2022年モンブラン食べ歩きベスト10
フランス地方菓子研究家の私ショコラが、2022年に食べ歩いたモンブランの中で、マイベスト10を発表します!
1位 ラ・パティスリー by アマン東京のモンブラン
『ラ・パティスリー by アマン東京』は、アマングループ初のペストリーショップです。東京の大手町タワー「OOTEMORI」地下2階に、2021年10月1日にオープンしました。
地下鉄の出口から歩いていくと、ほんのりと明るい天然石のカウンターが目に入ります。奥には、ガラス張りのショーキッチンも見えてきました。お店の前には、人がちらほら。イートインもできるようです。
パストリーはネットで予約ができるのですが、土曜日の10時オープンすぎに行ったら、ちょっと並んだけど普通にモンブラン買えました。
フリフリの栗ペーストがかわいいです。熊本県産の栗を使用。和栗の味を生かすためにペーストと渋皮煮を使ったモンブランです。
台はメレンゲ、たっぷりの生クリームがうれしい。栗ペーストもクリーミー。和栗の力強さとは正反対の、ちょっと華奢なモンブラン。はっきりいって好みです。今年のNo.1です。
2位 小布施堂本店の「栗の点心 朱雀」
ついに行きました!モンブランを求めて小布施まで。9月のチケット発売開始と共に予約が殺到。もちろん、予約しないと食べられないモンブランの最高峰「栗の点心 朱雀」。小布施堂本店や本宅で、毎年秋の1ヶ月間のみ提供されています。
「栗の点心 朱雀」は採れたての新栗を蒸して裏ごししたものを、砂糖も何も加えずに、そのまま栗あんの上にふわりと盛ったもの。かなり贅沢です。とにかく外見にびっくり!かなりのボリューム。これ、全部栗です。
コロナ前は、始発から行列ができるほど人気だったようですが、コロナ禍で予約制になりました。小布施堂本店には、朱雀単体の他に、朱雀とお料理が楽しめる「朱雀コース」があります。私が今回こちらをいただいきました。
入手困難さやお店に行くまでの大変さを考えると、印象では、ダントツ1位なのですが、これは、厳密にいうとモンブランではありません。「栗の点心」です。だから、ひたすら栗なんです。ということで2位とさせていただきました。
3位 小布施堂の朱雀モンブラン
2位の小布施堂本店の「栗の点心 朱雀」をアレンジしたものが、こちらのモンブランです。秋から冬の期間限定で、新宿伊勢丹にショップがあり、通販でも買うことができます。「朱雀モンブラン」とカップに入ったふつうの「モンブラン」があります。ぶっちゃけ、これで十分です。というか私はこちらの方がいい!!ということで、3位に選びました。
というのも、本店の「朱雀」は、モンブランではありません。栗のお菓子です。一方のこちらは、ちゃんとモンブランなんです。
「朱雀モンブラン」は、土台がタルト。それにカスタードクリーム、渋川煮の刻み栗、スポンジ、栗あん、生クリームにカシスのアクセント。
「モンブラン」(カップ入り)は、スポンジ、生クリーム、栗あん+クリームとシンプル。
朝イチで買いに行かなきゃだめなのかと思っていましたが、そこまで激戦ではないようです。私は伊勢丹に電話をして取り置きしておいてもらいましたが、季節を外した平日なら午後でも買えそうな雰囲気でした。
4位 Drawing house of hibiyaの和栗のモンブラン
インスタグラムで見つけたモンブランです。日比谷ミッドタウンの6階にある『Drawing house of hibiya』のもの。こちらは「体感するニッポンのテロワール」をテーマにしたレストラン&ティールームですが、テイクアウトもできます。
ころんと丸くて手毬のようで、なんといっても形がかわいいので、4位に選びました。モンブランのマロンクリームって、麺状に絞り出さなければいけないと思っていましたが、最近は自由な絞りのモンブランが増えました。これもありそうでなかった形。
構成は、ココナッツ風味のダッコワーズ、和栗の甘露煮と生クリーム。マロンクリームが分厚くてどっしりした質感ですが、それはそれで合っています。
5位 Patisserie easeの和栗のモンブラン
日本橋に用事がありまして、せっかく日本橋まで行ったので、日本橋といえば『ease』ということで、しっかり足を伸ばしました。日本橋兜町のケーキと焼菓子のお店です。このあたりは、近年新しいお店が次々とオープンしていて、注目のエリアです。easeの大山恵介氏がプロデュースする「ベーカリー」「ビストロ」「カフェ・バー」「インテリアショップ」「フラワーショップ」を含む複合ショップ「BANK」もオープンしています。
『ease』の秋の名物が「和栗のモンブラン」ということで、5位に選びました。厚めでサクサクのメレンゲ、無糖のホイップクリーム、白餡を加えた和栗のペーストというシンプルな構成。これにベルガモットと和栗のソースで味変。栗のペーストの甘さと、無糖のホイップクリームがベストマッチ。
しみじみとおいしいです。お値段もなかなかで、1080円ですけどね。今年は栗が不作で、しかもモンブラン人気で、栗がかなり足りないようなので、食べられてよかったです。
6位 ピエール・エルメのモンブラン ア マ ファッソン
そういえば、『ピエール・エルメ』のモンブランを食べていませんでした。「モンブラン ア マ ファッソン」は、ブティック限定で定番展開しています。もちろん、お味はまちがいないのですが、6位とさせていただきました。
フランス菓子でモンブランといえば、クレームシャンティイ、メレンゲ、マロンピューレの3要素から成るクラシックの王道。どこがエルメ流かというと、野バラの風味を加えたことだそうです。たしかに食べてみると、けっこう酸味を感じます。
構成は、マロンのクリーム、野ばらの実のコンポート、生クリーム、メレンゲ、クレームダマンド、タルト。タルトがしっかりと主張していて、さらにメレンゲもあり、私としては、もっとクリーム多めが好みかも…
7位 アステリスクのモンブランシャルム
モンブランが一番人気だという代々木上原の『ASTERISQUE/アステリスク』。アステリスク(アスタリスク)というのは、「✳︎」です。小さな星という意味です。電話で予約ができるということで、電話したらモンブランは、「モンブランシャルム」と「モンブランエモシオン」2種類ありました。「モンブランシャルム」を7位にさせていただきます。
この「モンブランシャルム」は、2022年5月に開店10周年で、「モンブランクレメ」からリニューアルしたそうです。「中心の栗を今までよりもっと大きく、そしてモンブランクリームには、今までに引き続き愛媛の中山栗、そして新たに熊本の利平栗を加え、より濃厚な栗のお味を感じられるリッチなモンブランとなっております。」とのこと。
たしかにメレンゲの口溶けがよいです。土台がメレンゲ、生クリームとモンブランクリームという好みの構成。が!メレンゲ、かなり大きいです。そして栗がちょっと少ない…あと、メレンゲにアーモンド、そしてトップにもアーモンドと、かなりアーモンドが主張しています。専用の容器に入っていますが、これはメレンゲのサクサク感を維持するためだそうです。
8位 帝国ホテル・ランデブーラウンジの和栗のモンブラン
『帝国ホテル』1階のランデブーラウンジのメニューに、9月1日~11月30日、秋の定番「和栗のモンブラン」が登場しました。「今年は栗のペーストにビスキュイ、アイスクリームとさらに栗尽くしの一品。ほろ苦いキャラメルクリームがアクセントです。」とのこと。
さすがお皿が美しいです。モンブランのアレンジということで、8位に選出いたしました。
9位 PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGIの峠モンブラン
パフェの名店『PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI』の「峠モンブラン」が9位です。ショップは11時オープンで、オープン前からちらほら並んでいるようですが、大行列という感じではありませんでした。
「峠モンブラン」は、峠道をイメージしたという有機的な曲線が特徴的なモンブランです。オープン当初から変わらない姿で販売を続けている人気商品だそうです。
構成は、タルト、キャラメルソースと黒糖ゆべし、コクのある乳シャンティ、和栗のクリーム。食べていて、真ん中のものは何だろうと思っていたら、なんと「ゆべし」でした。栗なので、和風に寄せたのでしょうか。とてもユニークなモンブランでした。
10位 ジョエル・ロブションの苺のモンブラン
秋のイメージの強いモンブランですが、季節ごとのモンブランを展開しているパティスリーもあります。その1つが『ジョエル・ロブション』。春は、苺のモンブランです。
ピンクの外見。そそられます!中には丸ごと一個の苺、そして、苺のムース、ライチのババロワ、苺とフランボワーズのジュレ、ピスタチオのビスキュイという構成。
栗の姿はどこにもありません。やっぱり、モンブランといえば栗だよね〜とも思っちゃいます。でもかわいいから、これはこれで楽しいです。ということで10位にランクイン!普通のモンブランも売ってますので、ぜひ食べ比べてみてください。
以上、2022年のベスト10をお送りしました。今年はモンブラン人気の影響もあり、和栗がかなり値上がりし、さらに品薄だったようです。そんな中、今年もユニークなモンブランに出会えました。どうもありがとうございました!
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