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こうすると、騒がしい教室が静かになります。(1318文字)

 「今週の目標」の欄に、「どの授業でも正対する」と記入する子供が少なくありません。ちなみに、ここでいう、「正対する」とは「相手の方へ自分の体を向けること」、すなわち「授業に真剣に取り組むこと」を指します。目標にするということは、裏を返せば、それが十分にできていないことも意味します。今回は、「子供たちの成長」ではなく「子供たちのの課題」を保護者の方と共有していくことで、一緒に子供たちの成長を手助けしていければと思います。ということで、「子供たちの課題はどの授業でも正対すること」というテーマでお伝えします。

授業や先生の話が聞こえない=雪崩

 子供たちに「授業に正対してないと思う場面はどんなとき?」と問いかけてみると、「私語が多くなって、授業や先生の話が聞こえないとき」と返ってきました。確かに、それは、「授業に正対できている」とは真逆です。しかも、「授業と正対したい人」、「正対しようと努力しようとしている人」からしてみれば、学習を受ける権利を妨害されることが少しでもあることは、大きな問題です。
この「私語が多くなって、授業や先生の話は聞こえない」状態が生まれる流れは以下の通り。

① 授業中、つい授業と関係ない話をしてしまう。
② その話につられて、一緒になって話してしまう。
③ それが広がり、授業や先生の話が聞こえなくなるほどうるさくなる。

③までくると、止めることが非常に困難で、正常な状態に戻るのに、多大な時間と労力がかかります。「授業と正対したい」子供と教員にとっては、非常に迷惑です。ちなみに、「みんな静かにして!!」と責任感が強い子が大声で言うと「あなたが一番うるさい!!」と、注意している側が逆に怒られるといった悲しい事故もこの③のときに生まれます。

さて、このような③の「授業や先生の話が聞こえない状態」を「雪崩」と私は呼びます。自然界で雪崩が起こる一例は、

① 小さな雪玉ができ、雪の上を転がり始める。
② 周りの雪を巻き込みながら雪玉はどんどん大きくなる。
③ 雪玉が誰にも止められない大きさにまで大きくなり雪崩へと変わる。

どうでしょう?雪崩が起こる現象と、学級で「私語が多くなって、授業や先生の話が聞こえなる」現象は発生の仕方が似ていませんか?

雪崩を防ぐためには

 では、どうしたら、雪崩を止めることができるのか?先ほども言ったように、③の「雪崩」になってからでは、多大な時間と労力がかかります。それなら、①のときの「きっかけ」の状態で対処するは?これも、集中力や衝動性には、この時期は特に個人差があり、もぐらたたき状態で、とても難しいことです。雪崩が起きないようにするための一番の策は、「きっかけにつられないようにすること」です。雪国でも、「雪崩」対策として、「雪崩のきっかけ」をなくすことよりも、「雪崩予防柵」や「雪崩予防杭」が設けられ、「どうしたら雪崩の被害を最小限に抑えられるか」が考えられています。
 雪玉が小さいうちに周りが「つられないこと」、「広げないこと」を意識することで「雪崩」にならないように努めていこうとみんなで確認をしました。今後の彼らが「どの授業でも自分達で正対できるようになるか」がとても楽しみです。

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