中国の広告会社で働いて、驚いた4つのこと。
きのう書いた、私が仕事をやめて中国へ行った話。想像よりもかなり多くの方に読んでいただけて驚いています。
読んでくださった方が「もっと中国の仕事の話を読みたい」と言ってくれたので、きょうは私が中国の日系広告会社で働いてわかった、意外だったことを書こうと思います。
中国で働くと、日本でも取り入れたほうがよさそうな仕組みや習慣がたくさんあって、けっこう面白かったです。自分の価値観まで変わるできごとも。少しでも中国で働くイメージがわけばいいなぁ。
みんな定時でバンバン帰る!
日本の広告会社ではいつも、終電ギリギリまで働いていた私。北京に来ていちばん驚いたのは、みんな定時の6時で帰ってしまうことでした。6時半ともなると、もう社内はガラガラ。日本人しか残っていません。
それでも会社の業績は良くて、私の仕事量も日本にいた頃よりはるかに多くこなしていました。
隣の席に座っていた、チームでいちばん仕事のできる中国人の王さんは、6時15分になると「また残業!」と言って、ちょっぴりイライラしだします(笑)
私はそれまで、残業するからたくさんの仕事がこなせるとか、残業する人は仕事ができる人、だと思っていました。
でも王さんは効率的に、やる仕事とやらない仕事を分けて、重要な仕事から段取りよくこなしているように思えました。自分のやらなくていいことに、ダラダラと時間を割くことをきらいました。
王さんは6時で終業すると、いつも家族と外食へ行ったりして、楽しんでいるようでした。休日は山登りをしたり、北京のあちこちへ行っているとか。
すると日本で長時間働いていた自分って、なんだったんだろう・・・という気持ちに。まるで長く会社にいる行為そのものに、価値があるように思っていました。
人間の集中力には限界があるし、この働き方に触れられたことは、働くママになった今もとても役に立っています。
昼食は12時キッカリに食べる
定時に帰る話と近いのが、この「昼食を遅らせない」という習慣です。
みんな12時になると、示しあったようにワラワラと集まって、お昼を食べに行ったり、買いに行ったりします。
よく日本では、会議で昼食が押してしまったりして、ついついこの後に食べるものを考えてしまうことがあるかと思います。また隣の人がお昼に行かないから買いに行きづらい、とかもありますよね。
でもそれはよく考えたら、非生産的。どうせあとから食べるのだから、集中力の欠如に直結する、空腹は早めに満たすに越したことはないと思うようになりました。
日本では「ご飯抜きで働いた」とかが美徳とされますが、中国人にとって、それはまったく理解できない考え方なのでした(笑)
ビジネス中国語は意外にも簡単
まず私が転職したのが、日本の広告会社で、クライアントも日系の企業だったこともあり、中国語はそんなに話せなくてもなんとかなりました。
ただ社員の方は、当然ながら現地の中国人のほうが圧倒的に多くて。管理職の方であれば、通訳をつけてスタッフと会話したりするのですが、平社員でぺーぺーの私はそうはいきません(笑)
仕事では現地の方とも密にやりとりする必要があったので、私は下手ながらも中国語をつかって会話するようにしていました。
そこでわかったのは、ビジネス中国語は案外、簡単かも!?ということです。
広告制作にまつわる言い回しや、クライアントの商品にまつわる単語を覚えてしまいさえすれば、あとはそれらを使い回すだけでなんとか会話が成立します。たとえば私がよく使っていたのは、こんな感じ。
制作会社さんに対して:
您能不能修改一下?
すみません、少し修正していただけますか?
クライアントに対して:
有时间的时候请您看一下这个设计。
お時間のある時に、このデザインをご確認お願いします。
日本語でも案外、メールで書く文面って似たようなものが多くないですか?それは外国に行っても同じでした。
とくに現代はメールやチャット文化なので、最低限必要な文面だけを交わすなら、そんなに難しい中国語は必要ないなと感じました。
また日本語のわかるスタッフの方とも、あえて中国語で話してみると距離が縮まりやすいということも学びました。こちらが頑張って伝えようとしている姿勢がわかるのか、向こうもくみとって理解してくれたりしました。
どうしてもダメなときは、急遽、日本語をおりまぜて。そうしたフレキシブルな会話は、現地ならではで面白かったです(笑)
育休が早い&社内に搾乳室が!
そしてワーママになった今だからこそさらに驚くのが、みんな育休から復帰するのが早かったこと!中には3ヶ月でもう、現場に復帰してくる人もいました。
それは中国の家庭環境が大きく影響しています。中国では育児はママパパだけでなく、おばあちゃんが主に手伝うしくみになっています。
「子どもは私が見ておくから、思いっきり働いて〜!」
というのが、私の中国人の義母の口ぐせでもあります。仕事から帰ってくると、いくつかの中華料理が食卓にならび、お迎えをすませた子どもたちが家にいる状態。
これは日本のワーママにとってはうらやましい状況かとも思いますが、その反面、嫁姑問題も日本同様にけっこうあるみたいです(笑)
そして育休から早く復帰する人が多いため、会社内に搾乳室がありました。みんな会社で授乳をして、真空パックに入れて、冷蔵庫で保管しているんです。
私は日本で育休から復帰したばかりの頃、会社のトイレでパンパンに張った胸から搾乳したなんてこともしょっちゅう・・・ありました。この搾乳室完備のしくみは、会社が働くママを奨励している証でもあるし、日本にもあればいいなぁと思いました。
ーー
ほかにも、中国人は日本人より転職の回数が頻繁だったことも、驚いたことのひとつです。転職してから、また戻ってくる人もいました。この転職が気軽な文化は、若者が生きやすくなる秘訣なんじゃないかなと思いました。
中国で働くの、けっこう面白かったです。日本ではできない大規模な仕事ができたので「みんな中国で働けばいいのに〜」と思ったりもしました(笑)
また思い出したら中国ネタを書いてみたいと思います!
それではまた。よい水曜日を。
小森谷 友美
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