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管理者の持つべき技術(8)

コメント欄で、企業における、戦略、戦術、作戦、兵站の話が出て、 
以前から、思っていたことをきちんと記事にしようと思います。   
とても大事で、簡単な事なのに、なぜか間違って、  
説明されていることが多いモノが「戦略」です。  
「戦略」を企業に当てはめると、「企業理念」になると思います。 
戦争における「戦略」は、戦争毎に変わっても構いませんが、 
「企業理念」は経営者が変わるか、世界の趨勢が変わり、 
実態に合わなくなった場合ぐらいしか、変える必要もなく、 
また、変えるモノではありません。 
言葉のあいまいさにより、戦略(strategy)を企業理念ではなく
目的ととらえることが多い様に思います。
多分、戦略の英語訳から、ISOなどの解釈と相まって、
実際の内容は「目的」や「目標」なのに、それを「戦略」と
勘違いしている場合があります。

戦略とは、不確実な条件下で、1つ以上の目標を達成するための
高度な計画のことです。

そして、「目的」は企業の場合、「利益を出す」以外にありません。
その利益の数値化する計画は「戦略」になります。
企業で言うと、長期目標計画とか、年度目標計画になり、
その計画を達成するために、リソースをどうするのか、
人員をどうするのか、販路をどうするのかなどの
「小目的」毎の具体的な数値化した「作戦」計画を定めます。
具体的な数値化された「作戦」計画を満足するために、
多種多様の「戦術」、たとえば、受注5%増計画とか、
顧客10%増計画とか、不具合削減計画とか、工場増築計画とか、
設備投資計画とかの数値化された「戦術」目標を決めます。
そして、企業における「行動」は、「戦闘」に当たり、
それぞれの「戦術」目標を達成する為の営業、売買、交渉、生産、
管理などすべての企業「行動」を言います。
兵站は「リソース(資源)」の事で、土地とか人員とか設備とか
資産とか現金とか、まぁ、もろもろ沢山あります。

「目的」「目標」も似ているので、よくごっちゃになることが多いですが、
「目的」は、成し遂げたい事柄で、
「目標」は、目的を達成するための目印です。
日本語に英語表記を加えると分かりやすくなると思います。

企業理念を、コロコロ変える企業はほとんどありません。

企業戦略は、大目的である利益を出すと言うことを、
声高に言う企業もほとんどありません、当たり前だからです。

目的は、ISOの普及により、広く知れ渡りましたが、
作戦、戦略はそれぞれの目的の中に付随してある場合が多く
また、目標や行動の中にも含まれる場合があります。

PDCAもISOの普及で知れ渡りましたが、
目的を達しても、目的を変更しなかったり、
目的が達成できないことが確実になっても
目標を変更しないような企業をたまに見かけます。

管理者は言葉の意味や使い方に注意して、
人を育てましょう。

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