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思いがかさなる 〜 自分と自分 〜

真っ昼間だというのに
部屋が暗くなっていく
突然の雷雨に注意って
天気予報で言ってたな

カーテンを全開にした

「ねぇ」と呼びかける声
続くことばとメロディに
わたしはふと手をとめて
ただじっと耳を澄ました

魔法にかけられたみたいに
思考回路がぷつんと途切れ
そこにしずかに突っ立って
そのままじっと聴いていた
よくわからないまま涙がこぼれた

「強く手を握ろう…」
そういってその歌は静かに終わると
パーソナリティの明るい声に紛れた
雨はあっという間に土砂降りになった

雷雨が怖いくらいに窓を叩いて
わたしは黙ってそれを見ていた





『思いがかさなるその前に…』
2004年にリリースされた 平井堅さんのその曲は、

子供の頃の自分が 未来の自分を思い描き
大人になった自分が 昔の自分を浮かべる
僕からキミへ、キミから僕へ
自分自身である二人の思いは時空を越えて
投げかけるように問いかける
キャッチボールでもするみたいに

… そんな世界観



自分のやりたかったことって何だっけ
どこまで追い続けたらいいんだろう
何をすればいいんだろう
自分はこれでいいのかな

そんなふうに自分自身に問いかけることもあって
夢と現実のギャップ
理想と現実のギャップ
昔から変わらない自分と変わりゆく自分のはざまで
悩んだり不安になったり 憤ったりするかもしれない
心細い自問自答はあやふやで
自分に向き合うというのも エネルギーがいりますね

自分は自分でしかなくて
自分にしかできないことや
自分にしかわからないこと
でもうまく言葉で表せないこと
どうにもならないこともあって
ひとりぼっちのちっぽけな自分は
どうすればいいんだろうって

わたしたち、みんながんばっていますね

「言葉にならない思いだけ 強く手を握ろう…」


嬉しいのやら哀しいのやら
涙のわけは よくわからなかったけど
とにかくこんなふうに 自分自身を励まして
いつでも自分はここにいるんだよって
自分を信じて大事にできたらいいなって
感じたんだとおもいます(たぶん)


夏がきますね
雷コワイよー
みなさんもお気をつけて


ここに来てくださったみなさんへ
平井堅さんのこちらの曲を…

どうぞよい一日を、よい一週間を





#76.   『 雨 』

⭐︎昼下がり 悪戯イタズラみたいな雷雨は不意の涙に遠ざかりけり

⭐︎透明な硝子をはじく透明な雨粒の告ぐ夏の始まり

        ー ちる ー

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