M-1グランプリ2020を見たよ。

芸の上に人物が投影される。それが生きてきた濃さを映し出す。

M-1グランプリ2020を見た。お笑い賞レースに釘付けになって、最初から最後まで見たのは今日が初めてだった。もっと言えば、決勝大会の3時間前に行われた敗者復活戦からテレビに張り付いて見届けて、視聴者投票も参加した。

追っかけや生ライブの経験はないけれど、お笑い芸人のラジオを聴いたり、ネタの動画を見て笑わせてもらうことはよくある。
掻い摘むようにお笑いにハマることはあるし、ピンポイントで好きな芸人は結構いる。
例を挙げるとすると、先日エッセイ本を買ったずん飯尾、オードリー若林、阿佐ヶ谷姉妹など。いるだけでその場を和やかにして優しい笑いを届けてくれる人を好む傾向にある。

そんな自分が、ジャンルの幅を越えて個性に富んだネタの祭典を見ている。

いやあぁぁ〜〜、おもしろかったなぁぁ〜〜〜。

客の前に立つ機会が減って、漫才の空気感がイマイチ身体に馴染ませられなかった2020年。無観客でネタを披露して始まった今大会は、演者の顔つきが違う(らしい)。

人を笑わせることで生きていく。それを生業としてきた人たちが、人の前に立つことができなかったことが、逆境となり、苦難と言われた。

一時期は、お笑いに限らず、人との距離感を何よりも重視しているエンタメは危機的状況に瀕していたが、糧として、下半期には盛り返すようにオンライン〇〇が開催されていた。エンタメの底力を感じさせられる機会が何度もあった。そういう意味では楽しかった一年と形容しても良いかもしれない。

コンビがくじで引かれた順にネタを披露していく。お笑いの技術や細かい芸には気付ける自信もないし、そこまで気にするつもりもなかった。終始ゲラゲラ笑っていた。勢いに乗じて笑わされていた。楽しかった。

点数がつけられ、ランキングが形成されていき、一年の集大成と言われるパフォーマンスを届けた。

一視聴者になって、たくさん笑えたことがもう楽しかった。笑い納めを飾った。

なんか、こう、こみ上げてくるものがあった。でも何て言い表せば良いのかわからない。

熱意に感化されたとか、生き生きとパフォーマンスする仕事師に憧れを抱いたとか、好きなことに全力になれる大人がカッコ良かったとか、以前から好きだった東京ホテイソンの初出場を見られて良かったとか。

頭を回しすぎず、ただ笑えることが楽しくて、感動までできた時間。

お笑いっていいなぁ、笑っていられるだけで幸せだった。


YouTubeに上げられた公式の決勝ネタを見て、笑いながら眠ることにする。

一推しの東京ホテイソンの決勝ネタ。

アンミカドラゴン新大久保に出現。


乾杯。

自分を甘やかしてご褒美に使わせていただきます。