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鳥見ハイキング<U湖編> 1/3話 2022年6月 夏鳥とはなかなか巡り会えない。

    鳥見仲間で茶飲み友達のモカさんとは、都合が合わず、ひと月以上会っていませんでした。
 ある日、次の週末の午後なら予定が空くとモカさんから連絡がありました。
 そういうわけで久しぶりにモカさんと鳥見に行くことにしました。

 モカさんから提案されたのはサンコウチョウがいるかもしれないU湖でした。
 私がずっと「サンコウチョウぶつぶつ」と言っていたので気を遣ってくれたのだと思います。

 U湖まで、午後から行くのには少し遠いです。
 でも、甘えさせていただくことにしました。
 モカさんとサンコウチョウを見られたら、嬉しさ2倍ですから。

 澄んだ青空、エアコンの風(重要)、真夏を思わせる太陽の下、U湖に到着しました。

 U湖の東側にある駐車場に車を停めました。
 そこから階段で湖岸近くまで降りることができました。

 湖の周囲を回れるように細い道ができていました。

 モカさんが笹藪で隠れそうな細い道を指して
 「こんな所にまで道がある……クマが出たらどうしよう」
 「アスファルトの道を行きます?」
 ちょうどもう一つ別の階段があったので、ここから駐車場まで戻りました。

 駐車場から一段高い位置にアスファルトで舗装された道があります。
 交通量は余り多くなく、本格的なマウンテンバイクに乗った人が「こんにちは~」と過ぎていくくらいでした。

 さっそくモカさんが上の方を指しました。
 「いた」
 上空をゆったり飛んでいたのは猛禽でした。
 「トビ?」
 「近いね」

 赤い小さな木の実をたくさん付けた木がありました。
 モカさんが駆け寄って木を確かめます。
 ちょうど小鳥がおいしく食べそうです。

 モカさんが
 「これってカラスザンショウ?」
 なんて言いましたが、結局、よく分かりませんでした。
 小鳥がよく食べるなら、この木を遠くから見守るという手があるかもしれません。

 杉林の谷間に細いせせらぎが流れているのを見つけました。

 目ざといモカさんが
 「いた!」
 そう言って指で示し、その方向を双眼鏡で覗きました。

 モカさんの見ている方向から、せせらぎをよく見ていると、鳥が水浴びをしているのが分かりました。
 倒木から水辺に降りて、バチャバチャと水しぶきを上げてからまた倒木に戻るのですが、暗くてそれ以上は分かりません。

 しばらく眺めていて
 「ヒヨちゃんか」
 そうモカさんに報告すると、モカさんはとっくに気づいていたって顔をしました。

 モカさんが
 「あっちに緑色のがいる」
 そう言いましたが、私には見つけられませんでした。

 「メジロ?」
 「目の周りは白くなかった」
 「アオジ?」
 「さぁ」
 結局、緑の鳥がなんなのかは分かりませんでした。

2につづく。

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