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【業界研究】総合コンサルってシステム案件ばかりやってるの?

どうも、外資系うさぎのちょこさんです。

すっかりご無沙汰してしまった感がありますが、ぼちぼちと有益な情報を発信するという徳を積める活動を再開していきますので、今後も引き続きちょこさんnoteをお気軽にご愛顧のほど、なにとぞなにとぞ。


今回はどんなことを書いていこうかしらと思っていたところ、そういえば後でnoteまとめようって呟いていたトピックがいくつかあったなと思い出したので、たてたフラグをちゃんとお行儀よく回収していく作業を始めていきますね。

というわけでまずはこちらから。

定期的についったらんどコンサル地方を賑わせる、"総合コンサルに入ってもどうせシステム案件ばっかりなんでしょ"ってやつについて解説していくことにします。

SIer側視点から見た、"どうせコンサルなんてSIerと同じことやってるだけなのに何で給料違うの"ってところも回収できると思うので、色んな立場の各位に読んでいただきたいと思います。


さて、本編入る前にいつものコピペです。
この記事も有料設定していますが、全文無料で読むことができます。もしいいねと思っていただけた場合は、ちょこさんの大好物のおいしいチョコレートを一粒調達するための費用としてカンパいただけると大変うれしいです。


では、本編をどうぞ。


◆(おおよそ)全てのプロジェクトはシステムに通ず

というわけで結論的なアレですが、総合コンサルが手掛けるような案件で今日日システムに繋がっていかないプロジェクトを探す方が難しいくらいおおよそ全てのプロジェクトの行き着く先にはシステムにたどり着きます。

一方で、おおよそ全てのプロジェクトがシステムにたどり着くからといって、それらが全てシステム開発プロジェクトなのかというと、それはそれでそういうわけでもないのがポイントです。

加えて、観測者によってシステム案件という言葉の意図するところが結構バラバラな気がするので、更にややこしくなってると思うんですよね。

なので、今回はこのあたりを深堀りしていこうと思います。


そうそう、一応、ちょこさんはSIerにいたり、ユーザ企業内でシステム見てたり、コンサルで戦略的なところも業務的なところIT的なところもやって、ついでに監査法人でITのあり方なんかも見てきたので、このあたりの文脈については宇宙の中でもすごい方だと勝手に思っています。

あ、ちょこさんのご経歴概略はこちらからご確認いただけるので合わせてどうぞ!


◆総合コンサルがやることを整理してみよう

まずは復習からです。

復習すると大抵のことはスッキリするので、復習の心を忘れずに生きていくことが大事です。

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ちょこさん、こういう言い方あまり好きじゃないんですけど、案件のいわゆる上流、下流というものは、マネジメントレイヤーの高低に沿って流れ、それぞれのレイヤーごとにサービスを提供するファームが変わってくる、というお話です。

もっと詳しく復讐したい各位はこちらからどうぞ。


で、これらの各レイヤーの案件はそれぞれ独立して発生しているのではなく、かなり長めの依存関係をもっているんですよね。

ちょっとこのあたりをDX的な案件を例にして図解してみましょう。

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と、まぁ、これくらいの案件であれば、大手総合ファームは全フェーズ自社(エンジニアだけは外注)でやってしまおうとするはずです。
アクセンチュアなどエンジニアも抱えてるファームはエンジニアも自社から出せるのが強みですね。

最近は戦略ファームもDX部隊や実行支援部隊を拡充させているので、このあたりにも結構入り込んでいるかもしれないです。


そして、こういったDX案件以外でも、大抵の案件は戦略制定⇨業務設計⇨システム開発と工程が流れていくのが一般的です。

例えば、M&A案件だと、戦略制定や買収先選定、各種デューデリジェンスなどがイメージしやすいですが、経営統合後のPMI(Post-merger integration)フェーズでは、業務やシステムの統合の実行支援が下手すると数年がかりで続いていくことになります。

最近なにかと話題の某銀行だって、長い目で見るとあれもM&A後のPMIフェーズでのやらかしがずっと続いている感じですしね。


他にも、全社コスト改革や組織再編みたいな案件の後ろにも業務やシステムの統廃合が待ってますし、自分たちが担当しているフェーズの前後ではどんなチームがどんな案件をこなしているか、って視点を持つことが非常に重要なんですよね。

ここを見ずに、自分たちが見えている世界が全て、という前提で色々語ってしまっている例もときおり見かけますよね。
なるべく、広い視点と豊かな想像力をもってお仕事にあたりたいものです。


◆結局、システム案件って何なの?

さて、ここでちょこさんからこれを読んでいる各位への質問です。

さっきの図の①~⑤のうち、システム案件だとあなたが思うフェーズはどこからどこまでですか?


ちょこさん的にはこんな感じですね。

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このあたりって共通的な用語にはなっていないので、語り手によって差異はありますが、同業者各位も大きな違和感はないんじゃないかと思います。

更に、黄色枠のところはSI案件として括ってあり、ここが一般的なイメージでの"システム開発"と呼ばれるフェーズになります。

ざっくり言葉で定義してみると、

システム案件
必ずしも自分たちはシステム設計などには触れないが、同じフェーズで別のチームがシステム設計やシステム構築などに触れている案件。
また、直後のフェーズでシステム設計などが始まることが見えている案件。
※リリース済みシステムの改修も含む

SI案件
システム案件のうち、エンジニアが参画して、動く成果物を作っているフェーズを含む案件。

という感じになります。


◆コンサルとSIerってやってることは同じなの?

定期的に盛り上がってる話題ですよね。

ちょこさん的な結論としては、コンサルとSIerが同じフェーズで一緒に稼働することもあるものの、全体的な視点で見るとやってることは全然違う、です。

ややこしいことに、アクセンチュア、ベイカレ、アビームはコンサル部隊の他にSI部隊も社内に抱えているので、マルチベンダーのSI案件ではこれらのファームのSI部隊(+ITコンサル)と、SIerのエンジニアが一緒に稼働することも結構あるはずです。

そうなると、SIの現場にいるフレンズ各位からは”コンサルもSIerもやってることは一緒”って見えるのも納得感はあるものですよね。


というわけで、今回は

・現場レベルで見るとSIerと同じことをやってるコンサルはそれなりにいる

・コンサルがやってる案件全体を見るとSIerとは全然違うことをやっている

と覚えて帰っていただければよいのかなと思います。


◆システム案件と侮るなかれ

そうそう、もうちょっとちょこさんのお考えを書いておくことにします。

なんか若手を中心に"コンサル入っても結局システム案件やらされるんですか?"って不満そうな声がたまーに聞こえてくるんですよね。

逆に"システム使わずにいったいどんな最終的な価値をクライアントに提供できるのかしら"って思っちゃうんですけども。

あくまでちょこさんは総コンのフレンズなのでこういう視点になるのですが、結局は最終的に形のある成果物を出さないとコンサルの仕事って何の意味もないんですよ。

特に、総コンが扱うお仕事の場合、大抵は新しい業務フローとそれを実現するためのシステムが形のある成果物になるのです。

いくら上流工程で素晴らしい計画を立てようが、それが実行に移されなければ何の意味もないどころか、コンサル費用の分だけマイナスです。
余計たち悪いです。
世の中に結構ありますよね、提案と計画立案だけしてもらったけどどそのあと何も実行されてない案件って…。


というわけで、全ての案件はシステムに通じる、そして、形のある成果物はまずはシステムから、という考え方で前向きにシステム案件に携わっていってほしいですね。


長くなるのでこれは別のnoteで書きますが、何の肩書も経歴もコネも持たない手ぶらの新卒が将来どこかの案件で活躍するためには、まずはどこの現場でも求められる基礎スキルをきっちり身につける必要があります。

ありがたいことにシステム案件に入るとそのあたりの基礎スキルを割と満遍なく身につけながらある程度余裕を持った長めのスパンで案件に取り組むことができるんですよね。

以上、余談でした。


◆オススメの1冊

気がつけば今年も新しい業界地図が発行されるシーズンになっていまいた。
ちょこさんも毎年これは読んでいます。

自分がいる業界のことは詳しくとも、近い業界(コンサルからみたSIerなど)や、クライアントの業界の構造などはなかなか最新の情報をインプットしづらかったりするので、季節行事としてこういうのをさらっと読む癖をつけておくとなかなかはかどりますよ。

ぜひ毎年最新版を買ってください。


そんなこんなで久々のちゃんとしたnoteの更新でした!

いつも小難しいnoteをお読みいただきありがとうございます!
読んでいて有益だなと思っていただけましたらぜひともチョコレート代のご支援をよろしくおねがいします!

ではまた次回!


質問箱もどうぞ。


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