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【子どもも大人も】読書が2倍楽しくなる”読み方”

新型コロナウィルスの休校の影響で、時間がある子どもたちも多いでしょう。この機会にじっくり読書を楽しみませんか?この記事では、読書が楽しくなる”読み方”を紹介します。

自分だけの物語「マイ物語」を先につくってみる


読書が楽しくなる読み方とは、「目次を見て、各章がどんなお話になりそうかを、自分で考えて書きだしてから読む」です。

この読み方の元になったのは、実は大人向けのビジネス書の速読方法です。目次だけを読んで結論を想像・妄想して(=仮説をたてて)から読むと、普通に読むよりスピーディに読むことができますし、理解も高まります。

では、実際にやってみましょう!

具体的な方法:目次からマイ物語をつくってみよう!

①読みたい本を選びます。
 ここでは、時間泥棒とそれをとりかえす女の子の物語、『モモ』を例に説明していきます。

②次に目次だけを見ます。
(例)『モモ』(ミヒャエル・エンデ著)の目次はこんな風になります。 

第一部 モモとその友だち
  1章 大きな都会と小さな少女
  2章 めずらしい性質とめずらしくもないけんか
  3章 暴風雨ごっこと、ほんものの夕立
  4章 無口なおじいさんとおしゃべりな若もの
  5章 おおぜいのための物語と、ひとりだけのための物語
第二部 灰色の男たち
  6章 インチキで人をまるめこむ計算
  7章 友だちの訪問と敵の訪問
  8章 ふくれあがった夢と、すこしのためらい
  9章 ひらかれなかったよい集会と、ひらかれたわるい集会
  10章 はげしい追跡と、のんびりした逃亡
  11章 わるものが危機の打開に頭をしぼるとき……
  12章 モモ、時間の国につく
 第三部 〈時間の花〉
  13章 むこうでは一日、ここでは一年
  14章 食べものはたっぷり、話はちょっぴり
  15章 再会、そしてほんとうの別れ
  16章 ゆたかさのなかの苦しみ
  17章 大きな不安と、もっと大きな勇気
  18章 まえばかり見て、うしろをふりかえらないと……
  19章 包囲のなかでの決意
  20章 追手を追う
  21章 おわり、そして新しいはじまり

③目次からどんな物語か、内容を想像します。
 
目次ごとに簡単に内容を書いていきます。うまく書けなくてもOK!
 ポイントは、30分以内でどんどん書いてみること。

 (例)筆者が『モモ』からつくったマイ物語です。

コメント 2020-03-18 112010

④実際の本を読んでみましょう!
自分の想像とどこが違っていましたか?違う部分、面白い部分を振り返りながら読んでみてください。

⑤本を読み終えたら、マイ物語との違いを思い出してみて。
いつもよりも楽しく読めましたか?物語がより鮮明に頭に入ってきたのではないでしょうか?誰かに感想をしゃべってみると自分の考えたことが整理されてより、おススメです。

子どもたちへのメッセージ~マイ物語の効果

自分のつくった物語が「上手か下手か」を気にするのではなく、自分のつくった物語と、実際に書かれている物語の「違いがどんなところにあったのか」に意識を向けることが大事です。

世の中には、正解がないことがたくさんあります。

何が正解かわからない中で、学びとろうと思ったら、まず「自分の考えをもつ」ことが大切です。

自分の考えをもって、言葉にしてみる、というトレーニングは、(正解があるものはAIに代替されていく)これからの世の中でますます重要になってくるでしょう。

大人もぜひ、子どもと一緒に仮説力を鍛える読書を楽しんでください。

https://globis.jp/article/7520

執筆者:平野善隆(ひらの よしたか)グロービス経営大学院教員。慶応義塾大学を卒業後、住友商事を経て、グロービスに参画。グロービス経営大学院ではマーケティングの授業を担当。また自身の会社(株式会社セカンドリーム)では子ども向けオンライン教育事業を立ち上げたり、個人で少年サッカークラブを運営したりしている。