在宅勤務、ちょっと脱走しても良いですか?〜Dear All〜
ここ1年で、在宅勤務の導入が余儀なくされた。
私の場合は、週に2日程度。
時折、「在宅中のお昼ごはん、どうしてる?」という話題が出るようになった。もちろん心を込めた手料理よ!な~んて言いたいけれど、...してないね。むしろ出勤時の方がお弁当を作るから、しっかり料理をしてるよ。
在宅の日は、料理をサボる。
では何を食べてるかと言えば。
はて、なんだろう?
定期便で注文している完全栄養食・ベースフードをモソモソと食べる事もあれば、前日にパンやスイーツを買っておくこともある。
手軽に食べられるレトルトだって、家に何かしら常備しているし。
なんなら、チョコレートを多めに食べて「これはお昼ご飯!」と言い切ることもある。
・・・あぁ、カフェに、行きたいな。
せっかくの自由なお昼なのに。
いや、行けばいいんじゃない?
在宅勤務でも、しっかり1時間休憩をとる権利はある。
1時間あれば、歩いていけるご近所や、電車で5~10分程度のところくらいなら、行けるではないか!!!
在宅勤務の意義。
そもそも、仕事の為に外に出るリスクを避ける為ではなかったか・・・。
そんなことが頭をよぎるが。
まてまて、「職場を密にしない」、これが在宅勤務の目的だ。
在宅の日だって、切らした牛乳を買いにスーパー行くくらい、誰だってするでしょう?
そんなわけで、在宅勤務dayに脱走を企てることにした。
*****
12:30。
そこから1時間。
私に与えられた休憩時間だ。
私の職場では、部署ごとにある程度の休憩時間が決められている。
社員食堂が混雑しないための配慮なのだけれど、在宅勤務でもその時間は暗黙の了解として守られている。と、私は思っている。
正当で神聖なる私の1時間の休憩時間。
仕事専用の携帯電話を繋がらないようにしていても、きっと怒られない。
「お昼中だったから、電源切ってました!」と言えばいい。
いや、別の人と電話中だったことにした方が真面目っぽいか。
大丈夫、言い訳のしようはいくらでもある。
時間ピッタリに午前中の仕事に区切りをつける。
正当化の鎧を身に着けて、ちょっとドキドキしながら、外へ出た。
**
Dear All
笹塚近くの大通りにある横断歩道。
赤信号で止まると、角にあるそのお店が目に入り、いつも入ろうか迷う。
どっかりと座って落ち着くようなお店とは少し違う。
店内にはベンチと小さな椅子。
1人か、せいぜい2人くらいで訪れて、サッと珈琲と軽いスイーツをお供に自分の時間を過ごして立ち去る。そんなお店。
お客さんは、大学生〜30代くらいの若者が多そうだ。
偶然そういうタイミングだったのだろうけれど、スマホをいじる人よりも紙の本を読んでいる人の方が多いと、「あぁ、そういう雰囲気のお店なんだな」と思う。
本日のケーキは「ショートケーキ」。
普段、ショートケーキってあまり食べない。
美味しいのだけれど、大好きではあるのだけれど。
なんだか、「普通だな」と思ってしまうのも事実。
私はチョコレートケーキか、あるいはピスタチオだったり、少し変わったそのお店ならではのスイーツを注文することが多い。
でも、せっかく「本日の」と言うのだから。
いや正直に言おう。
メニューはレジのところに書いてあって注文するのだけれど、スタイリッシュな雰囲気を重視してか英語表記が中心。
まずドリンクが「cappuccino」から始まり、「これで良いのかな!?」と焦るところから始まる。
よく分からないなら、「オススメ」っぽいのを選ぶのが一番なのだ。
さて、実はちょっと久しぶりのショートケーキ。
いいではないか、可愛らしい。
美しい真っ白な表面にスプーンを差し込む瞬間が愛おしい。
最初の一口。
一瞬で恋に落ちた衝撃があった。
「あぁ、これは当たりだ~」
溶け広がる甘さと共に、じんわりと幸福感が全身に染み渡る。
天使を思わせるような、フワッと軽いスポンジ。
優しい砂糖の甘さにキュンとする。
飲める!!!と叫びたくなるような真っ白なクリーム。
瑞々しく濃い苺。
果汁100%のジュースを飲んでいるような気がした。
ガラス瓶に入ったスタイリッシュな形でありながら、理想のショートケーキだった。
机が半透明なので、お気に入りの靴を履いていけば、さりげなくアピールすることができる。
これもまた、”映え”である。
**
本当はもう少し長くゆっくりしたかったけれど。
お仕事中だからね。
チャチャっと食べて飲んで少しだけのんびりして、颯爽と帰る。
お隣には最近できた美味しいサンドウィッチ屋さんがある。
買って帰る。
ルンルン♪
なんだか、幸せな気分。
仕事のある平日、なのにね。
エネルギーも幸福パワーも充電完了。
これで、午後の仕事も頑張れる。
頑張った。
在宅勤務という、以前には無かった働き方。
それなら、以前には味わえなかった楽しみ方を見つけたいね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?