SNS全盛期のいま、経営者は情報発信すべきなのか?
こんにちは、マーケターのエルモ(@elmo_marketing)です。
今日は、「経営者はネットで発信すべきなのか?」について書いてみます。
1億総発信時代と言われたり、SNSで影響力を高めたインフルエンサーが社長業を始めたり、実際に有名な経営者がSNSを始めたり....
令和の時代、情報発信は必須のように見えますよね。
ただし、こと社長業に関しては、「発信業はマストではない」と思っています。
もっと具体的にいうと、「規模が小さいスタートアップや個人事業主なら発信すべし、ある程度事業規模が大きい社長なら無理にやらないほうがいい」が僕の持論です。
発信力のメリットは、無料リーチとブランディング
ネットで発信力を得るメリットは主に2つ。
①新規リーチの確保
②ブランディング
■新規リーチ
新規リーチ確保のメリットは、広告のようにお金をかけることなく、フォロワー(見込み顧客)とコミュニケーションできることにあります。
いまインフルエンサーの多くが自社ブランドを立ち上げていますよね。
すでにフォロワーという見込み顧客を抱えているので、販管費ゼロで商売ができる。ここが彼らのビジネスの大きな競争優位性になっています。しかも、フォロワーの一部は熱狂的なファンなので、購入確度も高いです。
なので、インフルエンサー社長にとって、発信の延長で、自社の商品を売っていくのは実に合理的な選択となります。
■ブランディングについて
もうひとつ、ブランディングもソーシャル発信のメリットです。
ブランディングとは、「ブランドが愛されるようになる活動」のこと。
この視点でいくと、経営者が、他メディアや編集者を介さず、自分のリアルな声をお客様に届けられる情報発信は、まさにブランディングに最適です。
ナマの声をお伝えできるに越したことはありません。経営者の情報発信とブランディング、とても相性の良い関係だと思います。
一定数以上の数を求められる事業なら、情報発信はコスパが悪い
とはいえ、経営者がソーシャルで発信しないほうが良い理由は大きく2つあります。
ひとつは、一定規模以上のビジネスになると、事業に対するインパクトをSNS発信では出せないからです。
このツイートに書いたように、ユニクロの柳井さんが、情報発信で売上にインパクトを残すには、数十万フォロワーじゃまったく足りません。
仮に100万人のフォロワーがいて、購入率1%だとしても、購入者数は1万個。Tシャツなら980万円の売上アップ。
世界トップのグローバルアパレルブランドとしては、かなり物足りない数値感です。
ユニクロ柳井さんはあまりに極端な例かもしれません。しかし、すでに事業規模が大きく、自分以外にたくさん働いてくれるメンバーがいるような会社であれば、経営者自らがひとりで発信して顧客にアプローチをする方法は、どんな業種であれかなり非効率なんです。
個人発信はヘイトを溜めやすい
もうひとつ。ぼくの主観ですが、個人発信はヘイトを溜めやすいです。
発信は面白いもので、尖った発信をすればするほどコアなファンがつく一方で、その対極側にたくさんのアンチを生みます。ソーシャルメディアでいう、炎上リスクが高まるわけです。
さらにソーシャルコミュニケーションにおいて、人は個人とブランドを分けて考えることができません。
なので、社長業として発信したコンテンツが、結果的に会社のブランド棄損を招くというリスクが、経営者の発信には内包されています。
バイネームでの事例はあげませんが、この数か月でも、尖った社長インフルエンサーがアンチから石を投げられて、自社事業全体にまでダメージがあったケースがいくつかありました.....
社長自らが発信しても、売上になかなか寄与しないだけではなく、自社事業のブランド棄損リスクまで背負うことになる。
これが、経営者×ソーシャル発信のリアルなんです。(そこそこ事業規模の大きい会社なら)
逆に、そこまで事業規模も大きくなく、SNSからの流入だけで会社の事業が成り立つようなビジネスなら、「経営者×ソーシャル発信」は非常に魅力的なツールだと思います。
まとめ(発信は好きならやればくらいがいい)
ここまで「ソーシャル全盛期に社長はSNS発信をすべきなの?」という話を書いてみました。
冒頭で書いたように、結論は「規模が小さいスタートアップやマイクロ法人の社長なら発信すべし、ある程度規模が大きいなら無理にやらないほうがいい」です。
なので、もし経営者がネットで発信をするなら、趣味程度にやるくらいがちょうどいいのではないか?と思います。
ちなみに、サイバーエージェントの藤田社長、昔は毎日ブログを更新し、自社事業のお客様を自ら集めていた時期もありましたが、いまは毎日自由気ままにInstagramでワイン日誌を更新するのにとどまっています。笑
フォロワーも6000人くらいしかいないのですが、メッチャ面白いです。
https://www.instagram.com/fujitasusumu_wine/
逆に、こちらの本は、藤田社長自らのアメブロ立ち上げ期死闘が赤裸々に語られていて面白いです↓
ということで、社長は必ずしも情報発信する必要はないけど、発信が大好きなら趣味程度にやったら?という話でした。
とはいえ、ソーシャル発信は日増しにブランディングの重要な要素になってきているので、このあたりはまだまだ明確な答えはないかなとも思います。(どっちやねんw)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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