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中国の原子炉環境管理規定

現在、中国は日本の福島原発事故の排水について 
政治的な意図をもって反対を表明していますが、 
中国の原子炉の環境基準 GB 6249-2011 と言う
国家規格で規定しているトリチウムの排水管理規定があります。 
技術屋の性と言うか、まぁ、入手してみましたので、 
記事にします。 

全文ではありませんが、国家規格として読める部分はこれです。

重要なのは、表の部分で、表1 は「大気中放射性廃気の管理値」で、

表2 は「液体放射性廃液の管理値」となります。

氚と言うのは、トリチウムのことで、原子炉の核排水物資について
軽水炉は 7.5×10の13乗〔Bq/a〕(75兆ベクレル)以下で、
重水炉は 3.5×10の14乗〔Bq/a〕(350兆ベクレル)以下にすることと
中国の国家規格は明記しています。 
また、6.8項で

6.8 沿岸サイトの場合、トラフ排出口における放射性排水中の
トリチウムと炭素 14 以外の放射性核種の濃度は、
1000 Bq/L を超えてはならない。
また、放流口から1km下流の受水水の総β放射能が1Bq/Lを
超えないこと、トリチウム濃度が100Bq/Lを超えないこと、
濃度が上記の規制を超える場合、操作ユニットは排出する前に
規制当局の承認を得なければならない。

中国の国家基準では、福島の処理水の濃度は中国の排水基準より
少ないのですが、政治的な意図により、ニュースや国家発表では
触れられません。

ついでに、中国の原子炉の報告書も添付します。

これを見ても、福島の処理水のトリチウム量は、中国の排出量より
少ないです。

中国で仕事をしていたので、国家基準や各報告書がどこにあるのか
わかっていれば、割と簡単に入手できます。 
国家基準は、全文を得るには有料になります。
JIS規格と同じです。
まぁ、それでも、日本から入手が可能ですね。

本当は、日本の役人がその国の報告書をそのまま
その国の役人にぶつけて、日本と同じレベルにするべきと
言うことが必要じゃないかと思います。

中国の役人は、中国国内の基準や報告書に疎い場合が多く
その事実を知らないことも多いです。
中国人と交渉する場合、中国ではこうなっている、
なぜ、うちだけダメなのかと突っ込まないと
役人はなかなかウンと言いません。
今回のように、国家規格や国家能源局などの国家でやっている
指標を出せば、黙るしかないんです。

中国役人との交渉事は相手のカードを持ってこないと
うまくいきません。

はがゆいなぁ。



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