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ちひろ美術館/かわいいけどたくましい

住宅街の中にある、かわいい美術館。年4回の展示替えがあり、前回のショーン・タン展に続いて行ってきました。

今回の企画展は、「ちひろさんの子どもたち」トラフ建築設計事務所×谷川俊太郎。大きく分けると1階はトラフ、2階は谷川さんがメインのようでしたが、互いに混じり合いながらの二本立てという感じでした。 

トラフの子どものへや

トラフの展示は「子どものへや」なのですが、ちひろさんの絵には子ども部屋は描かれていません。一方、帽子をかぶった子どもたちはたくさん描かれています。

「帽子は子どもにとって、一番身近な家のように安心感を与えてくれるものなのかもしれない」

ということで、大きな帽子型の子どものへやが作られていました。

また、館内のあちこちで、ちひろさんの絵をプリントした「空気の器」が帽子のオブジェになって揺れていたのも幻想的でした。

空気の器とは、こういうものです。→
http://torafu.com/works/air

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奥の展示室(子どものへや)に入る手前の小部屋。ここは撮影可でした。中庭もすてきですね。

子どものへやには、来館者が絵を描いたり詩を作ったりできる趣向が用意されています。詩の方は、「ぼ う し」で始まる3行詩など。
絵の方は、ちひろさんの子どもの顔の線画に帽子を描きたしてみようというものです。
たまたま人が少なかったので、いい年をした大人も描いてみる。

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バラの帽子、のつもり。クーピーペンシルを久しぶりに使いました。

谷川さんの詩+ちひろさんの子ども

最初から一緒に作られたのではないかと思うほど息の合った絵と詩。フレッシュな谷川さんのことばと、かわいいけど生命力にあふれるちひろさんの子どもの絵が、すばらしい相乗効果を生んでいました。

谷川は年を重ねることを木の年輪のようにとらえ、自分の内に子どもの存在を見ています。「ちひろさんは絵で子どもになれる。僕はことばで子どもになれる」と、谷川はいいます。

15人の子どもの顔を抜き出して、谷川さんがことばを付けた「なまえをつけて」という絵本の展示が特に気に入りました。
ミュージアムショップでは「空気の器」を買ったのですが、この絵本も買えばよかったなぁ。そのうち手に入れたいと思います。

展示会の基本情報

会場●ちひろ美術館・東京

会期●2019年8月2日(金)~2019年10月27日(日)

公式サイト(企画展情報)●https://chihiro.jp/tokyo/exhibitions/85204/

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