おかしの国のおひめさま

おかしの国のおひめさま

記事一覧

デカルトブックガイド1.0

①『省察』を読めるようにする 1/ 野田又夫『デカルト』(岩波新書) 短い入門書としては、昔のものだけれど、本書がいちばんに推薦されます。名著という言葉はこのような本…

「第二省察」お嬢様訳※途中

In tantas dubitationes hesterna meditatione conjectus sum, ut nequeam amplius earum oblivisci, nec videam tamen qua ratione solvendae sint, sed tanquam in profu…

「第一省察」お嬢様訳

Animadverti jam ante aliquot annos quam multa, ineunte aetate, falsa pro veris admiserim, et quam dubia sint quaecunque istis postea superextruxi, ac proinde fu…

『方法叙説』ラテン語訳:表題と第1部

理性を正しく用い、学問における真理を探究する方法についての講話第1部 学問上の考慮にかかわるいろいろ 人々のあいだで、良識ほど等しく配分されているものはありません…

『方法叙説』ラテン語訳:読者への手紙

ルネ・デカルトから読者へ ごきげんよう。 この教本は、わたくしがフランス語で著し、7年前に上梓したものであります。すこし経ち、友人がラテン語に訳してわたくしに寄こ…

文学部哲学科

文学部に哲学科がぞくしていることは、しばしば奇妙だといわれます。それにはいろいろないわれがあるにせよ、いちばんコアのところをとっていえばこうなりましょう。文学部…

デカルトブックガイド1.0

①『省察』を読めるようにする

1/ 野田又夫『デカルト』(岩波新書)
短い入門書としては、昔のものだけれど、本書がいちばんに推薦されます。名著という言葉はこのような本のためにあります。品よく明快な美文で、簡潔にして要点を押さえたことが述べられています。

2/ 所雄章『デカルト』(講談社)
「人類の知的遺産」というシリーズの1冊です。野田の書が、デカルト入門初歩としたら、所の書は、デカルト入門中

もっとみる

「第二省察」お嬢様訳※途中

In tantas dubitationes hesterna meditatione conjectus sum, ut nequeam amplius earum oblivisci, nec videam tamen qua ratione solvendae sint, sed tanquam in profundum gurgitem ex improviso delapsus ita

もっとみる

「第一省察」お嬢様訳

Animadverti jam ante aliquot annos quam multa, ineunte aetate, falsa pro veris admiserim, et quam dubia sint quaecunque istis postea superextruxi, ac proinde funditus omnia semel in vita esse evertend

もっとみる

『方法叙説』ラテン語訳:表題と第1部

理性を正しく用い、学問における真理を探究する方法についての講話第1部 学問上の考慮にかかわるいろいろ

人々のあいだで、良識ほど等しく配分されているものはありません。誰でもじぶんでは良識をふんだんに持ち合わせていると思っておりますゆえ、成就しがたいことこのうえない願望の持ち主で、これいがいの事柄では何につけても自然から満足をえられない、という方々でも、手持ちよりもすぐれた良識を望む習性はないわけで

もっとみる

『方法叙説』ラテン語訳:読者への手紙

ルネ・デカルトから読者へ

ごきげんよう。
この教本は、わたくしがフランス語で著し、7年前に上梓したものであります。すこし経ち、友人がラテン語に訳してわたくしに寄こしてくれましたので、ラテン語の点であまり好ましくないところは、じぶんの権限に応じてこれをいちいち改めました。いろいろの箇所でそうしましたけれども、見過ごしたところがたくさんあるかもしれません。後者の点を前者の点から見分けるにあたっては、

もっとみる

文学部哲学科

文学部に哲学科がぞくしていることは、しばしば奇妙だといわれます。それにはいろいろないわれがあるにせよ、いちばんコアのところをとっていえばこうなりましょう。文学部のかなめは人文学である。しかるに哲学は人文学ではない、あるいはそれにはつきない。だから哲学科が文学部にあるのは変だ。だいたいこういう運びです。このようになおしてみますと、ずいぶんあらっぽく、このままでは理屈としてたちゆかないのですけれども、

もっとみる