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【国連での仕事を選んだきっかけ(おまけ)】「きっかけ」のせいでテレビデビューがお預けに

昨日のエントリー「国連での仕事を選んだきっかけ」を書いていてふと思い出したエピソードがある。

アフリカのへき地で働いていた時に、知り合いを通じてとあるテレビ局から連絡がきた。当時流行っていた「こんなところに日本人が?」系の番組の人からだった。

もともと自分からテレビに出たい!という方ではないのだけど、まあせっかっくアフリカのことや仕事のことなど知ってもらえたらうれしい気持ちもあったので、出演を前提に何度か詳細にわたるメールのやり取りを担当の人とした。

しかしそれでも情報が足りなかったらしく、電話がかかってきて1時間くらい話をした。向こうの中で多分シナリオができていて、それに合わせた事実確認をしたかったようだ。アフリカのへき地で何年も働いていたらそれなりに面白エピソードなんかもあるのでそういうのを交えながら話した。でも向こうがどうにも引っかかる点があるようだった。そして「この世界に入ったきっかけをもう少し話してもらえませんか?」と聞かれた。

すでにメールにも書いていたのだが、もう一度説明した。国際協力の世界に入ったきっかけとして高校生の頃阪神大震災の現場に行って戦場のような神戸の景色が目に焼け付いたこと、学生の時にタイの地方に行った経験などを話した。国連で働くきっかけは前回書いた通り、そこまで大きなきっかけがあったわけではない。するとテレビ局の人は聞いてきた。

「もう少し印象的なエピソードはないでしょうか?」

「印象的?例えばどんなことですか?」

「例えば、親友の死がきっかけで目覚めたとか」

いやいや、さすがにそんな強烈なエピソードはないので、そのように答えると、その後連絡が途絶え、テレビの話は自然消滅してしまった。

まあ向こうも視聴率獲らないといけないので、そういうエピソードとかないと使えないのはわかるから特に不満はないんだけど、とは言え勝手に友人を殺したりもできないので、もうそれは仕方ない。こんな仕事しているからと言って誰もが大きなきっかけがあるわけではないのだ。むしろそんな大きな出来事でなくても、小さな積み重ねが導いていくものだと思うのだけど。

というわけでテレビに出たい人はそういう強烈なきっかけを持っていた方が良いですよ笑、という話でした。



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