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文章は色褪せない。


最後まで読んだ本をメルカリに出品した。

数年前から大人気の、ビジネスマン御用達の一冊と、心の健康を守ってくれる優しい一冊。

参考になることもあり、良い本だったが、本棚には殿堂入りしているような本が固定メンバーとなっている。
まあまあな幅を取っていて、この席を奪うには足りなかった。
レビューするとしたら⭐︎4つ!!!といったところでしょうか。

何度も読み返したくなることはない気がした。ひっかかりもなくて、一回で満足した。

新入りよりも私に詳しいベテランがいる。それを打ち倒すには並大抵のパワーでは厳しい。

奇抜さ、新感覚さがないと気に入られるのは難しい。
年功序列の国でも結果主義で作品のみを評価されるシビアな面も持ち合わせている。

写真の情報量は少なめで、説明欄には本の情報と自分なりの向き合った結果を軽く書いて、次にこの本が誰かと出会えるようにと、架け橋に徹した。

夕方に出品すると夜には売れ、購入者とのやり取りができる取引画面が表示された。
言葉の選び方と使った絵文字、文の長さを見て、この本を届けるのに相応しそうな人だなと文面で感じた。
どうかオンラインでの無機質なやり取りから何か相手にプラスに作用してほしい。



誰かの手によって考えられ、推敲され、検閲され、印刷され、営業され、運搬され、本屋の棚に並べられ、手に取られ。

そうしてようやく読者の権利を手に入れる。
1人の元からずっと離れないこともあれば、中古市場へと場所を移して読者を増やしていくこともある。

自分がずっと持っているよりも、第三者の手に渡った方が幸せが大きくなるのなら、積極的に手を離すのも選択の価値がある。

匿名配送で相手は全然わからないけれど、送った本づてで温かみを感じてもらえるとこちらも嬉しい。

茶封筒にしまい、コンビニで発送準備を済ませる。
発送完了通知ボタンを押し、丁寧な挨拶を交わす。
「お届けいたします、もうしばらくお待ちください。」

文章めちゃくちゃ堅いな、相手も緊張してしまいそうだ。反省。



同じような想いで、次は服も出品してみたい。


ここまでお読みいただき有り難うございました。

自分を甘やかしてご褒美に使わせていただきます。