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『ヴィンチェンツォ』ヴィンチェンツォとチャヨン、背中合わせの2人

■ Watching:『ヴィンチェンツォ』20話

- 「仲間とは2つの体の中に1つの魂が宿るもの」

「男女が出てくるからといってなんでもかんでも恋愛に絡めなくて良い」「恋愛にならない最強の男女のコンビが見たい」という思いが特に最近は強く、途中からは「レンアイ…ヤメテ…」と半ば祈りながら見ていた。ヴィンチェンツォ、チャヨン、最後の最後、エピローグまで恋愛関係にならないでいてくれてありがとう(泣)。

L’amicizia è un’anima che abita in due corpi.
(仲間とは2つの体の中に1つの魂が宿るもの)

バベルグループとの抗争、クムガ・プラザの金塊問題、罪を被った実母の再審請求…さまざまな事柄が矢継ぎ早に繰り出されていったけれど、その一連の流れのあいだ中、最初から最後までこの言葉の"仲間"を体現するような2人であり続けた(あり続けようとしていた?)2人のことが大好きになった。

ファッショナブルで、遊び心があり、そして何よりともに闘う仲間であるヴィンチェンツォとチャヨン。どちらが前でも後ろでもない背中合わせの2人は、私の求めていた最強の男女のコンビだった。

初公判にスポーツカーで登場、揃いのサングラスでまるでレッドカーペットを進むかのようにキメた2人。緊迫した空気の中ヴィンチェンツォに肩を抱かれながら記者の間を縫って退場するチャヨン、一転目を合わせ感情を共有してニヤリとする2人。ヴィンチェンツォがハンソクに仕掛けた攻撃とそれによる混乱を、風船ガムを膨らましながら見物する2人。

2人のお気に入りのシーンはたくさんあるけれど、中でも好きだったのは11話、危機を潜り抜けた後にチャヨンの家でお酒を飲むシーン。ときめきテストです。古典的な恋愛映画で流れるような音楽で散々盛り上げてドキドキさせておきながら、「違った 危機的状況のせいね」とあっさり言い放つチャヨン。「好きーっ!!!ずっとこのままでいてー!!!」という感情が芽生えた。いくら酔ってるとはいえときめきテストを持ちかけるチャヨンがまず好きです。

(ヴィンチェンツォが自分のパートナーとして相応しい格好をしろと言ってチャヨンの服を選ぶシーンは「ふーん?」と思ったんですが、その後の「似合う人を見つけただけ」でギリギリ許した。)

エピローグはまた別の物語のプロローグ的な側面を持っていると思っているので、正直なところどうなっても良いと思っています。ギリギリまで粘ってくれて本当にありがとう…

- 「必殺仕事人が多すぎる」

必殺仕事人が多すぎるクムガ・プラザの面々も大好きでした。

美術館でそれぞれ活躍する皆さん、カサノファミリーとしてユニフォームを用意する皆さん。まるで『オーシャンズ11』の新作を見ているみたいだった。しかも、みんな初めから強かったわけではなく、立ち上がった人たちだというのも熱かった。

見終わった後で『ヴィンチェンツォ』最高だったなと気兼ねなく思えたのは、イ社長が生きていたから。ご都合主義かもしれないけど、無駄な犠牲は少ない方が遺恨が少ないからね。

- 韓国エンタメの色

韓国エンタメに触れる中で、「火病」「恨」などの韓国に根付くの思考方法や感情について知るようになった。見進めていく中で、この作品からもそういった傾向を見て取れたのも面白かった。ひとつリミッターを外したような、激情が発露するシーンの数々。そういえば『梨泰院クラス』もそうだったな。

『ヴィンチェンツォ』の監督が、キム・ヒウォン監督という女性であるということを見終わってから知った。「男性だからこんな作品を」「女性だからこんな作品を」という考え方はもう前時代的だなということも改めて感じた。

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