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去年の自分へのアンサー

“LOST IN TRANSLATION”

世界には、他言語に翻訳するときに、どうしてもひとことで言い表せない言葉がたくさんあります。そんな言葉を全世界から集め、イラストともに紹介されている絵本、『翻訳できない世界のことば』。

ずっとAmazonのほしい物リストにはいっていたのですが、なんとなく「今読むべきかもしれない!」と感じ、先日やっと手にすることができました。


せっかくなのでいくつか紹介したいのですが、たとえば、日本語の“木漏れ日(コモレビ)“。これは、木々のすきまから射す日の光のことを言います。他にも、フィンランド語の“porokusema(ポロクセマ)“。これは、トナカイが休憩なしで、疲れず移動できる距離のこと。トナカイになじみがないので少しわかりにくいけれど、かわいい。(数字でいうと、約7.5kmだそう…!)

このように、ひとことで翻訳できないからこそ、言葉の奥に、その国々の自然や生活を想像してしまいます。そんなふうにわくわくしながらページをめくっていると、次の言葉に出会いました。

ウルドゥー語の、“NAZ(ナーズ)“
誰かに無条件に愛されることによって生まれてくる、自信と心の安定

愛。無条件の愛。
そして自信と心の安定。

たしかに、人の愛に触れたとき、なんとなく大丈夫な気がしてほっとした経験があるなぁと思い出しました。

それは、去年の就職活動をしているとき。どれだけ自己分析をしても面接を進んでも、明確なやりたいことや自分の強みがわからず、もやもやしていた日々が続き、第一志望にしていた会社の面接も控える中で、とても不安になっていました。
そんなあるとき、出会った社会人の先輩方とお話しをしていると、なぜか、涙が溢れてきました。悲し涙でも、嬉し涙とも違う、すごく温かい涙でした。氷があたためられて溶けた水がぶわっと溢れ出るような・・。
その空間は、ただの就活の相談ではなくて、言葉をかけてもらって、背中を押してもらって、自分の進みたい方向を照らしてもらったような愛の空間でした。
はじめて会った人たちなのに、とても温かくて、自分という存在を肯定してくれて、まるっと包み込んでくれて。多分その人たちは、無意識かもしれないし、わたしなんかただの学生の1人にすぎなかったと思うのですが、その人たちの愛に触れられた瞬間だったんじゃないかなぁと思います。そしてたぶん、その人たちは“愛の度数“が高い人たちだったのだと思うのです。

ここでいう“愛の度数”とは。
わたしの好きな小説『アミ 小さな宇宙人』に出てくる表現なのですが、アミによると、「宇宙の基本法は愛」であり、また「愛は力であり、振動であり、エネルギーであって、それらの量は、たとえば、“センソ・メトロ(感覚計)”のような器械で、測定することができる」のだそう。その愛の数値を“愛の度数“と呼び、人のそれが高くなればなるほど、世界は良くなっていく、というのです。(愛と平和について、という少し宗教や哲学の色がつよい小説ではありますが、さくらももこさんのイラストがかわいいのと、愛の大切さが描かれているのでこの本もぜひおすすめしたい…のですが、現在は絶版になっているとのこと……)

昔に読んだお気に入りの小説、去年体験した出来事、そして最近読んだ絵本。全てが今、自分のなかで繋がったような気がします。あのとき、愛の度数の高い人たちと出会い、愛に触れて、自然と溢れ出た涙、あの涙を“ナーズの涙”というのかもしれません。

あとがき
実は、このnoteは過去の自分へのアンサーnoteでもあります。1年経って、あらためてあのときの感情を思い出しています。原体験となったnoteはこちら。

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