 犬を散歩させながらTシャツで運動場を駆ける子供達を見ていたのは昨日のこと。もう12月になるというのに暖かく、来年の干支に纏わる商品をご紹介しておきながらも暦とのギャップに驚いている2023年11月末日です。皆様は如何お過ごしでしょうか。 現在来年の干支である辰年の水滴の道行(開発ストーリー)をお届けしています。もう既に販売しておりますので、是非お手にとって頂ければと嬉しく思います。

          【干支水滴 辰】の道行#2「バイオリンの先端部分」

          【干支水滴 辰】の道行#1「真っ直ぐ進む道」

          こんにちは。上出惠悟です。 【窯まつり・絵付】の道行の完結を未だお見せ出来ていませんが、この道行を始める際の問いであった「なぜ私たちは手で作るのか」という大きなテーマがまだ纏められていませんので、今回は発売目前の【干支水滴 辰】の道行をお届けしたいと思います。 寅年、卯年と2年続けて「干支水滴」の道行を書いて来ました。ですので、新しい年の水滴も楽しみにされていた方も多いのではないかと思うのですが、今回は書かないだろうと【窯まつり・絵付】の道行を綴りながら思っていました。何

          【干支水滴 辰】の道行#1「真っ直ぐ進む道」

          【窯まつり・絵付】の道行#11「歴史とつながる」

          こんにちは。上出惠悟です。 今年2月に始まった今回の道行もそろそろ終盤です。これまで絵付場で活躍する3人の女性を紹介して参りましたが如何でしたでしょうか。上出長右衛門窯で働いている私達がどんな人間で、どうしてここで働いているのか、少しでも身近に感じて頂けていたら嬉しいです。 ここで初めて読んでいる方に少しだけご説明すると、このnote「上出長右衛門窯の道行」は、私達がこれから発表しようとする新製品の製作過程を、あえて隠さずにリアルタイムで皆様に公開しようという試みです。紆

          【窯まつり・絵付】の道行#11「歴史とつながる」

          【窯まつり・絵付】の道行#10「もっと練習を」

          こんにちは。上出惠悟です。 いよいよ第2回目の轆轤(ろくろ)まつりが始まります。今回からはコロナ前と同じフリー入場制になるので、是非多くの方にお越しいただきたいです。16回を数える窯まつりに比べればまだまだ手探り状態ですが、轆轤師を中心に職人たちは張り切って準備をしています。轆轤まつりはこれまで華やかな絵付の影に隠れている轆轤に光を当てようと企画されました。改めて考えてみれば、回転する台の上に乗せられた粘土が、人の手によってあらゆる形に変化する轆轤という技術は非常に面白いも

          【窯まつり・絵付】の道行#10「もっと練習を」

          【窯まつり・絵付】の道行#9「奥出のサンプル」

          こんにちは。上出惠悟です。 突然ですが、皆様は墨の匂いはお好きですか? 多くの大人にとって墨や硯はもうあまり触れることのないものかも知れませんが、私やその他の九谷焼作家にとっては、墨はかなり身近なものと言えると思います。墨は焼くときれいに燃えてなくなるので絵付の際に下描きに使いますし、木箱への箱書きや熨斗書きなどかなり頻繁に活躍します。 それに加え、私は最近になって水墨画を始めました。水墨画は言うまでもなく墨の濃淡だけで描く古典絵画で、日本では雪舟や等伯や狩野派が有名で

          【窯まつり・絵付】の道行#9「奥出のサンプル」