ちずらぼ

フリーライター。測量士。GIS NEXTの中の人。『地図は意外とウソつき』『三陸たびガ…

ちずらぼ

フリーライター。測量士。GIS NEXTの中の人。『地図は意外とウソつき』『三陸たびガイド』『地名は災害を警告する』『首都大地震揺れやすさマップ』『みんなが知りたい地図の疑問50』etc. 地理空間情報や防災等。第二種兼業ミュージシャン(シンガーソングライター「MOGAMI」)

最近の記事

【日記】10年前の祇園祭での災難

が京都では夏の風物詩のひとつである祇園祭が始まっています。 祇園祭は八坂神社の祭礼で、貞観11年(869)に各地で蔓延した疫病を鎮めようと行われた「御霊会」が起源とされています。儀礼では当時の国の数を表す66本の矛を立て、悪霊を矛に移すことで町のケガレを祓ったのだそうです。 1カ月にわたる祭りの中でもハイライトと言われているのが「山鉾巡行」です。 前祭の7月17日(後祭では7月24日)には、長刀鉾を先頭に23基の豪華絢爛な山鉾が街をねり歩く山鉾巡行が行われますが、その前夜祭

    • 【日記】網膜剥離の顛末

      6月12日に網膜剥離で緊急入院して手術を行いました。その顛末です。 長文ですが興味があればお読みください。 疑念 数年前に検診で眼圧の高さが引っかかり、その後視野検査などの結果緑内障の診断が下りました。 診断したのは(当時)近所にあった眼科で、その後引っ越して遠くなってしまったものの、3カ月に1回の眼圧測定と半年に1回の視野検査のためにその眼科に通っていました。 そんななか、5月くらいから自覚症状として飛蚊症が気になり始めました。目の前を黒いものが横切る現象です。それま

      • 【コラム】地図は文字より古いのか

        「地図は文字よりも古くから存在する」 これは多くの地図学関連本に書かれている決まり文句で、文字を知らなかった先史時代の人々が、既に地図を描く能力をもっていたと考えられています。 教科書などでは、文字の起源はメソポタミアのシュメール人によるもので、紀元前3000年頃とされています。 いっぽう、世界最古の地図は紀元前1500年頃に北イタリアのカモニカ渓谷の岩壁に描かれた「ヴァル・カモニカの岩絵群」と考えられており、世界遺産にも登録されています。 この地図には耕地、小径、小川や

        • 【日記】15年前の日記より

          昔の日記からの抜粋です。 こんなこと書いていたんだなあ。 ---------- 昔は買物する時の代金や、仕事の給料は 「人」に対して払われていたように思う つまり、報酬は人への対価 年功序列社会はある意味非常に現実的な仕組みで 子どもの成長などでお金のかかる年代になるにつれ 収入が上がるように設定されていた 時は流れて年功序列は否定され いつしか能力主義や成果主義があたり前になった その時点から、対価は人へではなく、 作業や商品に対するものに変化する 社会もそれが当

        【日記】10年前の祇園祭での災難

          【災害記録帳】善光寺地震〜「土葬にされ、火葬にされ、水葬にされ三度弔われた。」と例えられる被害の多様性〜

          江戸時代の1847年5月8日(弘化4年3月24日)、長野盆地西縁断層帯を震源とするM7.4の善光寺地震が発生した。 善光寺地震を考えるには、被害の多様性に着目する必要がある。犠牲者は「土葬にされ、火葬にされ、水葬にされ三度弔われた。」と例えられるように、さまざまな災難が人々を襲った。 善光寺の門前町だった長野村(現在の長野市)では、家屋の倒壊や火災により大きな被害を記録しており、震度は6~7であったと推定されている。 不運なことに地震発生はちょうど善光寺が常念仏6万5,00

          【災害記録帳】善光寺地震〜「土葬にされ、火葬にされ、水葬にされ三度弔われた。」と例えられる被害の多様性〜

          【コラム】食のノスタルジー

          うどん屋では決まって「かけ」をたのむ。 「ぶっかけ」でも「釜揚げ」でもなく「かけ」だ。 丸亀製麺やなか卯、はなまるうどんなど、東京でも関西風のうどんが食べられるチェーン店が増えている。 とてもありがたいことだ。 自分は徳島県の生まれである(鴨島町/現吉野川市)。 といっても徳島に住んだことがあるわけではなく、鴨島に実家があった母が「里帰り出産」をしたことで徳島県生まれということになった次第である。 徳島県に住むことはなかったものの、母は毎年のように夏休みになると自分を連

          【コラム】食のノスタルジー

          【まちあるき】等々力渓谷を歩く

          興味がありながらも訪れたことがなかった東京都世田谷区の等々力渓谷。 季節的に紅葉もいい頃かな?ということで歩きに出かけてみた。 等々力渓谷の最寄り駅である等々力駅に降り立つ。 島式ホームの先端に改札があって、北側に出るにも南側に出るにも踏切を渡らなければならない構造。電車の時間ギリギリに駆け込むのが難しいパターンだ。 駅を降りて等々力渓谷に行く前に寄ってみたかった逆川へ行ったのだが興奮して写真を撮り忘れたのでこれについてはいずれ改めて。 駅を南へ出て成城石井の角を曲がると

          【まちあるき】等々力渓谷を歩く

          【まちあるき】篠崎界隈を歩く

          東京都江戸川区、都営新宿線の篠崎駅。 駅の開業は都営新宿線が船堀から延長された1986年9月。その時点では篠崎は終着駅だった。 当時駅周辺はまだ開発も進んでいなかったが、駅ができたことでその後住宅地として発展することになる。 当時の地図と現在の地図を比べると、まだ「すき間」が多いことが見て取れる。 明治期まで遡ると、篠崎駅周辺は水田地帯。 現在からは想像できない景観が広がっていたはずだ。 明治当時はまだ篠崎村で、昭和7年に東京市に編入され、江戸川区となった。 明治期の地図

          【まちあるき】篠崎界隈を歩く