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【大学院と留学】日本とイギリスでの経験談

しばらく忙しくて、久しぶりの更新。学生さんへの回答シリーズ続けます。

大学院に行くのは、元々決めていたのですか? 社会人を経てから、イギリスの大学に行かれたそうですが、院試の勉強も同時にされていたということでしょうか?

忙しい人生を送られてきたと思うのですが、どうやって時間管理をされているのですか?コツなどあれば教えてください。 大学院や、海外の大学に向けて、学費はどうやって準備されたのですか?親からも支援を貰いましたか?

今日の質問は大学院に関して。
僕は大学を出た後そのまま一度日本の大学院に行き、その後青年海外協力隊や民間で働いてからイギリスに留学した。
一度目の大学院は国際開発を勉強するということで、試験は英語での論文や面接があった。開発学を大学では学んでなかったし、実は英語が全然得意でなかったので当時の大学の指導教官に助けてもらった。初めて過去問を見たときにわからなさ過ぎて先生と二人で苦笑いした記憶がある。
当時からずっと行き当たりばったりで、大学四年になって大学院に進むことを決めたので、就職活動をしないで英語の勉強をしていた。
当時は今と違ってオンラインで簡単に学べる環境になかったので、自分がやったことは、人間開発報告書を日本語と英語両方図書館で借りて、英語を読んで日本語に訳したり、日本語を英語に訳したりして勉強した。時間が無かったので自分の関心のある分野にだけ集中した。

そうして大学院に受かったけど、大学院の授業はほとんどが英語だったのだが、一つのゼミの先生がMIT出身で、着任したばかりのやる気みなぎりすぎていたためMIT方式を新卒がほとんどの日本の大学院に持ち込み、スパルタで毎週大量の英語文献を読まされ、付け焼刃の英語力が剝がれていくのがわかった。
生まれて初めて英語でプレゼンすることになり、自分が大学でやってきた分野と違う分野だったのでさっぱりわからず、「セーフティネットって何ですか?」って先生に聞きに行って、「せめて新聞を読んでから来なさい」と言われて赤っ恥をかいた。あの時の冷たい笑顔一生忘れないわー笑。まあ自分が無知すぎたのだが。結局2年目で別のゼミを選んだ。

そんな状態でひーひー言いながら勉強して英語でプレゼンした次の日に高熱が出て、知恵熱って本当にあるんだと知った。
そんな出来損ないだったけど、交換留学で当時研究していたタイに行ったりして3年で卒業。タイ留学は楽しかったのだが、もっとディープな世界が知りたいと思ってアフリカに興味を持ち始めながら卒業した。

新卒だったのもあり、留学経験もないまま大学院に入ったので同級生全員が自分より優秀に見えて劣等感抱きまくっていたが、大人な人たちから色々吸収し、とても楽しい大学院生活であった。ただ今思うとあのレベルの修士論文で良く卒業できたなと思う。日本の大学院は寛大だ笑。今となっては同級生で国際機関で働いているのは僕だけのようで、大学院のHPにも載るようになったのだが、掲載依頼の連絡を取ってきたのは知恵熱の原因になった先生だった。向こうは僕のことを多分覚えてもいないと思うけど。

大学院の学費は自分で出して、奨学金ももらっていた。幸い無利子の奨学金をゲットできたし、国立だったので家庭教師や塾講師、日雇いでのイベント会場のゴミ拾いなど効率良くお金を稼いで一人暮らしを乗り切っていた。
交換留学時代は月8万円くらい奨学金が大学から出ていたので、当時の物価の安いタイだと十分に暮らせた。

その後、協力隊でアフリカに行き、民間で就職し、アフリカ駐在をしていたのだが、実はJICAの海外長期研修という制度で奨学金的なものをもらえることになったのでイギリスに行き、もう一度別の分野で修士を取り直した。ちょうどリーマンショックで円高になっていたこともあり、JICAからもらえるお金で十分生活費がまかなえたので他の学生よりはだいぶ楽だった。バイトしている日本人留学生もいたしな。

イギリスの大学院って入る前に勉強することってそんなになくて、英語のスコアと志望動機が書ければなんとかなる。僕はJICAの海外長期研修に応募するときに(普通の奨学金と違い、先に応募して希望大学院を書くしくみだった)研究内容を苦労して書いたので、そこまで難しくなかった。JICAの方の研究計画書は合格もらった後も再三修正させられて色々と大変だった。
志望動機提出時に留学サポート会社などに研究計画書を無料でチェックしてもらったが、そのあとの有料サービスは全部断ったけど合格した。いきなり新卒で受けるのは大変かもしれないので、そういう人は色々なサポートを受けたり、準備コースに行ったほうが良いのかもしれない。日本と違い院試ではなく、志望動機や大学の成績などが重要になってくる。僕はすでに修士をとっていたのし日本の修士の成績のつけ方は優しいので笑、特に問題はなかった。

協力隊で働いている時に色々な人から一度民間で働いた方が良いと言われ、民間に就職したが、やはりこちらの世界で働きたいと思い、もう一度勉強しようと思ってイギリスに行くことにした。民間に寄り道したことはITに強くなったり、市場原理などを学ぶのにとても良い機会ではあった。ただ、今の仕事に直接的に役に立っているとはいいがたいので、まあおススメするかどうかは難しいところである。

イギリスは1年で修士がとれるがその分勉強量も多かった。イギリスで勉強していた時思ったことは「自分が考え付くありとあらゆることがすでに研究されている」ってことだった。それは半分絶望でもあったけどその反面楽しくもあった。自分が立てた仮説が調べていくと証拠とともに答えが出てくるのは大変だけど楽しい作業であった。

読んでもらってわかる通り、エリートコースというより、大学院も割と手の届く範囲で、奨学金も得ながらタイミング良く行ったという感じなので、もっとより上を目指したい人にはあまり参考にならないかもしれない。ただ、大学院とはいつでも何度でも勉強したくなったら行ける場所だと思うので、自分のライフスタイルに合ったタイミングで行けばよいと思う。国際機関で上を目指してバリバリ働きたい人は早めに行った方が得ではあると思う。本部でインターンのチャンスなどを得たらより国際機関への合格率などは上がるかもしれない。

ちなみに質問にあった時間管理に関しては、僕はかなり下手な方なので、あんまりアドバイスはできない。
時間管理とかって、勝間和代さんとかビジネス分野のエキスパートの本やYoutube見たりすれば、実は簡単にできる。その人たちの紹介するアプリやプログラムなどを使えばもっと簡単にできるだろう。後は強い意志でそれを実行するかどうかで、自分に課す時間管理が習慣化されれば自然とできるようになるし、僕みたいにできない人は、自分に何かを課してぎりぎりにやるという綱渡りの人生を歩むことになると思う笑。


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