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広告は文化なのか、ぼくは未来を良くする投資だと思う

昨日、この匿名記事が話題になっていました。

簡単に要約すると、こんな話です。

オフライン広告(CMや新聞)は結果が見えにくい一方、デジタル広告は多くの効果が可視化されている。デジタル広告の世界では、KPI(数値)改善に躍起になり過ぎていて、もはや広告が文化を創り出す場ではなくなっている。

僕はぶっちゃけこの記事を読んで、少しイラっとしました。

これまでの広告が(商業)文化を作り上げたことに疑いの余地はありません。ただ、広告制作者側が、「文化」を理由に、新たに生まれている販促手段(デジタル広告)を否定するのは非常にダサいなと。

「新参者の競合には負けるけど、文化枠で古い広告作りも生き残らせてくれ」そんな印象を受けました。


とはいえ、実は僕も似たようなことを図を使ってツイートしたことがあるんですよね(笑)。

それがこちらです。

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広告業界デジタルシフトの本質

これは広告に限った話ではないですが、デジタルシフトの本質はこの3つではないでしょうか。本質というより、お金を出す広告主の本音と言ったほうがいいかもしれません。

①見えるモノと見えないモノなら、見えるモノのほうが良い(費用対効果が分かる)
②見えるのなら、PDCAを回して改善を目指したい。
③そもそも、広告予算は遊び金ではなく、投資金である。

広告にはいろんな役割がありますが、慈善事業でないことだけは確かです。何かしらの効果を期待しています。特にプロモーションの世界であれば、行動喚起が広告のゴールになります。


貴重なお金を広告屋に託すのだから、(①)ちゃんと成果が分かるほうがいい。せっかくお金を使ったんだから、(②)やりっ放しにせず、悪かったところを改善して、次はもっと良い成果が欲しい。広告主さんがそう思うのは当たり前です。


この当たり前のが、なかなかできないのが旧来のオフライン広告なんですよね。だから、デジタル広告とカイゼンの世界に人もお金も向かってしまう、そんな構造なんです。


ただ、効果を可視化することも、結果を改善することも、あくまで手段であって、これらは広告の真のゴールでありません。

広告は、未来を良くする投資である。

僕は、「広告は、未来を良くする投資」だと思っています。

-100万円のアドを回して150万の売上を立てる
-広告を活用して、社員の士気を高める
-良い広告表現で、採用活動につなげる
-広告で、既存のお客さんからの信頼を高める

仮に短期的な売り上げを回収できなくても、広告予算を出した企業の未来が明るくなるのであれば、それはよい広告投資ではないでしょうか。


逆に、匿名著者が書いていたように、社会のゴミと化す広告を作ることは、作り手として最悪です。お金を出していただいた広告主さんに、パフォーマンスの悪い投資結果をお返しすることにほかなりません。


僕がイラっとした点はここで、お金をいただいている以上101%以上のリターンをお返しすることが、広告屋の仕事です

いま広告屋に必要とされるのは、未来を描く想像力

とはいえ、匿名著者さんの言わんとすることも、まったく分からないわけではありません。

可視化された世界にばかり目が行き、広告で短期利益の追求をしていること、見えないフィールドで挑戦しようとする企業が減っているのは事実です。


ただそこで、外部支援マーケターが投げやりになっちゃいけないんです。

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事業会社が見えない世界にお金を投ずることを恐れているのなら、代わりに外部支援マーケターである広告屋が「想像力を駆使して良い未来を描いてあげること」「ここは計測不可能ですが、穴を掘ったら金脈がありますよ!」と背中を押してあげないといけないんです。

そのためには、未来を予測し、良質な仮説を生む力が必要になってきます。

逆に、仮説を生み出すことを放棄して、文化を作る広告が~というのは非常にナンセンスなんです。

おわりに

本日は、広告は未来を良くする投資だという話をしてきました。

正直、広告というデカい主語を語りだすと、人の数だけ定義があるかと思います。

ただ、他人の貴重なお金を預かって、広告を作る以上、予算以上のリターンを広告主にお返しすることは、広告の1つの条件だと思います。

クライアントは良い未来を作りたい。その投資手段が広告である。

これを広告屋は心にとめておかなければならないのかなと。

良い未来を提供したうえで、面白い表現を追求する。それでいいんじゃないでしょうか。

今日は自戒を込めたnoteになっちゃいました。

最後に、村上春樹のコトバを載せておきます。

目に見えるものがほんとうのものとは限らない
「かえるくん、東京を救う」より


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