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CHILAN|独立準備の裏側.02 〜物件探し編〜

こんにちは、どうも。

広島にあるモダンベトナミーズと自然派ワインのお店、CHILANのオーナーシェフをしているチラン(@fantoddycat)です。

noteは普段考えていることをつらつら殴り書きかつ思考整理している場所なので、お店の情報はコチラから。

<CHILAN情報>
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今回のテーマは「独立」。

最近まわりで独立を考えてると相談を受ける機会があり、記憶が風化する前に自分の経験をケーススタディとしてメモ的に残しておこうかと思います。独立といってもいろんなステップがあるので、シリーズものになります。

▼前回はコチラ

生の情報を探しているという方の一助になれば嬉しいです。

物件探しの壁

前回のエリア選択で、どこでやるか大枠絞り込んだとして、次は実際店舗にする物件を探すステップになります。

プライベートでは一人暮らしを始めてから同じ部屋に2年以上住んだことがなく、国内外ふらふらしていたのですが、もともと建築デザインが好きなのもあって物件を見るのにワクワクするタイプの人間です。しかも今回は文字通り自分の城を探すとなれば、どんな物件に出会えるか夢が膨らみました。

すぐにしぼみましたが。笑

ないんですね、物件が。びっくりするくらいに。というのも、東京のテナント事情を少しかじった程度だったので自分の視野が狭かったのもあります。探していた物件の条件として

・ワインを出す → 駅徒歩圏内・駐車場不要
・1人でまわす規模 → 10坪くらい
・固定費抑えたい → 100,000/月以下

これがねーないんですよ、広島の西側には。本当はそれこそ宮島行きのフェリーが出ている宮島口でやりたかったのですが、歴史あるあなご飯屋さんやもみじ饅頭屋さんが立ち並んでいて、ぽっと出の新参者がサクッと借りられる物件なんて全然なくて。甘く見てましたね。甘く見るどころか見切り発車で移住したので、どちらかというと何も見てなかっただけですね。さて困った。

不動産屋さんが出してくれた物件も

・車じゃないとたどり着けない → ワイン出ない
・無駄に大きい → 1人でまわせない
・さらに駐車場も付いて家賃は想定より高い → 固定費圧迫

となかなかに厳しく。。ここ立地悪くないのでは?と自分で探してきた土地は、敷地内の老人ホームと崩れかけた裏山が付いて1億5000万したりして笑うしかなかったり。笑

移住2カ月目にして思いました。

一旦忘れよう。

探しものって、探してるときは見つからないのに、探してないときに出てきたりしますよね。あれです。意図的にあの状況を作り出そうとしました。足掻いてもしょうがないと。なんならベトナムに2週間研修に行ったり、ソムリエであるパートナーの社員旅行に同行して長野でスノボとかしてました。その会社の社長に「物件探さんのか。ベトナムはただの旅行やないか。」と皮肉を言われるほど。

(言いたいことは分かるけど、でも物件は巡り合わせだからなあ…)

1〜2年物件が見つからないことをすでに覚悟していたのですが、不動産屋さんに忘れられないように、1カ月ぶりに足を運びました。

「ないですよねえ」
「ないですねえ」
「ですよねえ(顔出したし帰ろかな)」

「でもちょっとおもしろい物件出ましたよ」
「え?」
「賃貸ではなく売買なんですけど」

むん?

「3200万なんですけど」

月10万の賃貸探してる人間に3200万とは。


固まってる私たちに「いや〜悪くないと思うんですけど」と見せてくれた写真に、そこまで興味なく目を向けてみると

え、めっちゃきれい。


行政区分として住宅エリアの一般住宅なんですが、50平米未満なら商業利用できるんですよ。商店街によくある1階がお店で2階が住宅になってるイメージです。と説明を受けながら、脳内ではすでに図面をひき始めてました。

「すぐそこなので時間あれば今から見に行きますか?」

瀬戸内の海と宮島を望む丘の上にある閑静な住宅街の角地に建つ、ベランダひとつない蔵のような外観の物件。最寄駅からは徒歩6分ほどの好立地。中に入ると玄関は2階までの吹き抜けに、内装は全面コンクリート打ちでところどころ木が使われている、東京でも「ちょっと変わってるね」と言われそうなデザイン。聞けば今は引退している一級建築士のご夫婦が20年前に建てた別邸とのこと。

別邸?家具の日焼けはあれど、生活感ないなと思っていたら、なんとほとんど住んでいなかったと。

あ、ここでできる。


直感的に思いました。ここの壁取っ払って、ここにキッチン設置してカウンター作って…と具体的な図案が浮かびました。内装を生かした必要最低限の設備と工事で済みそう(=初期投資安くなる!)

さらに2階に上がると、4つあるの部屋のうち1つが両壁一面に棚という造り。

え、ワインセラーじゃん。


違いました、書庫でした(都合よく解釈しすぎた。笑)でも空調入れればウォークインセラーにできる。わざわざ一から作る必要がない。

さらにはパートナーの親族ほとんどが車で10分圏内に住んでいるエリア。ここまでの条件が揃ったので、(3000万…金額だけ見ると腰が引けるけど、東京でこの物件を手に入れることを考えると3倍はかかることを考えるとむしろ安いかも?)とのポジティブ思考のもと、賃貸でなく売買という別に生まれたハードルを解決する方向性にすぐさまシフトしました。まぁ結論、住宅ローン借りればいいだけです。事業計画書やら面談やらなんやらして公庫からお金借りるよりシンプルです。

まさかの展開でしたが、立地は(売買となればなおさら)簡単に動かせないので「ここが好きた、ここでやりたい」という直感はやはり大事ですね。

そんなこんなで移住3ヶ月目にして物件が見つかってしまいました。ここからは具体的な店づくりの話になります。


独立準備の裏側.03 〜内装デザイン編〜 に続きます。


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