見出し画像

【読書記録】用心棒日月抄(藤沢周平)

読了日 2015/07/22

<あらすじ>
家の事情にわが身の事情、用心棒の赴くところ、ドラマがある。青江又八郎は二十六歳、故あって人を斬り脱藩、国許からの刺客に追われながらの用心棒稼業。だが、巷間を騒がす赤穂浪人の隠れた動きが活発になるにつれて、請負う仕事はなぜか、浅野・吉良両家の争いの周辺に……。江戸の庶民の哀歓を映しながら、同時代人から見た「忠臣蔵」の実相を鮮やかに捉えた、連作時代小説。

<感想>
藩の政争に巻き込まれた主人公が、脱藩し用心棒稼業と藩の刺客を迎え撃ちながら、元禄赤穂事件に巻き込まれていくという物語。暗さの無い、美しい物語だが、アクションも情感も、これぞプロフェッショナルという出来だった。一本縦に通ったストーリーラインという糸に、元禄赤穂事件という横の糸が交わり、一枚の重厚な物語を織り出している。文句なしに楽しめる一冊。

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?