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発した言葉の裏にある感情を丁寧に紐解く

妊娠・出産・産後ではよく聞く言葉です。

アンビバレントな感情とは
両価的な感情のことを表します。

例えば、妊娠後期になり、出産が近づくと
このアンビバレントな感情により
情緒が不安定になります。

《待ちに待った赤ちゃんに会いたいけど
 陣痛は怖くて、嫌だ》

赤ちゃんに会いという《喜び》
陣痛は怖くて、嫌だという《不安》


相反する両者の気持ちにより葛藤が生じ
どのように対処すればいいかわからないため
情緒不安定となります。

どうすればいいかわからず
どっちつかずになり
精神的に不安定になります。

出産は新しい命を生み出す女性にとって
生死をかけた女の戦(いくさ)です。

医療が発達しておかげで
出産で亡くなる方は減りましたが
死と隣り合わせなことには違いありません。

不安がないわけはありません。

不安はあります。

助産師の役割は
このアンビバレントな感情を和らげることです。

陣痛は怖くて、嫌だという《不安》を和らげると
赤ちゃんに会いたいという《喜び》が増します。

《不安》の感情を否定せずに
常に寄り添い、共感します。


『陣痛は怖くて、嫌ですよね〜
 わかりますよ〜

 ただ、どうして怖いと思われるのですか?』


《不安》の感情はどこから来たのか。
なぜそのような感情を抱くのか。

不安の感情について
思いの丈を産婦さんが納得されるまで
話していただきます。

話していただいている間は
否定せず、ただひたすら耳を傾けます。

一瞬でも否定すると
精神的に不安定な状態になっている産婦さんが
助産師に対して不信感を抱く恐れがあります。

不信感を抱かれた助産師との出産は
うまくいきません。

《この助産師になら、命を預けてもいい》

そう思っていただけるような言葉と態度と姿勢で
産婦さんのお話しを伺います。


納得されるまで思いの丈を話された最後に一言
助産師としての見解をお伝えします。

『陣痛は怖くて、嫌なことはよくわかりました。
 ありがとうございました。

 ただ、陣痛が来ないと赤ちゃんは
 生まれることができません。

 たとえ陣痛が来ても
 陣痛が弱いと赤ちゃんは
 生まれることができません。

 となると、陣痛は怖くて、嫌なことですか?』

発した言葉の裏にある感情を丁寧に紐解きます。

どうして、その言葉を口にされたのか?

その言葉で本当に伝えたい想いとは
一体何であるか?


併せて言葉と感情が一致しているのか
表情や声のトーン、
話すスピードからも読み取ります。

切迫した状況なのか?

時間的ゆとりがある状況なのか?


お産を通してわかったことは
女性は女性のみなさんが思われている以上に
繊細です。

強がっている方ほど
陣痛が始まると弱くて繊細な一面が現れます。

仮面の下に隠していた本性が現れます。

仮面をつけないと
生きれない時は多々あります。

私もそうです。


どうぞ、ありのままの姿でいてください。

弱くて繊細な女性でいてください。

弱くて繊細な部分を大切にしてください。

そんな弱くて繊細な部分を
受け入れている女性だから
赤ちゃんはあなたをお母さんに
選んでくれたんだと思います。

アンビバレントな感情、いいじゃないですか。

揺れ動く感情、最高じゃないですか。


女性らしい弱くて繊細な部分を
母になってもたのしんでください。

無理して誰かの期待に
応えるために頑張るよりも
母となるご自分をたのしんでください。

今まで誰かの期待に応えるために
もう充分頑張ったなら
肩の力を抜いてたのしんでください。

できないことは周りの人の助けを借りて
たのしんでください。

不安を感じるご自分を
あたたかく迎えてあげてください。

赤ちゃんもきっと同じ気持ちです。

すべては良きことのために。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

助産師として培った知識や経験が
あらゆる世代の方々へ
お役に立てれば幸いです✨

みなさまの今日が
愛と豊かさに溢れた未来へつながりますよう
心よりお祈りしています。

✨自分で自分を満たすレッスン♡✨

🧚‍♂️ナビゲーター
助産師 野宮 俊江

🧚‍♂️Instagram
https://www.instagram.com/fill_myself_up

参考文献:医学書院
     系統看護学講座 専門分野
     母性看護学[2] 母性看護学各論

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