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美しいと美味しいは似ている〜百段階段とPandora〜

食は芸術である。

最近、そう思う機会がぐんと増えた。
だから。
というには少し無理矢理だけれど、
私は美術館で観賞できるような芸術が好きだ。

大学生の頃は、学割という特権を行使して、色々な芸術を見に行ったし、
世界遺産検定なんていうのも3級のみではあるけれど取得した。

私は、自分の五感を刺激してくれるモノたちが大好きなのだ。

社会人になって、こういった芸術からは少し離れてしまった。
時間も足りないし、何よりも、
学割が無いと美術館巡りって案外お財布に厳しいという、くだらないが結構重要な理由からだ。

久しぶりに、素敵な芸術と触れ合ったので、本日はそのお話。
それと、ちょっぴり甘いお話も含めよう。

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百段階段 百の縁起もの

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「百段階段」とは、名前の通り、階段だ。
ホームページを見ると、”99段”という記載がある。
数え方的に100段になるのか、約100段なのかは分からないけれど、とりあえず、そのくらいの長い階段。

百段階段は目黒のホテル雅叙園にある。
階段の途中には、7部屋あって、そこを使って色々な企画展を行っているのだ。

2016年の夏に、一度だけ行った事がある。
この時は、確か「化物」みたいなテーマだったと思う。

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今回の企画は「縁起もの」がテーマ。

実は、久々に行こうと思った理由は、「縁起ものを見て福パワーを浴びよう!」みたいな話ではない。

バレンタインチョコが欲しかった。
マカロンが欲しかった。
天井画が描かれていたりして、もう好み・どどどドストライク!

折角買いに行くのならば、ついでに百段階段も寄ろうかな、というわけで。
思い立った夜中にチケットを申し込んだ。

が!

このスイーツたち、普通に通販で買えてしまうらしい。
6,000円以上なら送料無料。
うん、超えるね・・・、通販にしよ。

と、いうわけで、キャンセルも不可だし百段階段だけ行ってみることにした。

さて、これからその美しさと展示内容を詳細に語る・・・ことはしない。
美しい写真を並べるだけだから、「綺麗ね~」くらいでスクロールしてくれたら大大大満足だ。

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100段の階段がスタートする。

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十畝の間

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魚樵の間

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草丘の間

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静水の間

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星光の間

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清方の間

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頂上の間

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各部屋、誰も人が入らずに撮影できている通り、今は特に人が少ない。
それでも、入った時にはそれなりにお客さんはいたのだ。

けれど、ほとんどの人が、サラリと部屋を見渡して、「うわぁ綺麗~」なんて言いながら通り過ぎていく。

勿体ないと思う。

各部屋に設置されている「文化財ガイド」の映像を観ると、その部屋の見どころが分かる。
「ほぉ...あれが~」なんて説明に沿って視線を動かしていくと、100倍楽しめた。

せっかく1,000円払って見に来たんだ。
提供者の「ここが見どころだよ~」ってところくらい押さえておきたい。

なんとなく一周するだけの見方は、例えばスープが自慢のラーメン屋さんで麺だけ啜るようなものだ。

私は自慢のスープまで飲み干したい。

もちろん、ガイドに沿って事実のみと照らし合わせながら観る必要もない。
やっぱり「可愛い~!」とか「スゲ~~~!」という、素直な感想が一番大切なのだから。

可愛いも沢山見つけたよ。


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残念ながら、憎きコロナの影響で中の喫茶はお休み。
あぁ~...どこで甘いものを摂取しながらこの素晴らしき余韻を味わえばいいんだ!!!
なんて、心配は無用。
雅叙園の中には素晴らしいお店がある。

Pandora

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私は感性が中二病ど真ん中なので、「パンドラの箱」とか、大好きだ。
そして「パンドラハーツ」という漫画が、人生で一番好きだった。

だから、このお店の名前も、お出迎えしてくれるウサギの存在も、テンションが上がる要因しかない。

このPandoraというお店、大人気の名物メニューはアフタヌーンティーセットである。

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最高に迷いに迷ったのだけれど。
少量で色んなお店を楽しむのが、私のスイーツ人生基本理念。

じゃあ、ケーキセットにしようか?

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美味しそう~!
だが、なんとなくメニューの書き方から、こっちがお店の名物だと感じた。

フリアン

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フリアンは、フィナンシェと似たようなお菓子。
「焦がしバター」「溶かしバター」という違いはあるけれど、最近はごちゃごちゃに使われてるみたいだから、実質明確な境界線があるわけではないのかもしれない。

とりあえず、アーモンドパウダーとバターをたっぷり使う、しっとり甘々なスイーツ。

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Pandoraのフリアンは、それらの甘さとしっとり感がどこまでも極上で。
あまりにも珈琲との相性が良い。

1口食べて、しばらく甘さに浸って...
珈琲を口に含んで...
を、ひたすらに繰り返す。

高い天井と、光が差し込む美しい自然が見えるガラス壁。
広々とした空間で、最高に優雅なひとときを楽しめる。
百段階段の美しさを振り返りながら。
その後は本を読みながら。

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ほぅ...幸せのため息が出る。

珈琲は減ってくると継ぎ足してくれるので、つい長居をしてしまう。


やっぱり、時折芸術に触れに来るのは良いな。
例え学割が無くてもね。

その後、五反田まで歩いて、これまた素敵な喫茶店に行った。

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それはまた、別のお話——。


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