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あの人がいたから。そんな理由でカフェを決めたって良い〜K.MINAMOTO〜

尊敬している人がいる。

世界でたった1人だけを尊敬している、みたいなのも漫画的にはちょっとカッコイイなと思うけれど、実際1人に依存するのは危険でもある。
だってその人が自分の期待にそぐわない行動をしたのなら、きっと酷く落胆するか、自分の認知を無理矢理変えるか、極端な話その人を葬るなんて選択も取りかねない。

だから、色んな人の「好きだな」と思う面を少しずつ、尊敬する。
だから、全く面識のない人のことだって尊敬するのだ。

実際に会った事も無い、でも私が尊敬する人リストに確実に名を連ねる人の話をしよう。


昔から大好きだった小説。
紡がれる一言一句が綺麗で甘く可愛らしくて、今でも大好きで時々読み返す。
大人になって、SNSでスイーツ中心の垢をつくって、知った。
大好きだったその小説の作者様が、大のスイーツ好きであることを。
他にも、野菜中心のランチを好んでいたり。
食べ物の好みが、私の心に大ヒットだった。

小説家であるその方のファンだった。
そして、1人のスイーツ好きとしても、とても、とても尊敬した。

実際に同じスイーツを食べていることも結構多くて。
1人で巡っていると、案内される席もわりと固定なのかも。
窓の配置などから「うわ絶対あの御方の投稿してた席だ!!」みたいなこともあったりして、心の中で滅茶苦茶はしゃいだ。

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今日はどこに行こうかな、と悩んで、神楽坂で気になるパフェがあったので向かっていた。途中、その方が銀座でスイーツ探訪をしていることを知る。

行き先を、銀座に変更した。
別に、会いたいとかじゃない。
そもそもご尊顔を知らないから例え隣の席にいたって気が付かない。

超ストーカーっぽいけれど、危ないことなんて微塵も考えてないから、許してくれ...。気持ち悪いかなあ......。
ただ、なんとなく。良いスイーツに巡り合えそうな気がしたのだ。


銀座方面には、行きたいお店が色々あった。
注目していたのは、帝国ホテル。
2種類のモンブランの食べ比べ。
しかしちょうど電車の中で、11月からのメニュー紹介の記事を見た。

おおぅ...モンブランよりも、こっちの方がより食べたい。

限定を逃せない!!みたいなお店は、何店舗かあって然るべき。
しかし、それを高級ホテルのお高いスイーツで固めてはいけない気がする。
本当に欲しい限定の時に、いつもよりも少しお洒落をして、気持ちを引き締めて行く場所なのだ。


他にも選択肢は多い。
マルコリーニやアッシュさん...混んでるかなあ、ボンボヌールは、ラデュレは、いやいや、ゆったり過ごせる喫茶店も良いなあ。
丸福珈琲のモンブランも気になっているし。

色々と思いを巡らせながら、とりあえず歩く。

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店頭の看板に、足を止める。
あ...良い。

宗家 源 吉兆庵 K.MINAMOTO

このお店には、以前も来たことがあった。

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果実を使った、美しいスイーツが楽しめるお店。
カレーなどのガッツリとした食事メニューもあるのだけれど、私としてはやっぱりスイーツに目がいってしまう。

注文するメニューは決まっていた。

和菓子作家 坂本紫穂さん×宗家 源 吉兆庵 K.MINAMOTO
月あかり

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はあぁぁ...美しい。
私の後にも何人か1人でくるお客さんがいてコチラを注文していた。
あの看板に惹かれたのかな。惹かれるよねえ、分かる分かる。

シュワシュワと小さな泡が浮かんでは消える。
その音に耳を澄ます。
あぁ、なんだか心が洗われるようだ。

ピオーネ、ブルーベリー、無花果......大きい。
主に半分とかにカットされているのに、大きい。
ゴロッゴロと入っていて、成程スプーンですくって食べるわけだ。

口の中でプシュっと甘く弾ける。
瑞々しく溢れる果汁が炭酸に溶け込み、喉越しが非常に気持ち良い。

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梅や黒糖のシロップで、甘味を調整していく。
あとこれらを入れると、元々美しい色が、一層美しくなる。

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綺麗だ。

果物と共に、沢山のゼリーも浮かぶ。
夜空に宝石を浮かべたような、不思議な透き通る藍色。スプーンですくう度、あまりの美しさにホゥッと溜息をつかずにはいられない。

飲んだり、食べたり、うっとり眺めたり。
至福の時間。

私より後に来て、颯爽と飲んで帰っていった青年がいた。楽しみ方は人それぞれなのだけれど、お店の雰囲気に浸る時間も欲しい私にとっては、なんだか勿体ないなあ、という感じもしてしまう。


そういえばこれ、スイーツではなくドリンクだったんだな。
思わずドリンクも付けちゃった。
でもこれも美味しい......

ゆず緑茶

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ゆずと緑茶。
もうそのままの感想になってしまうのだけれど、本当にどちらの味もする!
両方の良いところをスッと薄くすくい上げた感じのお美味しさ。

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爽やかで甘く、サッパリ。
冷たいドリンクで冷えた身体を温める。


カフェ巡り好きを豪語している私だけれど、いつだって「あの店に行きたい」という思いで行き先を決めている訳では無い。

尊敬するあの人が近くにいたから。
たまには、そんな決め方もいいじゃないか。

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