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命は燃えるもの、魂は燃やすもの

新海誠監督の最新作、
『すずめの戸締まり』を観てきたのだけど

これがまた、とんでもねぇ映画だった。


幼馴染が大のジブリ好きだった事から始まり
ジブリも、細田守監督作品も、全て観ていて

そして新海誠監督作品は、高校時代
普段は英語以外話さない、無口な英語の先生が
授業中にいきなり『秒速5センチメートル』について熱く語り出したことを今でも鮮烈に覚えている。

そうして、当時 高校2年生だった私が観た、
新海誠監督の初作品『彼女と彼女の猫』の感想は

これ全部1人で作ったんか、凄いな。
(しかし猫の顔、もう少しどうにかならなかったんかな)

程度でしかなかったのだけど。

この『彼女と彼女の猫』を作った
当時の監督の年齢がまだ26歳の頃で、

そして当時、会社員だった監督は
毎日仕事が終わった後、
深夜3時までこの作品を作り続けていたらしい。


そこから、23年の時を経て
今年公開された、『すずめの戸締まり』が
私的にとても良くて、

『君の名は。』よりももっと良くて。
(当時彼と観に行った時よりも、今年独りで観に行った気楽さがさらに世界へ没入させてくれたのかもしれない、と言うのは否めない。)


物語ももちろん好きだったのだけど、
それよりも何というか、

安直すぎるこの言葉では失礼に値するのかもしれないが
この作品を通じて新海誠監督が、全てを絞り出して作っている
その作り手の熱意を感じるような内容で、


こうして、映画でも、音楽でも、例えば漫画でも何でも
その作り手が、自分自身が納得するまで
思考を凝らして、全てを注いで、作るそのものが
こんなにも人に感動を与えてくれるものなのか、と

なんとなくその、映画を 観ながら
監督をはじめ最後のエンドロールに書かれていた人たちへ対して
尊敬してもし切れない、畏敬の念に包まれた。


こうして、胸を打たれる作品と出会った時に
私がいつも思うことは

「自分ももっと、魂を燃やして生きてみたい」


という感覚で、
この、「魂を燃やす」と言う感覚は

言い換えるならば
何かに真っ直ぐに一直線に取り組むこと、
がむしゃらに何かを頑張ってみること、

そうした ことに近いのだと思う。


命は燃えるもので、
寿命が来たらいずれ燃え尽きるものだと思っていて、

一方で、魂とはその持ち主が
燃やそうと思わない限り、
燃えないものなのだと、私はそう思っている。


少なくとも、この
『すずめの戸締まり』を制作された新海誠監督は、

最近触れ合ったどの人よりも
魂を燃やして制作に取り組まれている、と思い、

その、自分の魂を燃やす着火剤と
その熱を 適切に相手に伝える伝熱剤を揃えて
初めてその燃える熱は最大化するのかもしれなくて

ただ熱量高く取り組むだけではなく、
その背景には、
多くの様々な燃料を巻き込むことや
あらゆる思考を取り組むことが必要なんだな、
と映画を観てぼんやり考えていたことがそれだった。


そして、果たして、この当時新海誠監督が
この道を選ぼう、と進みはじめた約20数年前のその時と

今、私がこの道を選ぼう、と進もうとして
ここから歩む約20数年は、どのように乖離していくんだろう。

私はこれから、どのような人生を選択していくんだろう。
数十年後に、どんな景色を見ているのだろう。

そんな風に、自分のこれからの将来に関して
漠然とさせられた作品、それが私にとっての『すずめの戸締まり』だった。


観ようと思うきっかけをくれた、
どこかの道で会話をしてくれた人、ありがとう。

おしまい。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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