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生活に追われない方法

「すごくヒマな時でいいんで、これやってもらっていいかな?」

今、急ぎの事をしていたわけではなく、やんわりしたその依頼は10分くらいでできることだったので、すぐに取りかかると、「あ、別にそんな今じゃなくていいから」と、止めるような事を言われたことがある。
こちらを気遣ってのことなのはわかるけど、、

「先延ばしにして期限が長い方が楽」と思っている人は結構いるようだ。

私がすぐに頼まれたことに取りかかったのは、その方が楽だから。
「いつでもいい」と言われたら、大抵いつまでもやらない。
長い期限のものを、ずっと覚えていなければならないのは、結構エネルギーの要る大変なこと。
人間は忘れるものだから。
ずっと忘れないようにするには、メモを取るなど、工夫、仕事が増えるし、心のどこかで「あれやんなきゃな〜(でもやってない。。)」と引っかかっている状態は、実は結構ストレスで、脳、心の容量を喰っている。

「まだ期限あるし」と先送りにしていると、気付いたらギリギリになって、他にもやらなければならないことが多く溜まっているところに重なって、大きな負担になったり、やってみればなんてことなくて、やんなきゃやんなきゃと、長い期間煩わしかった時間が無駄なだけだったりと、長時間を要しない仕事に、長い期限をつけるのは、基本的にメリットがない。

そして、「すごくヒマな時」って、そんな時間は私はないから、その表現に驚いた。
私は、「ヒマ潰し」という言葉は、「時間」を杜撰に見下げた言い方に思えるので、使わないようにしている。自分で自由に使うことのできる貴重な時間を、そんな扱いはしたくない。
「普通」にしてたら、時間は必ず押して、足りなくなるもの。

「すぐできる!」とか、時短とは言わないけど「あっという間に痩せる!」「これさえあれば毎日が楽しく」「たったこれだけで収入アップ!」のような、飛びつきやすい謳い文句は、その周辺まで考えないと、実際とのギャップで挫折したり、かえって余計な負担、出費などを増やすことはよくあると思う。

「10分でお弁当!」などは、すぐに調理に取りかかれる状態のキッチンが前提だし、後片付けも勿論含まれていない。

準備と後片付け。「時短」の周囲である、これらにかかる時間と労のことまでを考えているか。

発表会なんかも、出番は5分でも、準備や待ちが何時間とか、ずっとずっと長いよね。

段取り八分というように、準備ができていれば、あとはあっという間というのは、珍しいことよりむしろ、よくあること。

そして、後始末。これをしなかったら、その一回だけで終わってしまう。
イメージのずれから、「あれ?なんか思ったより大変、、面倒臭い」という感覚になって、継続できなくなる。
「買ってちょっと使ってそのまま」の物のために、到底見合う出費でなくなる。

買って、持ってみるまでわからないことは勿論あるから、しょうがないことはあるけど、できるだけ少なくしたいもの。

ゲームやおもちゃなども、遊んだ後にほったらかし、ただ面倒で片付けないと、他の家族の迷惑になってストレスの元になる。

またこれで引き続き遊ぶから、他の家族の邪魔にならないような状態で、いちいち片付けないままの状態にしておくというところまで考えての出しっ放しなら、それは「周辺」までしっかり把握しているから、一番効率がいい。

あれが手に入れば便利なんだろう、楽しいだろうというところだけ見て、期待しては安易に手に入れて、現実の大変さには、「なんだか面倒臭い、ほったらかし、続かない…」を繰り返すことは、恋人がいれば楽しいだろう、子どもがいれば幸せだろうといったことに拡張していき、どんどん自分の首を絞め、人も苦しめる恐ろしい結果に繋がる。

「精神の苦しさは、年とともに、日に日に酷くなる一方で、経済的にも全く余裕がない」と言う人が、「これで解決!」とか外箱に書いてあれば、サプリでもなんでも飛びついて次々買うと言っていた。
「実際に効くかどうかはどうでもいいんです。中身なんかより、箱にそう書いてあれば、その期待だけでその時乗り越えられるからです」と、自分がどんな恐ろしいこと言っているのか、もうわからないんだろうか?と寒くなったことがある。

ブラッド・ピットの「ファイトクラブ」の映画で、金持ちが食い過ぎて、つきすぎた贅肉を高い金で手術して取って、それを美容グッズにしてまた高い金で金持ちに戻すのさ、みたいな台詞があった。

「これはあなたと同じく、このままではひどい肥満によって心臓を圧迫して死んでしまうため、切除した人の脂肪です。」と、大きなピンセットで見せられた人が泣いていたドキュメントを見たことがあるけど、こうしたことが、体やモノなどで起こらないようにしたい。

私は、自分を大事にできればいいと考えている。
これを、「自分さえ良ければいい」と考え違いをしている人が多いけど、それは真逆。

自分が美味しくて体にいい料理を、日々作り続けることができる。
自分の服を、自分が快適に着られるように、簡単なカスタマイズができて、少々のほころびなど繕うことができ、大切に着まわすことができる。
自分が快適に過ごせるように身の回りを整理して、自分の持ち物を把握して、ちゃんと使うことができる。
自分のお金・時間を、楽しく有意義に使うことができる、自分で考えて計画を立てることができる。

私が目指しているのはこういうことだし、子どもにも、これができるようになって欲しいと思う。要するに、ムーミンの「スナフキン」が理想像!
人生、っていうと、たいそうな気がするけど、一日一日の実際の生活の積み重ねでできたもの。

別に、外食やコンビニ、家事代行などを否定するわけじゃないし、むしろそういったものを上手に使うことは大事だと思うけど、それにはやはり、土台が大事になってくる。

もし子どもが、学校へ行きたくないと言えば、別に行かなくて家にいていいから、とにかく上記の技術を磨かせたいと思う。
これができれば、必要なだけのものは、ちゃんとやってくるものだと思う。
自分を大切にすることは、既に他を大切にするはじまりだから。


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