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最近気になった「企業のサステナブルな取り組み」4選

こんにちは、櫻井恵です。

最近、マーケティング・広告事例の収集のひとつとして宣伝会議を読んでいます。
今日はその中で宣伝会議の事例から個人的に気になった話題をお届けします。

テーマは「企業のサステナブルな取り組み」です。

厳選した4つの施策を紹介していきます。
ぜひ、ご覧ください。

①ネスレ日本 マイボトル持参でコーヒー提供

小田急電鉄と協業し、マイボトルでのコーヒー飲用習慣を体験できるイベントを開催。SDGs週間(Global Goals Week:9月16〜25日)に合わせた9月13〜25日に、小田急電鉄の特急ロマンスカーの車内と小田急新宿駅西口のカフェで実施。
マイボトルを持参すると先着30名に「ネスカフェ ドルチェ グスト」の新メニュー「モーニングブレンド」を無料で提供。
結果:想定を上回る杯数の提供を行うことができた。


>マイボトルを持参していない人にも70円でリユーザブルカップに淹れた「モーニングブレンド」を提供したが、イベント後半になるにつれて、マイボトルを持参する人が増えていき、過半数を超える日もあった。「以前体験した際にリユーザブルカップをいただき、もう一回来てみました」といった声なども聞かれた。

■ 個人的意見
マイボトルを持参しないで体験した人がイベント期間中に今度はマイボトルを持参して再来したというのは、いい行動変容の例だと思いました。
また、ネスレの新商品がマイボトルに活用できる商品であると働きかけたことで、体験したユーザーは仮に今後マイボトル×ホットコーヒーで持参したいとなった際に、ネスレ商品の想起に繋がるきっかけをつくれたのではないでしょうか。また、そもそもマイボトル×ホットコーヒーはまだあまり浸透していない印象もあるので、ネスレがこの市場の中で新たにパーセプションを形成していく可能性もあるなと思いました。

ちなみに、似たような取り組みの話でいうと、2022年3月に一部のナチュラルローソンでリユースカップ提供の実証実験が行われました。MACHI caféでドリンクを注文した際に使用したリユースカップを利用した後は、対象店舗であればどこでもカップを返却できる仕組みです。リユースカップのサービスはスターバックスでも導入されていて、他業態との利用と返却も可能だそうです。他業態で広く活用される幅が広がることで、ユーザーの認知も広がり、もっと取り組みに参加するユーザーの数も増えるなと感じました。

②凸版印刷 フードロス削減のため、「凸パン」を無料配布

凸版印刷は、同社が提供する世界最高水準のバリア性能を持つフィルム「GLBARRIER」でパッケージし、賞味期限が通常の約7倍となった食パン「凸(トツ)パン」を開発。国連制定の「食料ロス・廃棄啓発のための国際デー」である9月29日に、JR秋葉原駅構内で無料配布イベントを実施.。
目標:ニュースなどの第三者発信を通じて、同社が「社会課題(フードロス削減)に貢献していること」を生活者に知ってもらい、話題化する
結果:イベント当日は在京キー局すべての取材があり、10月11日時点で計145件のメディアに掲載


■ 個人的意見
最近、CMで度々目にするようになった凸版の「TOPPA!!!TOPPAN.」。印刷だけでなく、世界中の課題解決のために事業をしていることの認知拡大を目的に、上記の取り組みも行われたとのことでした。イベントを通して凸版印刷の印刷以外の領域での事業を知れる機会になる、かつ、配布されたパンのネーミングがセンスあるなと思いました。ネーミングにおいて社名を上手く活用されていたことも、話題化したポイントなのではないかと考えられそうです。

③明治 商品パッケージからの食品ロス削減の啓蒙

消費者庁が令和3年に実施した「めざせ!食品ロス・ゼロ」川柳コンテストの受賞作品を明治の商品パッケージに掲載。

■ 個人的意見
おーいお茶の川柳コンテストの優秀作品がパッケージに掲載されている事例はありますが、それを食品ロス削減の啓蒙の形で転用したことにハッとさせられました。
おーいお茶の川柳は飲むたびについ注目してしまうのですが、同じように明治の該当商品にも川柳が掲載されていたら目にとめてしまうなと思います。明治の場合、川柳コンテストの運営元は消費者庁ですが、協力することで取り組みが広く知られるきっかけになりますし、明治が本気で食品ロス削減のために取り組もうとする真剣さを伺えた気がします。

④花王 洗剤の量り売りでプラスチックごみ削減に貢献

花王は、衣料用洗剤「アタック ZERO」や食器用洗剤「キュキュット」など人気の4商品について、来店客の希望量を充填して販売する期間限定の売り場「量り売り堂」をウエルシア薬局の2店舗でスタート。量り売り堂を利用する際は、量り売りを行っている4商品のボトルもしくは量り売り堂オリジナルボトルを持参。


■ 個人的意見
今までもプラスチックごみ削減の取り組みのひとつとしてシャンプー・リンス―を中心に詰め替え用の販売は一般化していたかと思います。しかし、今回、量り売りでの詰め替えアプローチは斬新だと感じました。お菓子の量り売りはよく聞きますが、日用品の量り売りは昔石鹸の量り売りがあったことぐらいしか知らなかったので、その手があったか!と思ったので。技術の進化が著しかったとはいえ、昔のほうがプラスチックごみ削減の取り組みを自然と行えていたのかもなとも思いました。量り売りをするにあたり、自宅からボトルを持参するのはやや手間がかかると思いつつ、昔っぽさ、いわゆるレトロ感があって、個人的には参加してみたい取り組みでした。

というわけで、今回は企業のサステナブルな活動を軸に4つの事例を紹介しました。

それぞれの事例を通して、各課題に真正面に立ち向かうけれども、そこのひと手間やひと工夫で広がりや面白さをつくり、世の中ごととして上手に伝えられているなと思いました。

また、社会課題の多くがいち企業の取り組みだけでは解決しきれないことが多いので、ローソンのリユースカップや明治のパッケージに川柳を記載する取り組みのように別業態と積極的に協業していくことは案外大切なのかもしれないと思いました。

利益を追求することは経済活動のうえで必要不可欠なことですが、私たちが共通して抱える社会課題に対しては一緒に解決する姿勢をみせていくべきだと考えています。

私自身もこうした企画を考えるうえでのポイントとして心構えておきたいです。

▼参考



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