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歩こう、歩こう 探鳥会レポート<K町編>2/3話 2024年6月

 先日、K町主催の親子バードウォッチング教室が行われました。
 ゆる支部に講師派遣依頼があり、私もスタッフとして参加することになりました。

 代表のYさんがホオジロを見つけたので、さっそくスコープで焦点を合わせました。

 参加者の皆さんに見てもらいます。

 スコープは子どもに合わせて高さは1メートルくらい。
 大人にはしゃがんで見てもらいました。

 大人も子どももスポーツ鑑賞をするような小型双眼鏡を持っていた人が多かったです。

 スコープをのぞいて
 「よく見えるねぇ」
 と喜んでもらえました。

 遠巻きにして様子を見ているきいろくんに声をかけて、スコープを見るように言いました。

 そうしたらきいろくんはスコープにがっちりしがみついて離れなくなりました。

 しばらく時間を見て、
 「次の人が順番で待っているから、次の人に見てもらってもいい?」
 そうに声をかけたらゆっくり離れました。

 いろんな子がいて面白い。
 こういうのは楽しまないとね。

 同時に、きいろくんがとても気になりました。
 この子はたくさんの周囲の手伝いを必要としている子ではないか、と。

 今日はきいろくんがいい体験をたくさん積める日にしたいねぇ。

 探鳥会ご一行は施設の駐車場を出て大通りを歩きました。

 Yさんが足を止めました。
 「今、ヒリヒリヒリって言ったのがサンショウクイです」

 Yさんは図鑑を取り出して、鳴き声再生装置を使って鳴き声を再生しました。
 小さな音でヒリヒリヒリと聞こえました。

 探鳥会ご一行は進みました。

 弟くんが歌い始めました。
 「歩こう、歩こう♪」

 日本が世界に誇る巨匠が監督した有名なアニメ映画の主題歌で、散歩をテーマにした名曲でした。

 ゆるい、ゆるすぎる。

 おかしくて腹筋がどっかに行きそうでした。

 進行方向で森が途切れて、空が明るく見えてきました。

 Yさんが
 「あそこに行けば視界が開けて、鳥も良く飛ぶだろう」
 そう言ったので、探鳥会ご一行は歌に合わせて元気に歩きました。

 谷底を川が流れていて、大きな道路が谷の上でカーブしていました。
 そのカーブして道が大きく曲がったところがちょうど展望台のように開けていました。

 遠くに見える山々は朝霧に覆われて深山のようでした。
 背の高い針葉樹がさらに上へ上へと枝を伸ばし、天に手を伸ばすように開いた葉は鮮やかな緑色。

 その緑色の中に鳥がいないか、ひとつひとつ丁寧に見ていきました。

 先ほどからオオルリの鳴き声がして、どこかの木のてっぺんに居そうなのに見つかりませんでした。

 K町のWさんが
 「あそこに鳥がいませんか」
 「あ、本当ですね」

 カメラの望遠レンズで見てみたら、ヒガラに見えました。
 でも、せっかくなのでスコープに入れました。

 最初にYさんに見てもらって「ヒガラですよね?」と確認してから、参加者に見てもらいました。

ヒガラ

 いかにもオオルリが好きそうな枝に、なぜ。

 ここは橋の手すりがあって、低い位置にスコープを設置できませんでした。

 背の低いきいろくんに
 「おとうさんに抱っこしてもらう?」
 そう声をかけると、お父さんがさっと抱き上げてきいろくんに望遠鏡を覗かせてくれました。

 「よくわかんない」

 なんと!

 急いでカメラのデータを見せました。
 「木の、ここに鳥がいるんだよ」
 「同じ鳥が望遠鏡で見られたんだよ」

 きいろくんに見せている間に
 「あ、飛んじゃった」
 という声が聞こえました。

 「飛んじゃったら仕方がない」
 そう言って木を見ると、確かに鳥の姿が見えなくなっていました。

ヒガラ

 探鳥会ご一行はさらに先に進みます。

3につづく。


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