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やっぱりコレも好き〜椿屋茶房〜

カフェ巡り好きを豪語する私は、夏になると「最近はどんなかき氷を食べた?」みたいなことを聞かれる。

が、私はかき氷ってあまり食べないんだよね。
嫌いじゃないよ?もちろん。

けれど…なんだかねえ。
いわゆるゴーラーという方々による圧倒的かき氷の数とか、なんだか目が回る。張り合うわけじゃないのだけど、ちょっと自分には別次元というか。
冷え性が悩みの私は冷たいものより温かいものの方が好きだし。
人気のかき氷屋さんの早朝からの整理券に挑む勇気は無いし。
美味しいは美味しいのだけど、経験値が少なすぎるからか他のスイーツたちよりも美味しいが美味しいのかなんなのかよく分からないし。

嫌いじゃない。
でもあえて積極的に食べようとも思わなくて、結局食べるのは年に3,4回くらいだろうか。

それがなんということでしょう。
何よりもどれよりも食べたくなった。
人混みでいくつものカフェにフラれて。なんだか疲れちゃった。「いつもの」よりもワンランク上かなと思っているお店に行くことにした。そこも行列にはなっていたけれど、椅子に座って待てたから。

椿屋茶房

他のケーキだって魅力的。特にシフォンケーキなんて罪悪感もそれほど多くない気がするし。あぁでも、なんなんだ。

この何の変哲もないかき氷の写真に、もの凄く惹かれてしまった。
ここ数年は、年に数回だけ食べるかき氷っていうとチョコ専門店のとかそういう、かき氷の域から逸脱したようなヤツだったのに。
こんな、いわゆるかき氷なかき氷なんて、凄く久しぶりな気がする。

はあぁ…なんだあの電気…アヒルさんか…可愛い。

そうしてさらに、らしくもない。
かつての私は抹茶が嫌いだった。苺が好きだった。
今となっては抹茶専門店にわざわざ行くくらいには抹茶が好きになったとはいえ、元々の好きには叶わない。抹茶と苺なんて選択肢、苺を選ぶに決まっているじゃないか。

決まって…な、なんでだ、私。
そういうときもある。そうとしか言えない。
何故か暑くて疲れていたあの日、私は抹茶のかき氷が欲しかった。

ん~~~たっぷりの小豆が艶めく。金箔とかでゴージャスに飾るスイーツって多いけどさ、それも勿論その魅力のひとつではあるわけだが、やっぱり私はこの、素材の美しさで彩るのが好き。

この濃い緑…子供の頃なら、うへぇ抹茶だ無理ぃ~~~~となっていたに違いない色が、今は本格派だと嬉しくなる。

実際苦味は、かなり濃い。
苦い。

カロリー控えめで練乳はちょっぴり味見程度に…と思っていた。
でも、やっぱりメニューはちゃんと考えられているものだなあ。
この苦味が練乳の甘さで調和され…。
あぁもどかしい!こう「程良い調和」と書けば簡単だけれど、あの単体同士では決して成り立たない感動を、どうして表現できるだろうか。

言葉を仕事にしている人たちは、そんな魔法も使えてしまうのか、羨ましい。

モチモチもっちりな白玉も、味の全体に影響を与えるわけではないのに、なんでこれがあるだけでこんなにも嬉しくなるんだろう。


いけないいけない、私としたことが色んなスイーツを巡っていくことで基本の感動をどこかで忘れていたのかも。
小さい頃は、ペンギンさんのかき氷機でガタガタに削った氷の山に、スーパーで売られた苺のシロップをかけるのが大好きだった。練乳や牛乳で自分のお気に入りの味を研究したりして。

そういう「好き」から、今の「好き」に繋がっている。次元を突き抜けるような、刺激的な出会いを求めている。でも、やっぱりたまには、こういう基本の美味しさに立ち返りたいよね。

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