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肝試しの結末は

日付が変わってしばらくしてから、ペットボトルのお茶があまり残ってないことに気づきました。ホテルにチェックインする前にコンビニに寄るのを忘れてしまってたのです。

ふだん東京で水道水をふつうに飲んでいるわたしなので、まあ無理に買いに行かなくてもいいかとも思ったのですが、せっかくならホテルの広めの浴槽でアイスを食べるという非日常を味わいたいし、ちょっとしたお菓子もやっぱりほしいし(だから太るのだよ)、コンビニまで行くことにしました。

ホテルのフロントには誰もいなかったのでそのままスルー。
そしたらね、ホテルの前の道、予想以上に暗い、暗すぎる。ちょっと怯むくらいの暗さです。
そう、眠らない街トーキョーと違って、ここは鹿児島のローカル駅近辺。一番近いセブンイレブンでも徒歩5分強。迷いましたが、一度と外に出たからとコンビニめざして歩きだしました。

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脳内にはバイオハザードのSEが流れてました、、、


こんなところでなんでわたしひとり肝試しをしてるんだろうと思ったけれど、アイスアイスと唱えながらスマホのディスプレイの明るさを頼りに進みます。もちろんひとっ子ひとり歩いてないし、一応車道のはずなのに全然車も来ないのです。めちゃめちゃ不安。途中踏切があって、日中一度車で通ったはずなのにと思いながら、周りの建物の様子も全然わからず。鼓動が早くなるのがわかります。襲われるようなお年頃でもないけれど、もしここで暴漢(死語?)が出てきたらひとたまりもないわ、なんて思いが頭をよぎります。


直進すること数分。灯が見えてきました。コンビニの灯ってほっとするわ、、、と安心したのも束の間

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ええええええ????


その場で崩れ落ちそうになりましたよ。


何も買えず、またあの暗い道を引き返すなんて、、、嫌すぎる!

ただ、人間の適応力って素晴らしくて、帰り道は若干目が慣れてくるんですね。もちろん真っ暗は真っ暗なんですけれど、漆黒の闇からちょっとトーンアップしたダークグレーくらいになって、さらに一度通った道なので“怖い”というレベルからは脱することができました。

567の影響なのかなと思ったのですが、そういえば少し前にコンビニのワンオペとか深夜労働が問題になって、ニュースでも取り上げられていたっけ、、、とふと思い出しました。都内では当たり前のように24時間営業ですが、こんなふうに人が全然歩いてないような場所でそこまでする必要はないかもしれないなと。たまに紛れ込んでくるわたしのようなイレギュラーな客までいちいち相手にしてられないよね、そうだよね、、、


仕事で色々な地方に行くと、東京というのはほんとうに特殊な街なんだなということに気づかされます。いいとか悪いではなくて、とにかく他とは違うんです。そしてそこにどっぷり浸かって生きているわたし。


そして十数時間後の夕方、改めてそのセブンイレブンに再訪。(学習して早めに今夜の分の飲み物を調達!)
あんなに怖くてたまらなかった道のりは、とても平和でなにげない、どこにでもあるような風景でした。しかも、道路沿いの建物はなんと学校でした!本来は治安がいいはずの場所なのでしょう。なんでこんな所でおびえていたのだろうと拍子抜けするくらい。
“知らない”“見えない”という状況はほんとうに恐怖を増幅させるのですね。

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