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神奈川カフェ探訪☆第7話カフェ鈴木~暗闇の中の喫茶店~

夜勤3日間を利用しての神奈川カフェ巡り連載。

なんだよソレ~という方はこちらをどうぞ。
目次偏なので、12店程の美味しい写真が揃っております。

第7話は、こちら!

カフェ鈴木

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自らの名を店に重ねるお店は沢山ある。

が。
鈴木、か・・・。
日本で2番目に多い名字だ。

それなら実は他にもあるのでは!?
と思って調べたけれど、本厚木にあるこのお店しか出てこなかった。

超有名自動車メーカーに「スズキ」はあるけれど、カタカナ表記だとイメージはだいぶ変わる気がする。
漢字だと、名字感が溢れる。

ちなみに「カフェ佐藤」は無い(多分)。
「喫茶さとう」というお店はあるらしい。
それと北海道の「パフェ、珈琲、酒、佐藤」は〆パフェ文化を語るに欠かせないお店である。

話を戻そう。

カフェ鈴木。
そこは真っ暗過ぎる、BARのような喫茶店だった。

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まず、入口を見つけるのが超絶難しい。

のどかな公園の向かいにそびえたつ、レンガ調のデザインの住宅。
よく見る光景だ。

そこに、真っ黒な扉が本当にひっそりと、在る。

1階は、駐車場や倉庫にありがちな暗い灰色の壁なので、その黒い扉に何の違和感もない。
ただ当然のように、そこに在る。

地図を見ながら5周くらいウロウロしたけれど、分からなかった。
丁度お客さんが出てくるタイミングで、やっと気が付くことができた。

中に入ってみると・・・
真っ暗!!

「Ⅱ」という形に並んだカウンター席。
案内されるがまま、机にぶつからないよう気を付けながら席に着く。

真っ暗な空間は、ロウソクの光により照らされる。
カフェよりは喫茶店に。
喫茶店よりはBARに近いお店だ。
というかBARでしかない。暗い!!!

まず注文したのは、「カフェ・リストレット」

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ristrettoは”制限された”という意味。
ドリップで抽出する最高に強くて最高に濃密な限定コーヒー。

”最高”推してくるね。
気になるじゃないか。

それにしても、カップが、素敵すぎる!!!
キリスト教っぽい雰囲気のあるカップだ。

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クリスマスの前だったからか。
シュトーレンも付けてくれた。

これとは別に、スイーツメニューもおひとつ。

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目の前でエスプレッソをかけて。
丁寧に小豆を乗せて。
完成!

液体だったエスプレッソが、あっという間にゼリーに変身!

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ほろ苦いエスプレッソは、「あぁ...これ美味しいやつだ~」と素人舌でもすぐに明確に分かる。
アイスと溶けて馴染んで、苦味と甘さが絡み合って・・・。

「天にも昇る」ってこういう気持ちだな~と、暗く静かな空間で浸る。

そうやってコーヒーの深い味わいに溺れながら、回想してみる。

この魔法みたいに液体からゼリーに変わるスイーツ、最近別のカフェでもいただいたことがあった。

カフェ ファソン
「”まほうの”コーヒーゼリー」

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上に小豆を乗せるところまで一緒!
こういうスイーツ、実は流行っているのだろうか?

こちらのカフェは、若い女性の店員さんが「指パッチンとかできると良いんですけど・・・できないので、念力かけますね!」と、コーヒーがゼリーになるように念じてくれた。
最高に癒された。

鈴木もファソンも、コーヒーのクオリティーが相当高い。
だから、そのコーヒーを使ったこのスイーツも、とんでもなく美味しいのである。

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そして、やはりカップが素敵だった。

他のカップも見てみたくて。
その空間にもう少しだけ浸りたくて。

追加で注文した。

「マキアート」

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デミタスカップにエスプレッソを注ぎ、そこにホイップクリームを少量落とすだけ。
macchiatoは”汚点のついた”という意味。

リスレットの時にシュトーレンを付けてくれたように、今度はお試しのエスプレッソ?を付けてくれた。

やはり、素敵なカップだ。
味も、濃く苦く、ほんのり甘く、どこまでも綺麗な上質な味わい。


途中で常連らしい青年が来て、マスターと楽しそうに話していたので静けさは失われたけれど。
それはそれで、ピリリとした緊張感が抜けてむしろ居心地が良かった。

カフェ鈴木は、カフェ巡り上級者向けではあると思う。
けれど、勇気を出して入ってみると、素敵な体験が待っている。

あの暗闇の中に浮かぶ、美しき器の中の小さな闇に。きっと時折、出会いたくなる。
全てを許してくれそうな、優しいあの暗闇に。

神奈川カフェ探訪第7話。
おしまい

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