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引越しの経験は人生を面白くする

9月の末に引越しをした。
初めて実家を離れるので、かなり気合の入った引越しになった。
実家を離れるということは、私にとって自分の力で人生を歩きだすということ、生活全てを自分で決めて動かしていくということを意味していた。

まず、引越しを決めた理由は、周りの友人たちが一気に大多数、結婚や出産などで環境が変わり、私の心が大きく揺れたから。
うちは母が、実家も都内にあるし、結婚するまで家にいてお金を貯めていればいいんじゃないの、昔は女の子なんて一人暮らししないよ、という考えの人だったので、結婚前に一人暮らしをしたいと何度も言ったけれど、ゆるく止められることが多く、もうほとんど諦めていた。
でも、自分の人生なのだからそんなことも言ってられない!と思い、気合を入れて説得をした。
昔は女性は学歴が低く、給料の低い簡単な仕事しか就職先がなく、男性に養ってもらわないとなかなか一人では生活できないから結婚するまで実家にいる、という感じだったのかもしれないけれど、そんなのはもう昔の話。現代は男女平等。夫婦は女性も男性も同じように仕事も家事も育児もして、助け合って生活していくのが現代社会の生き方の主流じゃないの。だから、私は結婚するまで実家にいるのでなくて、実家を出て自分で稼いで自分の生活費を払い、自分で貯蓄し、自分で家事をしてきちんと生活をする、ということを身に着けたい、と説明した。まあそんなにわかってもらえなかったけれど同意は得られたので、実家を出ることにした。
そして、せっせとお金の計算。思ったより初期費用も家具家電代も、毎月の家賃生活費もかかる。そして、どうせあと一、二年で結婚するのだったら、彼が良ければ一緒に住んだ方がいいのかもしれない、とふと思い、彼に聞いてみることにした。二人の方が、引越し費用も生活費も断然安く済むし、家具家電も二人用のずっと使えるものを買えるし、防犯面でも安心だし、結婚前に二人で協力してやっていけるかの判断にもなるし、ということで。そうすると了承を得られたので、彼と一緒に住むことにした。

それから、二人で物件探し、家具家電探し、インテリアの考案、銀行やカードなどのお金のやりくりの方法、家事の分担などなどをかなり細かくこだわって取り組んでいたところ、あっという間に日々が過ぎ去っていった。
そして引越しをしてから、現在約一か月が経った。やっと自分のデスクと椅子も揃い、毎日の家事にも慣れて余裕ができたので、こうしてやっとnoteを更新できる環境になった。

二人での物件探しは、新しい発見に満ちた良い経験だった。
以下は、物件探しで気づいた面白い発見たち。

1、不動産屋は媒介と仲介がある
まず最初に行った不動産屋は、友人に紹介してもらったところだった。
紹介ということもあって仲介手数料は半額にしてもらったし、担当の方は良い物件を見つけられるよう時間をかけて全力で取り組んでくれる素敵な方だった。絶対この人のところで決めたいなと思っていたのだけど、途中で気づいてしまったのである、不動産屋には仲介と媒介があるということに。
媒介は大家さんと直接やりとりをしている会社で、仲介はその媒介の不動産屋がネットで流している物件情報を閲覧して紹介することができる会社。
つまり、大家さん→媒介の不動産屋→仲介の不動産屋という流れで物件の情報が降りてきているらしい。なので、直接媒介の不動産屋に行ってしまった方が、(大家さんと直で繋がっているので)家賃の交渉ができたり、ネットに載せていない掘り出し物の物件を見せてくれたりと何かと得なこともあるのではないか、という考えに行きついたのである。
媒介をしている不動産屋はだいたい地域に根付いた不動産屋なので、私も住む駅の老舗の不動産屋に行ってみることにした。
すると、それまでに何軒か不動産屋に行って、ネットでもかなり調べつくして、物件数も10件ほど内見をしていたのだけど、それのどこにも比べられないくらい、良い物件を紹介してもらえたのだった。あっさりと。その物件は媒介の会社ならではの空いたばかりでまだネットには出していないものだった。
ある日曜の午前中に見に行って、午後にはもうそこに決めていた。今まで候補に挙がっていた物件と同じ価格帯なのに、駅近で、もっと新しくて広くて、日当たりがよく雰囲気ものどかで良い物件だった。

2、相性の良い物件はフィーリングで決まる
物件探しのアプリを見れば、豊富に写真があり、パノラマで中を360度見られたりする。
家賃や初期費用、築年数、駅からの距離など、自分の求める条件と合致していて、写真を見ても綺麗だし、こんな家最高ー!見なくてももうここにしたいくらい!となっても、実際に内見すると、え、なんかいやだ、やめよ、となることが何度もあった。
中が綺麗でも、その土地や建物がなんだかどんよりしていダークな感じがしたり、反対に古くて写真が嫌だなと思っても、明るく平和な空気が漂っていたり。
その家の持っている雰囲気というか空気感というかそういうのって、人間と同じで実際に見て感じてみないとまるでわからないものなのだということを知った。
人物の写真をみて、この人はこんな感じなんだ、と想像していても会ってみたら、雰囲気とか身に纏う空気感が想像と違う…!ということってよくあるはず。テレビでしか見たことのなかった芸能人に実際会ったときや、SNSで友人の友人など写真しか見ていなかった人と直接会ったりすると、そんな感覚に陥ることがある。
それと同じで、家も実際に見て、感じてみることが一番なのだとわかった。

3、一緒に住む相手との相性がわかる
これは2のフィーリングの話と重なる部分もあるけれど、私は実際に内見する前までは、そりゃ古い物件よりも新しい物件が良いに決まっている、と思っていた。でも、家賃の関係でそうも言ってられなかったので、古くてもリノベーションしている部屋や、築三十年くらいの古い部屋もどんなもんかと見に行ってみることにした。
すると、新築の物件よりも、古い物件の方が私たちにはピン!と来たのだった。
新しい物件は確かに設備もきちんとしているし、収納なども上手く考えられていることが多くて住みやすそうな感じはしたけど、家賃を抑えようと思うと、大通に面していてうるさかったり、二階で通行人との距離が近かったり、窓が少なかったりなんだかなぁと思うことが多かった。
その後に、古い部屋をいくつか見に行ったら、古くても高い階で見晴らしが良く、日当たりが良好で、わーここいいね!と、心ときめくことが多かった。私も彼も。
古くても、汚くてぼろい物件じゃなくて、きちんと丁寧に人が住んで年数を重ねたような物件は、なんだかドラマやCMに出てくるような趣があっていいなと思えたのだった。
そういうフィーリングが彼と合うことがわかったのは良い発見だった。
こういうときに、絶対に新しい物件じゃなきゃ嫌だ!と思う人も多いのだと思うけど、彼も私もそうではなかった。
内見をしてみてどう感じるかというところで、お互いの価値観や相性を知ることができるのだとわかった。

こういった今後に影響する大きな何かを時間と労力をかけて決めるというのは、大変なことではあるけれど、相手のことも知れるし、自分にとっても新しい発見があって良い機会だった。
そして生活してみて、実家を離れる前は、親がいない生活って予想をはるかに上回るくらい大変なのだろうと怯えていたのだけれど、実際に離れてみると、自分の生活の舵をとるのは自分、という意識が湧いてきて、規則正しい生活をして、家を整理して、栄養のある料理を作って、それを続けていくという生活が苦じゃなくできるようになった。
そして気づいたのは、1フロアで、階段がないとかなり動きやすいということ…!実家にいる時は部屋が3階だったのでお風呂に入るのも洗濯するのも色々億劫だったから、1フロアに何でもあることは本当に快適!階段を上り下りするというイメージは、なんとなくやる気がそがれることよね…。

規則正しく寝起きをして、部屋をきちんと整えて、美味しくて栄養のある食事をとる。朝には日の光を沢山部屋に入れて、植物に水をやり、楽しい会話と、続きの気になるネットフリックス。

ひとりのときはひとりで楽しく、ふたりのときは、ふたりで楽しく。

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