クリエイターエコノミーがワクワクする3つの理由

こんにちは、マーケターのエルモ(@elmo_marketing)です。

昨日、けんすうさんが、「これからはクリエイターエコノミーがやってくるよね」というnoteを書いていたので、ちょっと自分も思うところを書いてみます。

僕はクリエイターではないので、コンテンツ作りに関しては素人です。しかし、「クリエイティブエコノミー」は、マーケティング視点で見てもほかの商材と違った面白い点があり、非常にポテンシャルが高いと感じています。

主語が大きくなりますが、ビジネス的にクリエイターエコノミーは停滞ぎみの日本の大きな突破口になるのではないか?と。

ということで、「クリエイターエコノミーのここがスゴそう!」を3つ紹介していきます。

クリエイターエコノミーとはなんぞや?

まず、「そもそもクリエイターエコノミーとは何か?_という話を。

おそらく明確な定義はないはずですが、クリエイターが中心となって経済圏が生まれること、さらにクリエイターと消費者(ファン)が直接お金のやり取りをするようになることだと捉えています。

まず代表的な例としては、広告からの依存を脱し、ファンからマネタイズできる方向に舵きりをしていること。今までのお金の流れは「ブランド→広告代理店→事務所(MCN)→クリエイター→ファン」のような構造になってしまっていて、必然的にクリエイターの取り分も減り、お金を出しているブランドの言うことを聞かざるを得ない力関係が存在してしまっています。

でも本来はファンがいることがクリエイターの価値なので、「ファン→クリエイター」とお金の流れを整理してあげた方が健全というわけです。


クリエイターエコノミーの面白さは、僕が普段マーケティングで扱っている商材とは異なる、特性や業界構造にあります。

以下、マーケター視点でみた、クリエイターエコノミーのポテンシャル、面白さを書いていきます。

ほんとにチャンスに溢れてるんです!

1.過度な食い合いが起きず、トップからボトムまで共存可能

令和で生まれるクリエイティブの大半は無形商材です。

無形物の何がいいかというと、ユーザーの消費量に上限がないことです。

たとえば、漫画ならワンピース、鬼滅の刃、呪術廻戦、......etcと、好きであればいくらでもコンテンツを消費することができます。

これが有形物商材ですと、どうしても消費量に限界があるゆえ、プレイヤー同士でパイを食い合う構造になってしまいます。

・1日にご飯は3食まで
・1日にひとつまでしか使われない美容液
・1ヶ月に買われるTシャツは多くて3枚まで
・ヘビーユーズされるスマートフォンは年間1台まで

などなど、当たり前ですが、モノを何個も同時に使うということは、基本的にないわけです。

その結果、有形物の商材ですと、以下のように消費量を食い合う構造になっています。

画像1

(2030年のアパレルの未来より)

このように、有形物商材は、限られたパイをトップ層(マス企業)とボトム(個人)が食い合いことになるのですが、クリエイティブエコノミーは、良いモノが生まれたらそれだけ市場が拡大する稀有な市場だと思っています。

(もちろん時間は有限なので無限に拡大するわけではないでしょうが、有形物商品と比べると、パイの食い合いは起きないんじゃないかと。)

2.プロデュース力で個人が引き上げられるエコシステムができるかも!

先日、漫画家の根田さん(@dorori_k)とお話させていただいたのですが、個人には個人の、強い編集機能を持つ企業には企業の強みがあるのが漫画(コンテンツ)業界の面白さだと痛感しました。

たとえば、個人コンテンツの強みは、すぐにネットというマーケットに商品を出し、その場で高速PDCAをまわせる点にあります。

逆に、ジャンプのような連載誌は、新しいコンテンツは数ヶ月に2-4個だけ。準備に準備を重ねて新連載をローンチしても、ヒットするかどうかは全く読めない世界です。しかも、面白くなければ10話打ち切りという残酷な世界なので、PDCAを回す量も限られてきます。

このような違いがあるので、「根田さん!デジタルコンテンツの方が強いし、ジャンプもオワコンですね!」と私が言うと、「いやいや、一概にそうとも言えなくて、ジャンプの編集力、プロデュース力、各業界へのコネクションは尋常じゃないです!」とのこと。

たしかに、鬼滅の刃しかり、ヒット作を大々々ヒット作にし、世に届ける配給力はレベチです。ヒット作を世に供給する機能に関しては、個人でどうこうできる話ではありません。

「個人がコンテンツを生み出す→良作品を配給会社がさらに世に広める」というエコシステムが成り立つと、個人と企業の役割分担がなされて、他の業界と比べても、良い好循環が生まれたりするんじゃないかなと思っています。

3.クリエイティブコンテンツはグローバル市場で戦える

3つ目は、クリエイティブコンテンツはグローバルに輸出できるという点です。

表現は、文章を除くと、ほぼ言語を介さずに理解できるものが多く、市場がグローバルに開かれています。

資金がモノをいうグローバル市場で、「SNS×コンテンツ」というフィールドは、資本力で勝負が決まらないこれまた稀有なマーケットです。

1億かけて作ったコンテンツよりも、製作費ゼロ円のコンテンツがバズることはザラにありますよね?

ということで、いまはSNSやネットのコンテンツも、日本人が日本人消費者に向けて作っていることが多いですが、何かをきっかけにグローバルにコンテンツが飛び出すようになると面白いなぁと思っています。

これは、コンテンツ制作プラットフォームやUIに寄る仕掛け、野心的な個人クリエイターが外と繋がるようなことが起きないといけませんが、ポテンシャルは大きいと勝手にみています。

4.(オマケ)若者の未来はコンテンツでグローバルに戦うこと

これまた主語が大きいですが、日本のマーケティングの問題は、「お客様が高齢化している&若者は少ないし金もないから商売にならない」です。

つまり、若者向けのコンテンツも、若者発のコンテンツも、国内ではウケにくい構造になっています。

この構造的な問題を突破するカギもやっぱりグローバルにあるのかなぁと思っています。というのも、日本だけでみると、若者は激減中なんですが、グローバルで見るとコンテンツ消費者のボリューム層はZ世代とミレニアム世代です。

言語や文化の壁はありますが、ここを突破できたら、新しいグローバル市場が開かれそうな気がしていて、勝手にワクワクしています。

野心というよりは、仕掛けひとつで世界に広がっちゃった!という展開が3−5年後には起きてそうな気もしています。

まとめ

クリエイターでもない私が好き勝手にクリエイターエコノミーについて書いてきましたが、まとめると

・クリエイティブエコノミーはパイの食い合いが起きにくい
・個人と企業(大資本)が連携するエコシステムが生まれると面白そう!
・コンテンツ市場はグローバルに開かれている!
・若者コンテンツは、グローバルで見るとターゲットは多い!

と、僕が普段マーケティングで取り扱っている商材と比べて、非常にユニークな特徴があって、側から見ていても、とてもワクワクする業界なのです。

けんすうさんが言っているように、クリエイターとインフルエンサーの垣根が溶けていくなら、僕もクリエイターの方々と関わって面白い活動ができるようになりたいなぁとぼんやりながら思っています。(私はインフルエンサーですらないんですけどねw)。

最後に、僕が個人的に発信しているニュースレターの宣伝をして終わります。

----- 宣伝 -----

ちなみに、こういったマーケティング視点の話を毎週10,000-20,000文字くらいのボリュームでお届けしているのが、「Marketing Media Lab」というニュースレターです。

「無料」で全コンテンツ読み放題になっているので、こちらも読んでもらえると嬉しいです。


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