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【第115回】2022年度地区防災計画学会賞

質問 2022年度の地区防災計画学会賞の受賞者が決まったんですか。

概要

 ①地区防災計画学会賞について
 ②論文賞 澤田雅浩(兵庫県立大学)
 ③奨励賞 伊藤弘人(東北医科薬科大学)・有賀徹((独)労働者健康安全機構)・丸山嘉一(日本赤十字社)・蛭間芳樹(日本政策投資銀行)・野口英一(戸田中央メディカルグループ)
 ④功労賞 西田佳弘(一般財団法人関西情報センター)
 ➄地区防災計画学会第9回大会で表彰予定

解説

①地区防災計画学会賞について

 地区防災計画学会では、2014年度から毎年、地区防災計画に関する優れた論文の著者及び地区防災計画学会の発展に寄与した功労者に対して、地区防災計画学会賞を贈っています。
 ここでは、2022年度の受賞者について紹介します。なお、当該学会賞には、論文賞、奨励賞及び功労賞の3種類があります。

 過去の受賞者一覧はこちらになります。

②論文賞 澤田雅浩(兵庫県立大学)

 2022年度の論文賞の受賞論文は、澤田雅浩兵庫県立大学准教授による「中高層集合住宅のみで構成される地区における在宅避難を前提とした地区防災計画のあり方に関する研究―神戸市中央区港島地区における地区防災対策委員会の活動を通じて―」です。
 本論文は、2022年8月に発刊された『地区防災計画学会誌』第24号に掲載されました。
 マンションの地区防災計画づくりの実践の過程で、マンションにおける在宅避難のあり方を検討したのは、地区防災計画の有用性を広げるもので、意義のある研究です。
 特に、計画づくりの経緯等を明確にし、アンケート調査の実施とその結果の解釈を筋道立てて記されており、本研究は今後、全国のマンションにおける地区防災計画づくりにも応用できる可能性を持ったものです。また、地区防災計画学会のモデル事業とした採択された地区において、「まねっこ防災」をはじめとするユニークな実践知に基づき、地道に活動が蓄積されていることが詳細に記述されていることにも大変価値があると思われます。

③奨励賞 伊藤弘人(東北医科薬科大学)・有賀徹((独)労働者健康安全機構)・丸山嘉一(日本赤十字社)・蛭間芳樹(日本政策投資銀行)・野口英一(戸田中央メディカルグループ)

 奨励賞は、伊藤弘人東北医科薬科大学教授らのグループによる「地区防災計画と病院業務継続計画」です。
 本論文は、2022年11月に発刊された『地区防災計画学会誌』第25号に掲載されました。
 これまで取り上げられてこなかった病院におけるBCPと地区防災計画をテーマにしており、地域の病院における対応を地区防災計画との関連から述べた極めて新規性の高い意義のある研究です。高齢者に対する医療・看護・福祉の領域と地区防災計画に基づく活動との連携は、喫緊の課題であり、実務的重要性も高く、本研究の有用性は極めて大きいと考えられます。

④功労賞 西田佳弘(大阪公立大学・一般財団法人関西情報センター)

 功労賞は、西田佳弘大阪公立大学特別研究員(一般財団法人関西情報センター)です。
 西田先生は、地区防災計画学会の創設期より幹事として、学会の企画運営や関係事務を適切に行い、学会の発展に大きく貢献したほか、内閣府の地区防災計画モデル事業等において、地区防災計画制度の普及啓発のために顕著な活動を行いました。そのため、学会の継続及び発展にとって、西田先生の貢献は、極めて大きかったものと考えられます。

➄地区防災計画学会第9回大会(オンライン開催)で表彰

 上記の方々に対して、2023年3月4日(土)の地区防災計画学会第9回大会(オンライン開催)で表彰する予定です。
 また、同大会の予稿集である『地区防災計画学会誌』第26号(2023年3月4日発行)に受賞者コメントが掲載される予定です。
 大会への申し込みは下記からお願いいたします。

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