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試しに息を吸って

難しいですね 無いものから選ぶというのは


体温が満足してもらえるだけの格好を見つけるのでさえ 毎日困ってばかりです

夏が来れば暑いし 冬が訪れれば寒いです 
移り変わりに美しさを見つけられる余裕はありません 本当はマフラーなんて外したいのに店内は冷房に支配されています
縛り付けられた首元は窮屈で思いのままに息ができません

姿勢は崩れています 肌と肌を近づけていないと不安になります そして風が通ります 

すごい人ばかりです
順風満帆に見えます 過程を知らないからです

興味は「もの」にばかり向いています 「人」らしさを直視したくないからです
人が入っては誰かが出ていきます 流れの早さに焦ってしまいそうです

時には人の目が刺さります 自分で勝手に棘を足しています 痛みます
(実は「人は思った以上に自分のことを気にしていない」らしいです)

譲れないもの以外はみんな譲ってくれます 大したことない顔をしているので ありがとうと言ってみます 時には譲るか 分け合おうと思います

次の日になれば歩くスピードが変わります 聴いている曲が変わっているからです
きっと信号も気まぐれで青になりたいはずです

最も外側にあるものを見ただけなのに知ったつもりになっています
内に招かれるのが怖くて 複雑なジャングルジムは落ちてしまいそうです

明かされたいけど訊きたくありません 直接だと巻き込まれそうだから
インターネットで検索して引っかかったものを客観視したいです

夜が明るくあってほしかったです 置いてかれて忘れられる日がいつか来るとしても 忘れたくないので涙が出ました

いつかはごみになるのも分かっていながら ノートにその日を書きました どうせ見返さないし誰も読みません

変わらない朝を合図に明日へジャンプします 夜を更かしても同じです
先延ばしにしても許してくれないラインは予め用意されています

この地に慣れていない観光客の私は飛び越えました
現地に住みついている方々に歓迎されています 環境に合わせるのに必死で その日で手いっぱいです

充実させられた分だけ 夜が近づくのが怖くて仕方がありません

明日は来なくていいから ずっと いつまでも

今日であってほしかったです

自分を甘やかしてご褒美に使わせていただきます。