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知るのが早ければ早いほど良い、仕事に対する2つの視点とその違い

個人的には、仕事の場で使われる「タスク」という言葉はあまりスキではありません。

部分的に切り離された仕事を、全体を見ずに終わらせることだけを考えてする"作業"という意味合いが強いからです。

もちろん、会社で働き始めて間もない頃は、このタスクを如何に効率良く終わらせるかに注力していました。

それこそ、To do list、時間を測っての効率化などなど、様々な手法に手を出した頃もありました。

ただ、「経営=マネジメント」を意識すると、このタスク志向からは遅かれ早かれ卒業していくことが必要になります。

そして、経営を意識することは、経営者を目指さない場合でも、コミュニケーションを円滑にするために、早ければ早いほど良いと思っています。

今日はそんな、ちょっとお堅めのお話です。

タスクドリブンからの脱却

新しく仕事を始めたばかりの時など、仕事の全体像が分からない時は、仕事がタスク志向に陥りがちです。

そのタスクによって、全体として何が出来上がるのか、どんなコミュニケーションのためにやっているのか、その最後の目標を見失いがちなのです。

それに気がつかないうちは、如何にタスクを効率的に終わらせていくかばかりに意識が向いてしまいます。

この、「担当者マインドセット」が、タスク志向のもたらす悪い点です。

もちろん、タスクを上手くこなすということは担当者として求められますから、タスクドリブンで物事を考えることは全てが悪いことではありません。

ただ、その担当者マインドセットが続いている限りは、いつまで経っても「経営=マネジメント」からは遠いということを、知る必要があります。

マネジメントは、常に結果第一で考えています。タスクレベルのイシューには通常大きな興味はありません。

この視点の違いは、仕事に向き合っている限りどこかの段階で知る、または、思い知らされることになります。

そして、それは早ければ早いほど良いのです。

アウトプット志向ではなくアウトカム志向

タスクドリブンからの脱却と同じような文脈で言われるのが、アウトプットではなく、アウトカムを志向しろということです。

アウトプットはあくまで出すまでがゴール、出したらオシマイという意味合いで使われることが多いです。

一方で、アウトカムは、アウトプットにより何が変わったかという結果を意味します。このアウトカム志向も、その存在を意識していないと、やはりマネジメントのマインドセットからからは遠いと言わざるを得ません。

よく、マネジメントと担当者の意見が噛み合わないのは、マネジメント層はこのアウトカム志向で考えているのに対して、担当者層はアウトプット志向で考えているからです。

とりあえず現在の仕事があって、それを上手く回すことを求められている担当者層は、とにもかくにもアウトプットを出すことを第一優先とします。

一方で、マネジメント層は、そのアウトプットでどんな結果が出せるかを常に考えています。

この視点の違いを理解してコミュニケーションできる人は、あまり多くいません。マネジメント層か担当者層どちらかに属しているからです。

逆に言えば、双方の視点を踏まえて上手くコミュニケーションできる人は非常に重宝される存在とも言えます。

ポジションが上がる程求められるアウトカム志向

このように、マネジメント層はアウトカム志向、担当者はアウトプット志向で働きますので、その狹間にいる人は大変です。

また、担当者層からマネジメント層に昇進によって所属が変わったばかりの人も、よく苦労すると言います。

特に、多くの会社では、現場担当の時にはあくまで担当としての従順さを求める一方で、部長に昇進した途端に突然マネジメントの視点を持てと180度に近い方向転換を求める場合も多くあります。

辛いのは、それまでは名プレイヤーだった人がマネジャーになる場合です。アウトプットとしてはスペシャリストだった人が、マネジャーになると上手くいかないというのは、そのアウトプット志向が強すぎた場合がほとんどです。

マネジメント層に近くなる程、これまでの現場の考え方とは違う考え方をしなければならないという視点の違いを知ることは、コミュニケーション、ポリティクス、人事評価など、重要な場面で生きてくるはずです。

会社でもし、「2個上の役職の気持ちで考えてみろ」と言われていたら、それはそういうことです。

まとめ

今回は、もちろん目の前の仕事も大事ですが、それだけで会社は動いていないよというお話でした。

マネジメント層と早い段階から付き合うことができると、より早くこの視点の違いに気付くことができるようにはなります。

一方で、そのチャンスがないと、「とにかく目の前の仕事を」という志向に陥ってしまうというのも仕方がないことかもしれません。

ただ、一生懸命頑張っているのに、正しいことを言っているはずなのに、言われた通りにやっているはずなのに、なぜか評価されない。そんなことも、視点の違いからは平然と起こり得ます。

できるだけ多くの人に、そんな苦い想いをして欲しくないなと思い、このnoteを書いた次第です。

ぜひ、アウトカム志向、頭に置いておいて下さいね。

ではでは。

最後まで読んで頂きまして、ありがとうございます!頂いたサポートは、noteを書きながら飲む缶コーヒーになっています。甘くて素敵な時間を頂きまして、とっても幸せです。