見出し画像

書籍紹介「電子工作マガジン AUTUMN2020」(電波新聞社刊)

今回は電波新聞社より年4回刊行されている「電子工作マガジン」を皆様にご紹介いたします。

この雑誌、名前こそ「電子工作」と銘打たれていますが、実際はプログラミングやエレクトロニクス関連の情報も満載で、まったく電子工作をやらない人(私もそうです)も楽しめます。
かつてパソコンユーザーのバイブル的な雑誌だった「マイコンBASICマガジン」(通称「ベーマガ」)が本誌のコーナーという形で復活していることから、これ目当てに購入している方も多いのではないでしょうか。

このnoteでは当方が2020秋号の目玉だと思っている記事を3つ、ご紹介してまいります。

(紹介の関係上、書籍の一部をキャプチャーして掲載しておりますが、あくまでも記事理解を助ける範囲に留めるよう配慮しております。もし関係者の方よりご指摘をいただいた際には、速やかに該当部分を削除させていただきますので、何卒ご了承のほどよろしくお願いいたします)

1.エレクトロニクスホビー70年の軌跡

2020年秋号の巻頭記事。1950年~現在に至るまでの放送開局からパソコン・エンタメ周りの歴史をめぐる特集であり本誌最大の目玉…だと思っているのですが、何でだか表紙にそのあたりのことがデカデカと書かれていません。なので私が本誌記事からかいつまんで紹介します!

電子工作マガジン2020秋01

1950年。放送:通信:電波3法が制定されたこの年に電波新聞が創刊されたとのこと。そしてこれを皮切りに、

1951年:民間ラジオ放送開局
1952年:アマチュア無線本免許交付
1953年:テレビ放送開始
1954年:「電波の日」制定
1955年:ソニー製トランジスタラジオ発売
(月刊「ラジオの製作」創刊)

と、まさに矢継ぎ早の勢いで年々放送を巡る動きが加速していきました。

電波新聞社刊の月刊誌「ラジオの製作」(通称「ラ製」)は、配線図を伴った極めて実践的なエレクトロニクスの入門書として小学生高学年くらいの世代より親しまれていたそうです。この雑誌がいち早くパソコンのプログラミング言語「BASIC」を取り上げたことが、後の大ヒット雑誌「ベーマガ」に結実します。

「ラ製」については今秋「創刊65周年記念特大号」という形で復刻版が発売されました。興味ある方はこちらもチェックしてみてください。

一方のホビーの方ですが、こちらは1978年に日立、シャープ、東芝といった大手家電メーカーがパソコン(当時は「マイコン」という呼称の方が一般的でした)を発売し始め、同年にゲームの分野でナムコが「ジービー」、タイトーが「スペースインベーダー」を世に出したことから、これ以降パソコンとゲームが世間一般に浸透していくことになります。

この時流を見据えて1982年に「ベーマガ」が創刊。この雑誌はBASIC言語の流布に重きをおきつつも、ゲームプログラムの掲載や市販・アーケードゲームの紹介などエンタメ方面を強く意識した記事構成になっており、世間一般のプログラミングへの興味を大きく加速させる役割を果たしたと私的には思っています。
また電波新聞社自身が当時ナムコのアーケードゲーム作品の版権取得やPCへの移植発売を手掛けるなどこの分野に力を入れており、ついに別冊で「ALL ABOUT namco」のような大作のリリースにいたりました。この本は最近復刻されましたが、35年前の本にもかかわらず初版が瞬く間に完売するという売れ行きとのことで、エレクトロニクスとホビーの魅力は時を経ても衰えないんだなぁということを実感した次第です。

というように、この特集記事では1950年以降70年間に渡るエレクトロニクスとホビーの歴史を年表と文章、そしてビジュアルでまとめています。これはもう永久保存版ですよ!これを読むだけのために「電子工作マガジン」を購入しても良いくらいです。雑誌なので入手時期に限りありますから、興味がある方はぜひお早めにっ!


2.IchigoJamをパソコンで動かせる!?

前章までは歴史を語りましたが、こちらは現代人向けコンピュータとプログラミングのお話。漫画家であるくりひろし先生が「時空を超えて帰ってきたパソコンレクチャー」というコーナーでIchigoJam(「イチゴジャム」と読みます)をパソコンで動かす術を伝授してくれるというものです。

電子工作マガジン2020秋02

現代のコンピュータで人気があるものと言えばラズパイ(Raspberry Pi )とIchigoJam。しかしコンピュータも小さくなったもんですよね。以下に両者と昔のコンピュータ(NEC製PC-6601、1984年発売)を並べてみます。

IchigoJamとラズパイとPC6601

▲左から順にIchigoJam、ラズパイ、PC-6601。
比較のために3.5インチフロッピーを並べています。

あぁ私ももちょっとスマートにならないとな。
まぁそれはこの辺においといて。

画像5

ところで当方のnoteを見ていただいてる方にはおなじみだと思うのですが、私はどっちかというとラズパイ中心に活動しており、IchigoJamは敬遠気味なのです。それというのもIchigoJamにはある制限があって、それがどうしても私的に相容れないのですよ。その制限とは、

プログラムを4つまでしか本体に保存できない

つまり4つ以上作ったら1個消さなきゃいけないってこと。
何じゃそれー!!
おちおちプログラム作れんやん!!

まぁ、ラズパイと違ってメディア入れる場所ないし、BASICも保存領域もオンメモリにあるっぽいからやむを得ないかも知れないんだけど、でもせめてこれパソコンに保存とか出来ひんの?ねぇ?

…という風に悩んでる私みたいな人多いんじゃないでしょうか?

今回の記事(漫画)はこの
「IchigoJam保存できる数少なすぎだよドラえもーん何とかしてよ問題」
を解決できる(かもしれない)貴重な内容です。これも永久保存版ですよ!くりひろし先生ありがとう!

紹介されている方法はざっと2通りありまして、

ひとつめ:
WindowsやmacOSで使えるエミュのようなもの
「IchigoJam ap」
なるものを使う方法。
ふたつめ:
ブラウザで動かせる
「IchigoJam web」
なるものを使う方法。

という感じなのですが、でもこれだと「パソコンにIchigoJamの代わりをさせてる」だけなんですよね。エミュで満足できるならそれでもいいんだけど、私みたいに何でも実機で動かしたい類の人間はそれでは不満。

その対策として、PCとIchigoJamをUSBシリアルモジュールでつないで通信ソフトで送る方法も紹介されています。さすがはくり先生。これだったらパソコンでコード書いていくらでも保存しておけるし、IchigoJamで動かしたいときはそれを転送して使用できますものね。

まぁ確かにこれで本問題は一応解決なのですが…うー、でもやっぱその方法しかないか。TeraTermとか使わないといけないってのがなぁ(メンドイ)。でもせっかくこうして紹介記事になったんだからやってみよう!ということで、今年中にはこれ実践してnote記事にします!企画倒れにならないようにしますのでこうご期待っ!


3.Raspberry Pi + HSPで始めるプログラミング

引き続きプログラミング系記事の紹介です。ほら「電子工作マガジン」ってタイトルだけど、電子工作できなくても全然問題ないっしょ?プログラミング趣味の人が買ってもそれなりに楽しめる、このフトコロの深さがこの雑誌の魅力なのですヨ。

電子工作マガジン2020秋03

この記事はラズパイでHSPというプログラミング言語を使えるようにする手引きですね。以前の記事「Pi STARTERに愛を」でも書きましたが、通常ラズパイでよく用いられているRaspbian(ラズビアン)OSに初期搭載されている言語はScratch(スクラッチ)とPython(パイソン)の2種類。どちらもメジャーな言語(Scratchは言語でいいのかな?)ではありますが、これまでBASICしか経験のなかった私のような者にとってはどっちも何か違和感あるのですよね。なので私はPi STARTERのSmileBASICに傾倒した次第です。

さてHSPですが、こちらはRaspbianのプログラミング項目の中に選択できる言語のひとつとしてインストールする形のようです。私はHSPは触ったことないのですが、入門的なサイトをパラパラ見した限りではBASICにほど近い感じという印象を受けました。

記事によればラズパイとHSPを組み合わせた小学生以上対象のプログラミング講座が2018年から実施されているとのこと。HSPプログラムコンテストなどというのも開催されており、ゲームプログラムをこれで作っている人も結構多そうな感じ。うわー知らなかったなぁ。いま言語ってたくさんあって、どれ選んでもしんどそうな気しかしないんだもの(そもそも初学者にはその「選ぶ」って行為が既にハードルなんすよ…)。

でも!
せっかくこうして記事にしていただいたんだし、ラズパイに足を突っ込んでいる者としてはHSPもやってみっかな!

画像7

(▲インストールには成功…したと思うのですが、エラーで動かなかったのでアイコンの写真のみ掲載。たぶん私がRaspbianをいろいろいじくり倒しているせいでしょう。いずれちゃんとやってみます)

ということでこれも年内に実践してnote記事にします!
企画倒れにならないよう皆様見守ってやってクダサイ…。

ところでこの記事はおにたま(オニオンソフトウェア)様によって記載されたものなのですが、

(オニオンソフトウェア?いや、まさかな…)

と思って、私のレトロPCゲーム棚からゴソゴソ。

画像1

「オニオンハウス」1984年発売のソフト(当時どうやって買ったのか覚えてませんが、たぶんパッケージから見て中古だな…)。もしやこれ関係の方ではないかとウィキペディアで調べたら、何と作者の方じゃないですか!これ私がいまなおクリアできておらず、絶対寿命が尽きる前に解いてやると密かに思っているタイトルなのです。
(ちなみに詰まっている場所は「4文字だが数字ではない。数字の平方根をとってみよ」のところ。誰かにレスキューしてほしいくらいです)

こういう方がいまなおプログラミングの世界で生きていて、若い方に技術を伝承しているのってすごいことですよね。

そして!こうした世代の架け橋の役割を果たす場所として、この「電子工作マガジン」があるわけですよ。
お、最後はうまく本誌アピールにつながりましたな。

ということで、エレクトロニクスにもホビーにも、プログラミングに興味がある方にもオススメします「電子工作マガジン」。もちろん電子工作をやる方には、さらにさらにオススメします!

#推薦図書

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?