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離乳食の正体

『離乳食』というと、皆さんはどんなものを想像されるでしょうか。

どろどろの流動食?くたくたのお野菜?味が薄いお料理?
ーー何やら得体の知れない、特別な食べ物、だなんてお思いじゃありませんか。
作るのが難しいもの?あげるのが大変なもの?中々食べてもらえないもの?
ーー漠然とマイナスなイメージをお持ちじゃありませんか。

私はね、離乳食といえば”おいしいもの”とイメージします。

離乳食は、私達と同じにんげんの食事です。
雲の上の遠い存在ではありません。
ということは、味のジャッジは大まかに「おいしい」「おいしくない」このふたつ。
ほらね、私達の食事と同じです。

ということは、何か迷ったとき大切にしたい軸はひとつ。たったのひとつ。
おいしいかどうか」です。
赤ちゃんでも子供でも大人でもお年寄りでも、みーんな同じ!
おいしいものを、食べたい!
おいしいものを食べると、幸せ!
おいしくないものは、食べたくない!

必ず守らなければいけないルールも、これまたひとつ。
お子さんにあげる前に必ず味見をし、”おいしいか確認する”こと。
市販の物をあげる時も、必ず少し取って味見して下さい。いつもと同じものでも、毎回、確かめて下さいね。
「今日もおいしいかな?どうかな?」
お母さんが美味しくないと感じる食べ物は、お子さんだって美味しいとは思いません。
お母さんが美味しいと思った食べ物が必ずしもお子さんにとっておいしいかはわかりません。食経験があまりにも違います。
けれど少なくとも、お母さんが「これはちょっとなあ……」なお食事は、お子さんにとっても「うーん、ちょっとねえ……」なのです。

う〜〜ん……

食べてくれなくても、いいのです。
「あー今日もひとくちも食べてくれなかった。」
「昨日もひとくち食べて、終わってしまった。」
それでいいの、落ち込まないで下さい。

昨日食べてくれたもの、今日は食べれなくてもいいのです。
「何で?昨日は食べてくれたのに!嫌いになっちゃったの!?」
いいえ、そんなことはありません。
大人にも気分がありますね。さっぱりしたものが食べたい時に、大好きな味噌ラーメンが出てきたとしても、今日私はさっぱりしたものが食べたいから、ラーメンは箸が進みません。
食べてくれなかったら「あー今日は気分じゃないのねえ」なんて気楽に受け取りましょう。
大丈夫です、大体本当にそうなんですもの。
頑張って作ってあげたのに勿体無い?
それなら、お母さんお父さんで食べちゃいましょう。
おいしいですから、ペロリですよね♪


離乳食というと、食という文字がはいっていることから、”食べて貰うことがゴール”のように思えます。
しかし本当のゴールはそこではありません。

ーーお母さんが、お父さんが、お子さんと向き合ってコミュニケーションをとる。

離乳食の一番大切な役割は、ここにあります。
お子さんにとって離乳食を貰う時間は、親を独り占めする時間。自分だけにしっかり向き合ってくれる時間。
初めて見る得体の知れないものに、大好きなお母さんお父さんから何度も何度も貰うことで、少しずつ慣れていくのです。
「ああ、これは食べてもいいものなんだな、おいしいんだな。」
学んでいくものなのです。

思い出してみて下さい。
私達だって、初めて食べるものには警戒しませんか?
例えば知っている食材に似たものであれば、これまで積み重ねてきた食経験があるから、ある程度「おいしいだろう」「きっとこんな味だ」と予想がつきます。
では、全く食べたことのない、予想もつかない食材が出てきたらどうでしょうか。
私だったら、怖くて警戒します。
口に入れるどころか、まず唇に触れるところからドキドキするでしょう。

お子さんにとっての離乳食は、それの連続です。
まずは”経験”し、存在を知っていく。
お母さんお父さんと親密な時間を過ごしていく。
これが離乳食のゴールなのです。

ちなみに私は、上の理由でイナゴやコオロギ等の虫類が食べられません。
お煎餅になっていたって、形がなくなっていたって、未知だから怖くて踏み出せないのです。
皆さんがお母さんみたいに応援してくれたら、頑張れるかも知れません……うーん、どうかな…………笑

遡って、授乳も同じです。
お乳を、ミルクを、うまく飲んでくれない。
「あーうまくいかない!痛い!もうやだ!」
どのお母さんも一度はそんな気持ちを通るんじゃないでしょうか。
あの時間、しんどいですよね。

”飲んでもらうこと”だけにフォーカスすると、”飲んで貰えないこと”がとてもよく目立ちます。
授乳の時間は、親子のふれあいの時間です。
抱っこして、肌が触れ合って、鼓動を温もりをたーんと感じる特別な時間です。
もちろん授乳はいのちに関わるので、お子さんと一緒に頑張って、離乳食よりは早足で頑張らなければいけません。
でもね、焦らず焦らず急がば回れ!
「あーー!」となったら一回休憩して、深呼吸して、一息ついてから再チャレンジしましょ!

最中にいると中々そうは思えないものですが、過ぎてみるとあっという間。
やっと飲めたと思ったらおくちに咥えたまま寝てしまって、唇の脇からミルクが垂れてくる可愛いお顔なんてすぐに見れなくなってしまいます。
思い出に写真に残すくらい、ゆったりのんびりやっていきましょう♪
私はたっくさん撮りました!笑

また、お子さんによっては離乳食でペーストだと食べられたのに、固形になったら食べられなくなってしまったり、離乳食から一年後、二度目の季節に旬の食材が食べれなくなっていたりします。

うちの娘も例外なくそうでした。
一年も経ったら忘れてしまうのも無理はありません。まだ右手に数えきれる程も歳を取っていないのです。
そんな時も心配御無用!
何度も何度も食卓に出してみたり、親が食べているのを見続けるうちに、興味をもってやがてまた食べてくれるはずです。
忘れてないですよね?出すだけでいいんですよ。
食べてくれなくっても、いいんですよ。
「※この後、親が美味しく頂きました。」この言葉をいつも胸に。
食べてくれたら、一緒に「やったー」と喜びましょう♪

左手前の皿は親の検食用セットです。



何が気に入らなかったのか、想像もつかないようなことで食べなくなるのも、また子供です。
ひとつ例として、うちの子はバナナを食べなくなりました。
0歳の頃大好きで両手に持って食べていたのに、ある日祖母が冷蔵庫から冷たいバナナを出して与えたら大泣き。そこから食べなくなってしまいました。一年半の月日を経て、漸くまた美味しさを思い出してきたところです。
驚いたことにきっかけは思い当たらなくて、ある朝突然キッチンのバナナを指さして「バナナぱいる」と言ったのです。本当に食べました!笑
自分から意欲を見せてくれた時は絶好のチャンス!
どうせ食べないんでしょ?なんて思わず、挑戦を見守ってあげて下さい。
あ、うちの子ね、アンパンマンはすらすら歌うのに”食べる”が言えません。”ぱいる”んです。
皆さんうちの子が”食べる”といえるよう応援宜しくお願い致します!笑



「食べること」を教えるには根気がいりますよ。
でも、食べてくれた時は本当に嬉しい!
皆さん一緒に頑張っていきましょうね。

ーー離乳食の正体ってなあに?

正解は、『おいしいたべもの』です。
ひとつ、覚えていって下さいね。

皆さんの毎日に笑顔が溢れますように!
今日もお読み頂きありがとうございました。


↓ 筆者が何者か知りたい方はこちらをご覧下さい。


ありがとう〜!


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