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やさしい言葉をいえなかった自分と、息子にあやまる私

「あのね、もっとやさしくいってほしいの・・・」

息子にいわれたことがあります。

3歳くらい。
ふたりで、お風呂に入っているとき。

つい、いつも「早くしなさい!」「まだ終わらないの!?」「したくして!」
怒るようにいっていました。

ズ~~~~ンと、おなかに、来る言葉。

ごめんね・・・。

でも。

・・・やさしくいっても、やらないよね?


はじめの1,2回はやさしくいっていることも、あるよね?

でもそうだと、動かないよね?
だから、つい、声が大きくなっちゃうんだよね。

でも、そういうと責めているみたいだったので、
「う~~~~ん・・・」
とうなったのでした。

「な、なるべく、そうする、ね」
かろうじていったものの、このあと自分が変わったという自覚はありません。

ただ、この言葉が私の中にずっと残ったということ。
悪かったなって思ったこと。

思い出します。

いつも時間に追われていて。

早く早くばかりで。
自分に余裕がなくて。
いつも急いでいて、走っていました。

比喩ではなくて、本当に走っていました。
電車の中でも、出口に近い方にと歩いていました。

起きたら、ゴミをまとめて。
荷物の準備。自分と、息子と。
朝ごはんを作りながら、起こすことを考えていて(息子は寝坊でした)。
朝ごはんを食べさせながら、保育園の連絡帳を書いて。
後片付けして。

「自分で着替えてね」といいながら、私も着替えて、準備して。
着替えていない息子に服を選んで、着せて。

機嫌が悪いとなだめて。

「階段降りる~」という息子と手をつないで、保育園へ。

朝の支度も、もっとあった気がしますが、おぼえていません。
朝から晩までせわしなくて。
よく忘れものをして。

3人も4人もお子さんがいる人はどうしているんだろうと、いつも思い、尊敬していました。今も。

少したったころ・・・年長さんのころだったでしょうか。
この本を見つけました。
『おかあさんだいすきだよ』(宮西達也)

男の子がお母さんに「こんな風にいって」というお願いの言葉です。

おかあさんは
「はやくはやく!いそぎなさい!
おくれちゃうでしょ!」
って おこって いうけれど

ページをめくると

「きょうも いっぱい 
たのしいこと
あるといいね。
いってらっしゃい」
っていってくれたら
ぼくね、もっとおかあさんのこと
だいすきだよ。

他にもいっぱいあって。
早く起きなさい、泥だらけにして洗濯が大変、など。などなど。

胸が痛くなりました。

黄色い帽子をかぶっている、小学一年生の男の子の子が主人公です。

お母さんが大好き、という絵本なの、ですが。

ごめん・・・って心の中で息子に謝りました。
こういうこと、なんだよね。

この本は息子には渡しませんでした。

「うん、わかった」っていう気持ちと、私が、ちょっと、つらくて。
結局できなかったなあって思いがあって。


この間、この絵本をまた見つけて、思い出しました。
急に。
息子にいわれたこと。
余裕がなかったころ。
持ち帰らなかった絵本。

でもあの頃に戻ったら、またおこっちゃいそうな、自分。

どうしたらよかったのかな?

でも・・・でも・・・
最後はいつもギュッて抱きしめたよね。

だから、許してね。

今になって、過去の息子と、自分と、両方に謝ったのでした。


※イラストはsassaさんからお借りしました。ありがとうござます💕

青い鳥と線


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