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ルックバックを観た感想

昨日友達とルックバックを観に映画館へ行った。19時30分からの公演だったけれど、話題作だからか満席状態だった。僕は原作漫画も持っているほどこの作品が好きだ。どんな風に映像化されるのかとても楽しみにしていた。

映画は短編映画だから1時間ほどで終わるが、とても1時間とは思えないほど濃密な映画だった。ストーリーの説明は省くので、とりあえず見て欲しい。とにかく「描く」ことに焦点を当てた映画だ。

僕は小さい頃からずっと漫画家になりたかった。自分も藤野のように自作の漫画を描き、学校でみんなに配るような子供だった。友達3人で「トリプル・X・不二雄」というペンネームを使い、ギャグ漫画をいつも描いては後ろのロッカーに並べていた。その頃僕は将来絶対漫画家になるぞと心に決めていた。

でも、中学、高校と進んでいくうちに僕は漫画家になりたいなと思いつつも、次第に描かなくなっていた。部活や勉強、学生の本分に追われ、描くことから遠のいた。やはり漫画は描き続けないと上手くならない。藤野や京本のように一日の全てを描くことだけに費やすような生活は出来なかった。ルックバックでは主人公たちの後ろ姿がずっと映し出される。窓の風景から季節が変わっても藤野と京本がひたすら時間を忘れて描いてることが視覚的に伝わる。

僕は大人になって就職をした。漫画を描くことは完全に諦めた。でも、僕は文章を書くことは諦めていない。中学生の頃からずっとブログを書いている。それは友達や家族にバレて一度は挫折しても気付いたら性懲りなく、また書き始めている。

文章を書くことは僕にとっては必要不可欠なものになっていた。

漫画を描くよりも文章を書く方が自分に向いていると思ったのは、大学生の時だった。僕は大学生の頃「ちくわ劇場」という絵日記のようなブログを書いていた。そこでは、今のような文章と共にイラストも描いて載せていた。
沢山の人が見てくれて、コメントも貰うようになった。「絵が可愛い」「面白い」など、どのコメントも凄く嬉しかったが、僕は中でも文章を褒められることが1番嬉しいと感じることに気付いた。

そのブログは就職してから絵を描くのが時間的に難しくなり、なくなく閉鎖して新しくnoteで書いている。その頃から読んでくれている人が今もずっと変わらず読んでくれていて僕は本当に嬉しい。(本当にいつもありがとうございます。)

書くことの原動力はなんだろうと思ったときに、やはり人から褒められたということが大きいかもしれない。藤野が京本に褒められて帰り道をスキップしながら帰ったあの気持ちを僕は知っている。1番最初に文章を褒めてくれたのは、小学校の担任の先生だった。

小6の時に鎌倉見学に出掛け、その思い出を紀行文にするという授業があった。僕は文章と共に「武士太郎」というマスコットキャラクターを描き、お寺の情報の他に友達との会話、目に付いた関係ないものを全て詰め込んだ文章を提出した。そしたら、授業で先生が「ちくわ君の紀行文がクラスの中で1番良かった。」と言ってくれたのだ。

「ユニークな文章で読んでいて一緒に見学してるような気持ちになりました。」

今もずっと文章を書くことを諦めていないのはその時の嬉しい気持ちがずっとあるからかもしれない。今もその紀行文は大事にとっているし、アメブロで頂いたコメントだってスクショして残していて、気分が落ち込んだ時に見返している。

ルックバックは創作をしている人にこそ見て欲しい。

「藤野ちゃんはなんで漫画を描いてるの?」

この台詞を最後に映画は終わる。その問いの答えをルックバックは背中で表現している。創作をしている人ならその答えが分かるはずだ。




「ちくわ劇場」は今も自信を持って面白いと言えるブログです。
中学、高校で書いていたブログは全部消したけど、これだけはいつまでも残しておきたい僕の宝物です。


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