一生で一番眠れなかったのは命を育てていた日々

1時間半おきに起こされた。
1時間おきということも、あった。

眠くてクラクラするけど、生きなければならない。

生存競争みたいな日を過ごした。

出産直後。

出産時にトラブルがあって、予定日よりも1か月早く帝王切開で産んだ。

生まれた子は標準より少し小さかったけれど、たまたま保育器に入らないで、私のもとに来た。

飲む力が少し弱くて。
おっぱいをちょっと飲むと、すぐ寝てしまう。
また起きて飲む。

そのたびに起こされる私。
24時間。
不眠といいきれないけれど、不休だ。

なぜか意地になって母乳だけで育てた。

私の中の養分をあげるから、どんどんやせて。
食べても食べても追いつかなくて。

息子が寝ているとき。

私は寝ているか、作っているか、食べているか、だった。

生きる。

ストレートにそんな日々。

眠れないんじゃなくて、寝る時間がないだけだった。
時間があったら、すぐに眠る。

でも起こされる。
フラフラと起きると、夫は横で熟睡している。
私が疲れて起き上がれなくても、いびきをかき続けている。

にらみつけても、ゆすっても微動だにしない。
一瞬の殺意。

でも死よりも、まず生だ。

赤ちゃんを抱きよせる。

柔らかくていい匂いのするもの・・・
だけど癒される余裕もなく。

気が遠くなりそう。

いつから3時間以上まとめて眠れるようになったんだろう。
記憶にない。
いつの間にか。

でも、少しずつまとめて眠れるようになったのは幸運だったかもしれない。

今も、たくさんのお母さんが眠れない夜を過ごしている。

眼が冴えて眠れないのではなくて。

夜泣きされて、夜中に散歩するお母さんもいる。
布団の上に置くと必ず泣くから、立ったまま寝るお母さんがいる。
泣き止まない子と一緒に泣くお母さんもいる。

はじめからよく寝る子もいるけれど。

「あのころ、いつ寝たのか記憶にありません」
というお母さんもいる。

そうして大きくなった子どもたち。大人たち。

大きくなれて、よかった。

今いてくれて、よかった。

その間にたくさんの危機があった気がする。
忘れた、けれど。

今は、眠れない時間も、私の時間。

今眠れないあなた、この間まで眠れなかったあなたに応援を送りたい。
育児だけではなくて。
つらい夜を過ごしているあなたに。

「眠れない夜に」を一番眠れなかった時を思い出して書いてみました。
次は、眠れなくて起き出してしまう大人時間を書いてみたいです。

今月からメルマガ始めています🌼
川ノ森千都子から送る「育児中のあなたへの心のマッサージ」

明日はお母さんお父さんが大変な夏休みのことを書きますね。