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古のパソコン、PC-6601(1983年、NEC)の画面が赤みがかる症状を直した件

PC-6601というパソコンがあります。1983年にNECが発売した製品で、当時「話せる、漢字る、カラフる」というキャッチコピーに象徴される特徴的な機能で人気を博したPC-6001mkⅡの上位版にあたる機種です。

PC-6601

このような機体です。この重厚感見てよ?カッコ良いでしょう?
カセットテープからのデータ読み込み対応はもちろん、当時の最先端を行くメディアであるフロッピーディスクのドライブを搭載しておりました。

これがフロッピーディスクとディスクドライブ。カセットテープからデータをロードして10~20分待ってゲームをプレイするのが常識だった当時、フロッピーディスクの登場がどれほど衝撃的だったか。いまの若い人に言っても…わ、私だってバリバリのナウでヤングな若者だもんっ!!(💀)

余談ながら、これのさらに上位機種となるPC-6601SR(Mr.PC)は、さらに最先端をいく機能とスタイリッシュなデザイン性から「六本木パソコン」と称されていたりしました。

PC-6601SR(Mr.PC)カタログより

まぁ、六本木パソコンのことは置いておきましょう。


PC-6601、何か画面が赤いんだけど?

でね、この機体をとある企画(ちょっといまはまだ言えないのですが…あ、ベーマガ関係ではないです念のため)に持ち込みたく、動作試験をしようと電源を入れてみたところ…。

あ…あれ?何か画面赤っぽくない?
通常の3倍のスピードで動作するようになったのかな?

気のせいかもと思いつつ、ゲームをロードしてみると…。

「タイニーゼビウスmkⅡ」(電波新聞社/1984年)

やっぱしー!!
画面おかしいよこれ!!

プレイしても画面表示の色がおかしいの明らか。
いくらタイニーだからって、ゼビウスこんなじゃないもん!!
あぁ、あの鮮やかな緑の大地が海の底に沈んでいるよ…。

どうすんの直さないと使えないよこれ!?

とはいえこんな40年前のパソコンとか、メーカーに言ったところでどうにかなるわけもなく。

残されたのは自力救済の道のみ!!
やってやるぜ!!(断空我先生ごめんなさい)

まずは愚直にGoogぐぐってみるです。

「PC-6601(もしくは6001) 画面 赤み」などワードで検索するとこのあたりのサイトがヒットします。どちらもありがたく参考にさせていただきました(サイト作者の方ありがとうございます!!)。

  検索した結果分かったことは、

・PC-6601には画面が赤くなる現象があるらしい
・直すためにはRFモジュレータのコンデンサを交換すると良いらしい

p6ers.net様サイトならびにIzumi Tsutsui様togetterまとめより

ということです。

コンデンサ交換するくらいなら、電子工作素人の私でもできるかも?
ほら私、一応「電子工作マガジン」の読者だし(読んでるだけ)。

PC-6601、分解してみた

まずは参考にしたサイトにならって分解バラしてみましょうかねー。

じゃじゃーん!!開けてみたよっ!!
とはいえ大半の読者の皆様は、こんなの見せられてもよく分からないことと思います。
安心してください。私も全然分かってません!!(爆)

どうやらこれが「RFモジュレータ」という部分らしいのですね。
とりあえずこれを本体から外さなくちゃならない。

近付いて見るとこうなってます。
配線とかくっついてるから、これを注意深く外します。

配線を外したら、今度は本体に固定されているビスを外します。

そうすると、こんなふうに取り外しができるのね。
でもこれ、どうやって開けるんだ…?

先のサイトの記載によれば、マイナスドライバーとかで開けちゃっていいらしい。ということで力技いっちゃいます。

開いた~!!
で、どれ交換すんの?
コンデンサらしきものいっぱい付いてるんだけど…。

サイト「PC-6601のRFモジュレータ修理」より

ここで使われているコンデンサは全部で6種類。
参考にしたサイトによれば「全部交換するのが良い」とのことだけど、それはさすがに電子工作素人の私にはハードルが高過ぎる…。

ということで、さらに確認したところ、

10μFだけ交換すれば赤みは無くなります

BAKUTENDO様サイト「PC-6601を分解&修理してみる」より

…とのことなので、それを信じてみよう。そうしよう!!

その10μF(C11)ってのはこちら。

とにかくこれで何をすれば良いのかの目途は立ちました。
あとは行動あるのみです。

かくして決戦の舞台は秋葉原に

PHOTO ACより

この手の電子部品関係でまず訪れるのはこちら。

電子部品販売では千石電商と双璧を為す存在である秋月電子通商。
ここで先ほど調べたコンデンサを買うのです。

店員さんにいろいろ聞いたりした結果、この2つを買うことにしました。

秋月の店員さんいわく、「容量(10μF)さえ合っていれば、電圧(16V)はそれより大きくても構わない」とのことだったので、一応予備部材という意味も込めて10μF/50Vの方も買いました(結果的には16Vしか使いませんでしたが)。

これで部材はOK。
あとはどこで作業するかです。

何度も言ってるように私は電子工作のド素人。
なので、やるにしても識者のアドバイスが受けられるところがいい。

となると…あそこしかないかなぁ~(ニヤリ)。

創造空間ナノラボにて交換作業する

創造空間ナノラボ。
秋葉原にあって電子工作の道具や場所を提供してくださるところです。
いやそれどころか、様々なノウハウまで提供してくださります。
以前の私の自作ラジオ企画でもここには超絶お世話になり過ぎました。

ということでお邪魔しまーす。
(予約制なのに当日電話して乗り込んでしまいすみませんでした…)

まずは滞在証を受け取り、作業スペースを貸してもらいます。

かくして作業モードに。
はんだごてや置き台、はんだなどは自宅から持ってきました。

今回取り替えるコンデンサ部分を裏から見るとこのようになります。

つきましては、まずこの部分のはんだを溶かし、現在付いているコンデンサを外してから新しいコンデンサを取り付けるのです。

ということでお借りしたのがはんだ吸い取り器。
こういうのがあるのが有り難いところ。

さらに今回ははんだ吸い取り線も使いました。

こうして外したら、今度は基板の表から新しいコンデンサを差し込みます。
コンデンサには極性(+と-の方向)があるため、ここは間違えないように気を付けます。
(写真だと分かりづらいですが、+と書いてある方に長い方、その逆側に短い方を差し込むのです…これナノラボのスタッフに教えてもらいました)

差し込んだ状態を裏から見るとこうなります。

はんだ付けしてみました。
これで大丈夫なんだろうか…。

じゃじゃん!!
なんとナノラボ様がテスターを貸してくれました!!

テスターで計測。なおテスターのセッティングはナノラボの方にやってもらいました。そして使い方も教わりました(ひとりじゃ何もできない人)。

見た目の上では修理完了!!
すごぉーい!!
私、パソコンの修理屋さんになれるよ?(なれません)。

これが交換したC11(10μF)コンデンサ

創造空間ナノラボ様ありがとうございます!!
お世話になったお礼に、せいぜい宣伝させていただきますっ!!

さて、あとはちゃんと映るかどうか…。
神様…!!

直ったよぉぉぉぉぉ!!!!!

「タイニーゼビウスmkⅡ」(電波新聞社/1984年)

直った!!直ったよ!!

●修理前

●修理後

これで再び充実したPC-6601ライフが送れるってわけよ!!

しかしこういうことになるのも、長いこと電源入れてなかったからかな…。
IchigoJamやラズパイで遊ぶのもいいけど、たまにはPC-6601もいじらないとスネちゃうのかも。これからも大事にしようっと。

ということでまとめです。

本記事まとめ

・NECのPC-6601には画面が赤くなる現象がある
(もしかすると同シリーズ他機種も一緒かも)
・それはC11(10μF/16V~)コンデンサを交換すれば直る
・その作業は私みたいな電子工作ド素人でもなんとかなる
・分からない方はこのnoteを詳しく読んでみてね
創造空間ナノラボ様ありがとう!!

はぁ~しかし、P6はやっぱ良きですよね~!時代はカセットテープでしょ!フロッピーディスクなんてぜいたく品ですよ?あぁいつまでも終わらない私の青春✨え?老害?ブルンブルン…わ、私はこう見えてもバリバリのナウでヤングな若者なんですからね?ホントのホントですよっ?

ではでは、これからも折に触れてこうした旧き良きパソコン文化を紹介していきたいと思っています。まだまだ紹介したいレトロPCありますので、今後も期待してくださいませ。

(了)

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