雪だるまには出会えなかったけれど、虹を見られた〜DEAN & DELUCA〜
人生は思い通りにならないことの連続だ。
そんなの当たり前だし、だからこそ楽しかったりもする。
DEAN & DELUCA。このお店の知名度ってどうなんだろう。上京する前は、存在すら知らなかったけれど。関東から下に向かってしか店舗が無いみたいだね。東京だと、わりと身近にDEAN & DELUCA限定の手提げバッグを持っている人がいるし、なんの説明も無しに「DEAN & DELUCAでさ~」と話し始めても通じるくらいにはよく知られた店だと思う。
私も度々活用させてもらっている。
可愛いお菓子はあるし。
テイスティングを楽しめる店舗もある。
お惣菜もお洒落で美味しくてお気に入り。
有名店とのコラボなんかもやったりして。
アップルパイといえばこの店!グラミースミス!私の初体験はDEAN & DELUCAだった。
東京に住んでいると、他の用事で行った街でふと見かける、ということが多く、ついでに立ち寄るという利用が基本。
休日に、わざわざDEAN & DELUCAを目的地に選んだのは珍しかった。
ネットで見つけた、3日間限定スノーマンジュニアを買いたかったんだ。
無かった。
う~~~ん、何度じっくりショーケースを覗き込んでも、無い。
無いものを嘆いても仕方が無い。
諦めて他のお店に・・・ん?
虹を、見つけた。
レインボーケーキ
「映えよりも味!!」派の私だが、しかし!!
その鮮やかな色に、魅了され。気が付いたら注文していたよ。
調べてみると、どうやら人気過ぎて限定復刻したらしい・・・のだけれど、それを書いているのは2019年の記事。また再登場しているのか、実は定番になっているのか。
いずれにせよ、私にとっては初めてで特別なのだから、それでいい。
赤:ストロベリー
橙:オレンジ
黄緑:グリーンアップル
青:ブルーベリー
紫:グレープ
ここまではしっかり公式に説明があるのに、なぜか黄色だけ書いていない。
プレーンだからだろうか。甘酸っぱさが特徴の味に挟まれているためか、なんとなくレモンっぽい味もするような。
それに白のクリームを加えて、7色。
私が体験したことのあるレインボーはサザコーヒーのミルクレープ。
天然色素でこれ出せるのは本当に凄いし、珈琲によく合うように作られた優しい味わい。とても良い。
積み重ねてきた趣味があると、過去の体験を連想することが頻繁にある。
ただ、これは何度も口を酸っぱく何度でも注釈しておきたいのだけれど、「どちらがより美味しい、素晴らしい」というような比較はしない。できない。どちらも違う良さがある。
ただ、「こっちの方がここの特徴は強調されているなあ」というような比較はアリだと思う。経験は連鎖的だから。これまでを無かったことにする必要はない。それを味わったからこそ感じることを大切にしたい。
レインボーといっても、全然違うらしい。
DEAN & DELUCAのはやっぱり、色の分かりやすい鮮やかさが群を抜いている。見た瞬間、思わず「おぉ」と声が漏れてしまう。座った席の近くを通った人がチラリと視線をケーキに向けていくような気がする。どうだ気になるだろう??
そして色の濃さは、味わいの濃さにも影響する。
口に運んだ瞬間、赤のストロベリーが直球に感じられる。と思ったら、おやおや、オレンジの風味が、ブルーベリーが、フワリ、ホワリと出てくる。ちゃんと層ごとに、味がする。
なんで喧嘩しない???
腹の中に入っちゃえば同じだよ~~とか言ってる???
分からない。苺と蜜柑と林檎とブルーベリーと葡萄を一緒に食べたら・・・苺とブルーベリー、あるいはブルーベリーと葡萄なら普通に合うと思う。いやいやいや、でも他は、ちょっと、どうなの???
なんで。
でも、一緒に食べて混ざり合って第8の味わいになる、というのとも少し違う。ちゃんとストロベリーの味がして、オレンジの味がする。
意味が分からない。
分からないけど美味しい。
ちょっと固めにしっかりとしたクリームは、それらの味に負けないだけのミルクな甘さを放ち、小さい頃に食べた誕生日のショートケーキを思い出す。
映え映えが大好きな学生も、明るい世界に触れたくなった大人も、そして幼い子供もきっと好きな味。だから親子で食べたりしたら盛り上がるかもね。
お年寄りは、どうだろう。
奇抜な味では決して無いのだけれど、見た目にももう少し定番ケーキの方が好まれるかもね。
ケーキを注文した時には、カロリーも気になるのでブラックコーヒーにすることが多いのだけれど、アップルサイダーに惹かれ過ぎた。
心が身体がじんわり温まる。
「あれ食べたいな」と思ってお店に行ったら無かった、みたいな経験は誰にだってあるものじゃないだろうか。
それは残念だけれど、でもチェッと舌打ちする前に「他にはどんなのがあるかな」と前向きな気持ちで見てみると、案外「おっ」と思えるものに出会えるかもしれない。
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