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コロナ禍リモートワークのチームマネジメントのコツ①通常のリモートワークとの違い

誰もが初めてのコロナ禍におけるリモートワーク。「チームマネジメントどうしよう?」という声を多くのリーダーから伺います。

私自身はグロービス学び放題という動画学習サービスの法人事業推進チームでチームリーダーをしており、コロナ禍以前より週1でリモートワークを行っていました。しかし、4月以降は原則全員在宅勤務へ。グロービスの主事業である学校や研修も全てオンラインへと切り替わりました。

多少リモートに慣れているとはいえ、やはりこの状況下では全く違う発想と施策を検討しないといけません。そこで、このコラムでは今まで私たちのチームが取り組んだこと、変えたこと、実際にやってみて大変だったことを3部構成でお伝えしていきます。

①通常のリモートワークとコロナ禍におけるリモートワークの違い
②オンラインでマネジメントをするためのマインドセットと、コミュニケーションTIPS
③マネジメントの目的に合わせた仕組み化のツール、TIPS

今回は「①通常のリモートワークとコロナ禍におけるリモートワークの違い」についてお伝えします。

チームの紹介

私たちが所属するのは、3年前に発足し、150名弱のエンジニアやデザイナーなどが集まりシステムやプロダクトの開発を行っているグロービス・デジタル・プラットフォームという部門です。そこでグロービス学び放題という動画学習サービスの法人事業推進チームとして、9名の皆さんーマーケ、営業推進、代理店対応、カスタマーサクセス、クリエイティブ、データ担当ーと複数の機能を持ちながら日々働いています。

9名のメンバーはバックグラウンドも役割年齢も状況も全く違う人たちの集まりです。たとえば前職は元コンサル、グローバルのMBAマーケ、オペレーションチームのリーダー、広報、デザイナー、営業、塾の教室長、社長室室長などばらばら。年齢も40代から20代、ワーキングマザーが4名、妊娠中の方も2名いました(現在産休中)。勤続13年以上の方が2名いますが、この3月・4月に新しく転職してきてくれたメンバーもリモートで2名迎え入れています。

チームメンバーは事業の拡大、プロダクトの進化のために日々、各地の営業担当やコンサル、実際にプロダクトを開発をするエンジニアやデザイナ、そして利用中の法人顧客や受講者、外部ベンダーなどたくさんの人とコミュニケーション、調整が必要となります。それを「対面ナシで!」というのは抵抗感や、不安を感じるメンバーも多かったようです。そこをサポートするために、私自身もステークホルダーマネジメントをチャットやメールを主として行っていきました。

マネジメントの基本方針

もともとマネジメントの基本方針は「成果を最大限出すために情報をすべて透明化し、お互いが何をやっているか、助け合ってよくなるところはどこかを各自が理解し、しなやかにお互いの個性を活かし協力すること」です。

チームの中に複数の機能があるからこそ、1人が1つの役割に閉じるのではなく目的とタスクベースでアサインをしています。マーケティングが得意領域の人に、カスタマーサクセスの活動でNPS改善のためのメール配信プログラムを考えてもらう、コンテンツのプロジェクトマネジメントをしているメンバーにSQLを書いてもらってBIツールで分析をする、など多岐に渡ります。

一年後には全員が「事業推進として機能を横断してリーダーシップを発揮しどんなプロダクトでもスケールさせることができる」力を身につけてもらうことを念頭に、チームのマネジメントをしていました。

その方針が今回のコロナ禍でも良い方向に発揮されているので、3回のコラムを通じて皆さんに紹介をしていきたいと思います。

通常のリモートワークとコロナ禍のリモートワークの違い

今回のリモートワークでのマネジメントは通常のリモートワークとは違う状況にあります。

どうなるかわからない漠然とした不安や、お子さんの学校の休校、外出自粛による介護の問題、家族全員が一つの部屋でリモートで仕事をするストレス、など各自の家庭環境による働き方の違いは大きくあります。

グロービスにはもともとフレックス・リモートで自己管理をする文化がありますが、それでも休校中のお子さんの対応には普段以上に手がとられます。泣き出したお子さんをあやすために会議中にミュートにして子守歌を歌うメンバーもいます。しつこいくらいに「お子さんの調子どうですか?」「私は最近こんな感じです」「ご自身とご家族が一番ですよ」とチームMTGや1on1(2週に一回行う1対1の定例MTG)の冒頭で話し、きちんとお互いの気持ちや、状況を伝え合い、それに合わせた業務の設計とアサインを行なっています。

不安を感じるメンバーも多かったと思います。最初は1on1で皆さんの参っている顔を見るのがとても辛かったですし、私自身も不安になりました。リアルでのコミュニケーションの方が心地良いと感じる方は多くいます。それが強制的にリモートになり、コミュニケーションに関する不安やストレスを感じるのは当然のこと。大切なのはそれを自身で「今不安になっているな」「なぜ不安になるのだろう」と分解して冷静に見つめ直し、少しずつマインドシフトをすることかと思います。

そして、不安な時こそ論理的に、冷静に、そして情熱的に楽しむことを心がけないと仕事への意識が希薄になったり、特に在宅勤務では自律ができず怠惰になってしまったりすることもあります。

普段のリモートワークでは経験することのない、休校中のお子さんが泣いて駄々をこねる中、旦那さんと二人で同じ部屋で仕事をすることになったりするのです。そんな時に今までと同じ成果を求めたり、「大変ですねー、でもこの仕事をこなしてください」というだけのマネジメントでは、メンバーのエンゲージメントも下がり、本来発揮できるパフォーマンスも発揮されなくなります。「じゃあ実際どうマネジメントしてるの?」とお思いかと思います。次回以降この状況下で成果を最大限にあげるためのTIPSを、お伝えしながら皆さんと一緒にもがいていきたいと思います。

執筆者:越田愛佳(こしだ あいか)グロービス グロ放題法人事業 チームリーダー