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1、20年前は涼しかった

 20年前、この地にやってきたころは涼しかった。部屋に取り付けたエアコンを動かすのは、年1回、「動作確認」のためだけだった。それまで暮らしていた西日本では、自宅で毎日、エアコンをつけて過ごしていたし、学校の職員室にも当然エアコンがあった。


 でも、青森市の学校現場には、当時、エアコンがなかった。それでも、特に困ることはなかった。それほどの暑さではなかったからだ。「ねぶたが終われば夏が終わる。」という言葉通り、お盆を過ぎると30度を超える日はなかった。夜、窓を開けて寝ると寒いくらいだった。


2、異常な暑さ

 ところが年々、青森の夏が厳しくなってきた。6月中旬の日中の気温が、時々30度を超えるようになり、今年の7月には、35度を超える日も当たり前になった。コロナの感染防止のため、一昨年、児童が生活する教室や保健室にはエアコンが付き、子供たちは一息つくことができた。

 しかし、理科室や調理室、図書室、音楽室などの特別教室は、暑さとの戦いだった。もともと。みちのくの子供たちは暑さに弱く、体調を崩しがちだが、実は教師も同じ。


3、暑さと戦う教職員

 学級担任の先生方には、教室のエアコンで体調管理をしながら、業務にあたってもらうことができた。しかし、事務室にも職員室にも、校長室にもエアコンはない、来校された方々も驚かれるのだが、予算はつかないし、文科省のコロナ対策予算でエアコンを設置することは許されなかった。

 各自が暑さ対策をし、扇風機を全開にしながら、業務にあたっている。


4、暑さに驚く講師

 先だっての7月31日、東京から講師を招いて、中学校の体育館で講演会を行った。幸い、直前に雨が降り、気温は前日よりも5度ほど低くなった。しかし、湿度は高く、講師の方からも

「東京都の体育館のほぼほぼ10割近くが、エアコンが付いています。」とお話があった。


5、願い

この職場環境では、教師を希望する若者は、さらに少なくなる。一日も早いエアコンの設置を願っている。
大賀重樹


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