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「LTV(顧客生涯価値)」の概念がなくなる日

どうも、エルモです。

本日は、「実はそう遠くない未来に、LTVという概念がなくなるんじゃないか?」という話をします。

LTVとはLife Time Valueの略語で、顧客が生涯でブランドに支払う金額の総額を意味します。

たとえば、1本3,000円の基礎化粧品を12カ月連続で購入していただき、その後お客様がほかのブランドに移れば、LTVは36,000円(3,000円×12ヶ月)。

商売の世界は非常にシンプルでして、LTVが顧客獲得単価(CAC)を上回れば、儲かるビジネスになります。(経費とか原価とかは一旦置いておくと。)


いまマーケティングの世界では、このLTVを基準に新規獲得のプロモーションを進めています。

たとえば、「お客様を1人連れてきたら生涯で10万円を落としてくれると分かっていれば、新規獲得には5万円まで費やしていい」のように。


ここからが本題で、LTVという投資判断基準は下がり続ける運命にあるんじゃないか?と思っています。詳しく書いていきます。

顧客ファーストになるとブランドのLTVは落ちていく

テクノロジーの進歩は、最終消費者である私たちに「より便利に、より快適に、より良い選択肢を」提供してくれます。

マーケティングでいえば、SNSで顧客のリアルな声をすぐにウォッチできたり、レビューサイトで定量的に評価を見れたり、Amazonで次の日に欲しい商品が手に入ったりできるようになりました。

この「より便利に、より快適に、より良い選択肢を」のテクノロジー変化は、事業サイドからすると、LTVの低下を招きます。

ここで簡単に、LTVが上がる要因と、下がる要因を整理してみましょう。

■LTVが上がる要素
・顧客満足度の向上
・自社商品のラインナップの拡張
 (クロスセルでモノが売れ、単価がアップ)
・複合サービスの展開で、顧客の離反を防ぐ
  (例.Apple製品で揃えたいといったニーズを生み出す)
・あとは、顧客の寿命が延びるとか?w

■LTVが下がる要素
・競合商品、サービスの参入
・ニーズの多様化、細分化
・スイッチングコストの低下
 (次の商品を選ぶ面倒くささの解消や良い商品の発見など)

ちなみに、LTVが高い状態とは、「リピート買い」が頻発する状況です。

気軽に情報を得るのが難しかった時代は、実際に自分で商品を使ってみた体験、満足度がなによりの評価基準でした。

そして、人は失敗を嫌う生き物。まして、「お金を出してまで失敗を選ぶ」、そんなバカな選択はしたくないはずです。

つまり、情報が不足しがちなネット黎明期までは、ブランドのスイッチングコストが異常に高かったわけです。

しかし現代では、冒頭から書いている通り、テクノロジーの変化によって、より簡単に、より良い商品にありつくことができるようになっています。

さらに、限界費用ゼロ社会(モノを作るコストが極端に安くなる社会)では、競合の参入も相次ぐので、大量の商品がマーケットに出回ります。商品が増えるというのは、細分化しているニーズに応える商品が出てくるということです。1つの商品で複数のニーズに応えるのは難しいので、これもLTVの低下を招いていきます。


つまり、世の中が便利になればなるほど、ブランドのスイッチングコストは下がり、その都度顧客は「真に良い商品」を選ぶことができるようになります。

これが、顧客ファーストの便利な世の中では、基本的にLTVが下がっていく本質的な理由です。

いまサブスクやD2Cのリピートモデルが注目されていますが、大筋ではLTVは下落方向にあるのではないか?と個人的には考えています。

これからLTVが高くなる商材カテゴリーは何なのか?

ここからは、僕の持論です(笑)

「LTVが高くなりやすい商材は何なのか?」と問われると、「浮気買いを許してくれる商品群」はこれからも伸びていくと答えます。

具体的にいうと、家に何個あってもいい『無形物商品』です。

たとえば、美容液などの有形物商品は、顧客に浮気を許しません。浮気された時点で、翌月から買われなくなります。つまり、恋愛にたとえると、有形物商品は一夫一妻性に近いビジネスモデルです。


逆に、無形物商品はなにか?というと、Amazon PrimeやNetflix、DAZNなどのネット配信サービスやオンラインサロンやnoteの有料マガジン、著名人のメルマガなどが当たります。

このあたりのサービスって、「新しくBを購入するから、もともと付き合っていたAを辞める」という心理が働きにくいんですよね。

おもしろい有料マガジンに出会っても、これまでお世話になっていた別の有料マガジンを辞める人は少ないのではないでしょうか?

このように、ユースケースが固定化されている有形物商品と違って、目に見えない無形物商品は、顧客の離反という概念がほぼありません。

まとめると、有形物は顧客の奪い合いをしていますが、無形物商品は顧客のシェアをしているわけです。

あまり理由まで深掘りできていないのですが、傾向としては間違いなくあると思っています。古くはマンガとかもそうです。

無形物商品というよりは、コンテンツ商材と言ったほうが正しいかもしれません。ワンピース読者がナルトの漫画も買い始めたら、次からはワンピースとナルト両方のマンガを買いますよね。笑

最後に

ということで、旧来の有形物商品を扱っているビジネスは、基本的にはLTVの下落圧力がつねにかかっている。そんな話でした。

企業としては、このLTVの下落圧力に耐えうる新商品開発をやり続けなければならないということなんだと思います。

考えてみると、あの王者Appleだって、次々に新作iPhoneやApple Watch、AirPodを出すことで、LTVを伸ばし続けていますよね。

どんな有名ブランドも、LTVを下げないため(というか上げるために)、影で企業努力をしてるってことです。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ではでは。

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